12/06/2009

お宝!ヴィンテージ白ワイン

こんにちは。

今回は、前回に引き続き、松涛のオーストラリアレストランArossaで出会ったお宝ワインの紹介です。
前回ご紹介させていただいた、Two Handsの前に、ワインリストから選んで白ワインを頼みました。
Nepenthe Chardonnay 2003です。
Nepentheネペンスも、以前Wine Girlsで紹介したことのあるワイナリーですよね。
アデレードヒルズの涼しい気候を利用して作られた、爽やかなソーヴィニオンブランで一躍有名になった人気ワイナリーです。
今回チョイスしたのは、白ワインの王道、シャルドネ(樽)の2003年ヴィンテージです。
前回のTwo Handsのヴィンテージは2000年なのに、2003って本当にヴィンテージかしら?って疑問の方!
現在店頭に並んでいる、白ワインのヴィンテージをご存知でしょうか?
南半球のオーストラリアの収穫は、1月から2月に行われます。(季節が逆ですからね!)
つまり、ソーヴィニオンブランとかリースリングなどの樽を使わない、スッキリとしたワインは、もう2009年ヴィンテージが発売になっています。
収穫が9月から10月の北半球のワインでは、12月に2009ヴィンテージなんて、絶対にありえませんよね。
まあ、ボージョレーは例外ですけどね。
今回のシャルドネは樽ありなので、オーストラリアでも2009年ヴィンテージを今見かけることはありませんが、2007年くらいが現在店頭にならんでいます。
それを考えると、2003って結構ヴィンテージでしょう?!
樽に1年入っていたとして、5年は瓶の中で熟成してきたワインです。
いやー、すばらしい黄金色に熟成していましたよ。
いわゆるタルタル(樽樽?!)のシャルドネってタイプですね。
ノーズは、真っ赤に熟したリンゴとか桃なんかにたとえることが出来るでしょうか。
それから、なんといってもすばらしかったのが、瓶熟成から生まれた蜂蜜の香りですね。
当然のことながら、樽から生まれたバニラの香りもすばらしかったです。
色も見事なまでの黄金色です。
ここまでのテイスティングコメントをみると、あまり爽やかなフレッシュな香りではないことがわかるかと思います。
ヴィンテージワインですからね!爽やかさはないです。
でも、クールクライメイト(冷涼気候)のアデレードヒルズのシャルドネらしく、酸味はしっかりしていました。
だからといって、すっぱいという意味ではないですよ。
とてもバランスがいいんです。
だって、香りがあまり爽やかではないでしょう?ここに心地の良い酸味が加わると、非常にいいバランスになるんですよ。
ちなみに、前回に続き、オーストラリアらしい食材の話の続きですが、シャルドネにあわせたいオーストラリアらしい食材は、やはりオイスター(牡蠣)ですねー。
オーストラリアの牡蠣は、ミルキーでコクがあって、本当においしいんです!
それから、白ワインにあう肉ということでは、私個人的にワニの肉をお勧めします。
鶏肉のような味なのですが、もっと淡白でさっぱりとしていて、思いのほかやわらかくて最高においしいです。
ワニの肉ってイメージ的に硬そうなイメージだったのですが、とってもやわらかいんです。
中華とか、鉄板焼きなど、あっさりとした味付けのお料理との相性がバツグンなんですよ。
あっさりとして淡白なワニ肉のお料理には、シャルドネよりももっとスッキリした白ワインのほうが向いているかもしれませんね。
ライチなどのAsianフルーツの香りのリースリングなどとあわせて楽しみたいナー。
一言で「白ワイン」って言っても、ワインは、それぞれに、いろいろなキャラクターを持っています。
若いもの、熟成もの、ライトボディ、フルボディ、爽やかなもの、重厚感のあるものetc...
それって、人それぞれキャラクターが違うっていうのと同じかも。
そのワインの持っているキャラクター(持ち味)を活かした楽しみ方を、探してみてください!

12/01/2009

お宝天国ニッポン!

こんにちは。

もう今年も残るところ1ヶ月をきってしまいましたね。
8月の頭に日本に帰ってきて、ボチボチと就活してますが、まだ決まってません。
ワイン知識者を求めているところを知っている方、Wine Girlまでぜひご一報をよろしくお願いします!
このご時勢ですから、焦っても仕方ないことはわかっているんですけど、しかし何もない…。
今の私には、なかなかいいワインに手を出すことは難しいですが、今日は、日本って意外にお宝ワインが眠っている!ってことをお話したいと思います。
先日、大学の恩師たちからご招待を受けて、オーストラリア料理店へディナーに出かけました。
そのオーストラリア料理店は、松涛(渋谷)にある、AROSSAアロッサです。
オーストラリアらしい食材を使った料理を楽しめるお店ですよ。
たとえば、ラム(子羊)とかカンガルーとか。
あ、変わったところではワニや兎もあったかな。
こうやって書くと、オーストラリアってゲテモノばかり食べているようなイメージになってしまいますね(笑)。
でも、どの肉もマーケットに行けば、簡単に手に入るものばかりなので、私にはとてもなじみのあるものばかりです。
とはいっても、普通からしょっちゅう口にしていたものは、この中ではラムくらいですけどね。
ラムステーキとオージーシラーズ(赤)の相性は最高ですよ~!
今回も、AROSSAでラムとシラーズを堪能させてもらいました。
このAROSSAは、オーストラリアらしい料理を楽しむのはもちろんですが、やはりうれしいのは、オーストラリアワインがとても充実したワインリストがあることです。
現地に住んでいた私からすると目が飛び出るようなお値段の数々でしたが、まあ日本に輸入されたらこのくらいになるかなーという、ある意味納得できる(?)お値段でした。
さらに、このレストランのおもしろいところは、メニューには載っていない裏メニューワインもあるんですよ。
しかも、ヴィンテージワイン(寝かせて熟成されたワイン)だったりして、オージーワイン好きにはうれしい限りです。
今回お勧めをうけた裏メニューワインは、Two Hands Shiraz 2000です。
Two Handsと聞いて、ピンときましたか?
そうです、映画Sex And The Cityで、キャリーとミランダがバレンタインのディナーで頼んだシラーズとして、昨年ここWine Girlsでもみなさんにご紹介したワイナリーです。
※参照:2008年6月「SEX AND THE CITYとワイン」 By Wine Girl
思い出しましたか?
Two Handsのワインは、地元オーストリアでも、評価の高いワインを数多く排出している人気ワイナリーです。
そして、SEX AND THE CITYに出てきたことを見てもお分かりのように、アメリカで大変人気の高いワインでもあります。
小さなワイナリーなのですが、アメリカに事務所を持つほどなんですよ。
私も、Two Handsのワインスタイルは大好きで、一言で言うと、「The Barossa!」(これぞバロッサワイン!)といった感じの、果実の凝縮感がギューギューっと濃いオージーワインの典型のような赤ワインが特徴的です。
(でも今回のワインの葡萄はマクラーレンベール産だけど…。ワイナリーはバロッサにあります!)
今回出していただいたTwo Hands Shiraz のヴィンテージは、2000年でした。
今が2009年なんだから、樽+瓶でもう9年も眠っているんですよ~。
こんなワインが日本にあるなんて、正直本当にビックリでした。
しかも、ラベルを見てまたまたビックリです。
こんなTwo Handsワインラベル見たことない!
現在のTwo Handsでは、アート(イラスト)をモチーフにして、ユニークなネーミングのピクチャーシリーズ
と呼ばれているラインと、ガーデンシリーズと呼ばれているピクチャーシリーズの上のランクのラインがあります。
でも、今回のワインは、Two Handsという名前だけで、ユニークなアートやネーミングもなく、ガーデンの名前もありません。
ただ、ラベル柄的には、ガーデンシリーズに限りなく近いものでした。
なるほどー、この柄は、Two Handsの初期から使われているデザインだったんだー。
意外なところで、Two Handsの原点に遭遇しました。。
次回は、Arossaで出会ったお宝ヴィンテージシャルドネをご紹介しますね!

11/17/2009

オーストラリアのボージョレーヌーボー!?

こんにちは。

11月に入り、ボージョレーヌーボー解禁日を待ちわびている方も多いのではないでしょうか。
ついに明日の夜中に、2009年度のボージョレーヌーボーが解禁ですね。
ボージョレーヌーボーって、本国フランスよりも、日本のほうが盛大に祝われているって知ってました?
祭り好きの日本人の血が騒ぐのでしょうかね~。
だって、秋の祭りとしてハロウィーンが、この5年間で急に日本人に定着したことに、久々に日本に帰ってきた私は、本当にビックリしましたよ!
日本人って、本当にイベント好きなのね…。
さてさて、先日、バロッサのワインメーカーがおもしろい記事を送ってくれました。
なんと、オーストラリアにも、ボージョレーヌーボーがあったらしいのですよ。
今日は、その記事をご紹介しますね。
ちょっとその前に、「ボージョレーヌーボー」についての確認です。
「ボージョレー」とは、フランスの地方名です。
ガメイという早飲み品種の葡萄を使って、ボージョレー地区で作られるワインを、ボージョレーワインと呼びます。
だから、ボージョレーワイン自体は、いつでも飲めるんですよ。
ただ、ボージョレーヌーボーは、いつでも飲めるわけではないんです。
「ヌーボー」とは、フランス語で「新しい」という意味です。
つまり、ボージョレーヌーボーとは、その年に取れた葡萄で作ったワイン(新酒)という意味で、その年の収穫を祝う、ボージョレーのお祭りワインです。
ボージョレーヌーボーの味わいは、樽香もなく、ソフトな口当たりで、とてもフルーティーです。
色も、普通の赤ワインのような濃い色合いではなく、綺麗なやや透き通ったルビー色です。
ちなみに、ヌーボーは、樽にも入れず、早飲みスタイルに作られていて、瓶熟成もしませんので、「もしかして、数年寝かせておけばおいしいワインになるかも!」という期待はしないでくださいね~。
と、ここまで、ボージョレーヌーボーの説明をしてきましたが、ということは、オーストラリアには、ボージョレーワインは存在しないわけですが、ヌーボーワイン(新酒)を生産しているところがあるようです。
それは、ウィンディーピークというワイナリーの作る、Windy Peak Victorian Nouveau Shirazです。
お、名前にちゃんと"ヌーボー"って言葉が入ってますね。
シラーズのヌーボーって、これはおもしろいですよね。
この記事の著者によると、ヌーボーは、オーク樽に入れないタイプの赤ワインで、軽くソフトな口当たりで、お財布にもやさしい、気軽に楽しめるワインと説明されていました。
お財布にやさしいワインは、最近ではたくさんありますが、オーク樽に入らない(=ステンレスタンクで醸造し、まったく樽熟成させない)スタイルの、オーストラリアのシラーズは見たことなかったので、このワイン、とても興味があります。
ソフトで軽いシラーズ、すごくおもしろい(笑)!
でも、軽いとはいっても、シラーズ特有の果実味、スパイス感、複雑味はきちんと残してあるそうです。
ますます気になる!!
まあ、何はともあれ、北半球の日本では、とりあえず明日の0時以降、ボージョレーヌーボーで2009年の収穫にお祝いしましょう!

11/07/2009

NZワイン紀行最終回 -NZ航空機内食-

こんにちは。

今日でNZワイン紀行はついに最終回です。
ということで、今日はNZ航空の機内食をご紹介したいと思います。
行きの、アデレード-クライストチャーチは、コスト削減のため、ヴァージン系列の飛行機会社で飛んだので、機内サービスらしいものは一切ありませんでした。短距離だとは言っても、国際線ですよ。それなのに、機内食は新幹線の車内のようにワゴンサービスで購入しなければならなかったんです!
隣のNZ人のおばちゃんは、カップヌードルをすすってましたからね。
ワインとは程遠い世界でした。。。
でも、クライストチャーチから成田までは、奮発して?!(選択肢があまりないんですけど!)NZ航空を利用しました。
何がすばらしいかって、機内食で振舞われるワインに感動しました!!!

当然のことならが、私の席はエコノミーシートでしたので、食事はありきたりのエコノミーミールでしたけどね。
肉か魚の選択肢があって、寿司とか日本蕎麦といった和の副菜を、日本路線ということで(無理やり?)盛り込んだ、アンマッチな取り合わせのザ・エコノミーミールでした。
それでも、足は短く機内用にしてあるものの、ワイングラスはちゃんとガラスだったんです!
赤ワインを飲もうと決めていた私は、お料理をトマトソースのペンネを選択して、ワインの到着を今か今かと待ちわびていました。
お料理に続いて、赤白両方のワインを1本ずつ手に持ってキャビンアテンダントが機内を回り始めました。
どうやら、何本も異なるワインがあいているようで、私のいた列を回っていた方と、反対側を回っている方の手にしているワインボトルが違うようでした。
私は、NZ最後の記念として、メルローを選択しました。
うん!おいしい!!!
機内で飲むワインにはないレベルだわー。
食事の合間には、1回目に来たCAとは別の方が、他のワインを持って歩いてきました。
お、違うワインも飲めるんだ!
このCAは、赤ワインを2本持って機内を回っていました。
しかも、両方とも先ほど頂いた赤ワインとは違うものです。
他のCAは、白ワイン2本を持って機内を回っていたし、本当にワインが充実しているフライトでした。
何度も言うようですが、エコノミークラスですよ!
エコノミークラスで、これだけのワインサービスのある航空会社って、他にはあるのでしょうか?
ワインがNZ文化の一つであること、NZワインに誇りを持っていること、NZのいい商品を世界の方に知ってもらいたいということが、NZ航空からよく伝わってきました。
ニュージーランドは、国と都市と航空会社それぞれが、そしてそのすべてが協力して、観光国ニュージーランドのマーケティング、PRをうまくしているなーと感心させられました。
ニュージーランドは、機会があったら、もう一度訪れてみたい国ですねー。
っていうか、老後に住みたいくらい本当にいい国でした。
今回でNZワイン紀行は最終回です。
ということで、次回からは、また通常のWine Girlsに戻りまーす。

11/02/2009

NZワイン紀行 -ハイテクワインバー発見-

こんにちは。

今日は、クィーンズタウンで見つけた、ハイテクワインバーをご紹介します。
街の中心部、ビーチストリートにあるワインバー、「Wine Tastes 」ワインテイストです。
このワインバーは、常時100種類以上のワインが揃えられていて、すべてグラスで購入可能です。
その購入方法がとてもユニークなんです。
まず、入店したら、受付でワイン購入カードを受け取ります。
そして、ワインの購入はすべてセルフサービス!
100種類以上あるワインの中から、飲みたいワインを好きなだけ飲むことが出来るんです。
ワインの購入は、伝票につけるように、すべてこのカードに加算され、最後はこのカードを精算するだけでOKというとても便利なシステムです。
大きなグラス1杯全部飲まなくても、30mlのテイスティングの量から購入が出来るため、様々なワインを、少しの量で、少しのお金で試すことが可能だということが、この店の最大のメリットだと思いました。
でも、グラスワイン用のワインボトルが常時100種類以上ってすごいですよね。どうなっているの?って不思議ですよね。
これには、ハイテク技術が使われているようです。
写真を見てもらえるとわかるのですが、ワインボトルが1本ずつ機械につながっているのがわかると思います。
つながっているというよりも、機械にはめ込まれているといった感じでしょうか。
この機械は、ワインボトルの中に窒素を送り込むもので、開封後のボトルでも窒素の力で酸化を防いで長持ちできるというものらしいです。
すごいハイテクな機械ですねー。
でも、この機械を使った同じコンセプトの店を、5年ほど前にサンフランシスコで見たことがあった気がします。
ってことは、そんなに最新技術でもないのかな…。
このWine Tastesは、店内はシックなライブラリー風なデザインで、革張りのソファが置いてあるなど、すごくゆっくりと出来る店でした。
ワインテイスティング以外にも、ちょっとしたおつまみ類もあるし、テイスティングしてみて気に入ったワインのボトル購入も出来るんですよ。
なかなかおもしろいでしょう?
洋服を買うときに試着するように、ワインを買うときだって試飲してから買えたらいいなーって思ったことありませんか?
この店は、まさにこのようなGirlsのわがままを叶えてくれる店なんです。
Wine Tastesのラインナップは、NZワインを基本としているのですが、その中で、1本だけオーストラリアワインを見つけたんです。
なんとなんと、オーストラリアワインの最高峰「グランジ」があるじゃないですか!
こんなところで、グランジと再会するとは思っていなかったので、とても驚きましたが、そのお値段にも驚きました。
30ml(ほんとうにチョッピリだけ!)でなんとNZ$30です。
た、高い!
安いものは、30mlでNZ$1-2くらいからあるのですから、それに比べると、圧倒的な高さですよね。
でもグランジは、1本がAU$600もするのだから、この値段でもしかたないかなー。。。
ということで、ワインの勉強でオーストラリアに4年もいたのに、グランジを味わったことのなかった私は、結局このグランジを30mlだけ購入しました。
そのお味はというと。。。
確かに、果実味の凝縮感、余韻、味の複雑味、本当にすばらしいかったです!
一言で言うと、すごーく濃いワイン!
でも、味が濃すぎるのか、なんとなくどこかポートワイン的な感じもするんですよ。
え、まさか酸化してないよね???ってちょっと不安になりましたが、酸化とは違うんですよ。
あのポートのような濃さが、グランジの味だったんだと思います。
熟成したら、あの濃さがどのようにこなれた味になるのだろうと気になります。
オーストラリアで果たせなかった夢を、ようやくNZで叶えることが出来ました。
NZワイン紀行の最後の最後に、いい体験したなーって思いました。
Thanks NZ!

10/24/2009

NZワイン紀行 -セントラルオタゴ編その2-

こんにちは。
今日も、セントラルオタゴの様子をお伝えします。
写真のワイナリーは、クィーンズタウンから車で20-30分ほどの、Chard Framチャードファームというワイナリーです。
写真では分かりにくいかもしれませんが、このワイナリーは、すごい急斜面にたっているんです。建物の後ろに山の斜面が見えるでしょう?あのような傾斜が、下からずーっと続いているんですから。
車がギリギリ2台すれ違えるかどうかの細い斜面は、行き(山側を登る時)はいいのですが、帰り(崖側を下る時)はかなり怖かったです!
このワイナリーは、ピノノワールもおいしいのですが、特にリースリングが素晴らしかったと思います。
ありきたりの表現ですが、ものすごくバランスがいいリースリングです。
レモンやライムなどのシトラス、ロックメロン(中が黄色のメロンです。マスクメロンみたいな高級品ではなく、プリンスメロンのような身近な存在)、ピーチ、ちょっとだけ石油っぽい香り、ミネラルなどなど。。。
ここで、ちょっとリースリングの特徴をご紹介します。
リースリングは、言わずと知れた、ドイツ品種です。
そう、リースリングは涼しいところで作られる品種なんです。
セントラルオタゴの緯度(最南端のワイン産地!)を考えたら、リースリングがおいしいのも納得ですよね。
本場ドイツでは、最近では辛口も作られ始めましたが、伝統的には甘口で作られます。
ドイツワインのとても高級なものは、食事といっしょというよりも、デザートワインとして楽しみます。
オーストラリアでも、リースリングは大変人気品種で、様々なワイナリーで生産されています。
中でも、南オーストラリアのクレアバレーはリースリングの生産地として、世界的に認められています。
オーストラリアのリースリングの特徴は、辛口ということ!
だから食事との相性がバツグンなんですよ。
樽を使わないで作られるリースリングは、生き生きとした酸味が美しく、爽やかな印象です。
それでは、NZのリースリングはどうでしょう。
なんと、甘口なんですよ!正確には、やや甘口って感じですかね。
オーストラリアで辛口のリースリングに慣れ親しんでいたので、これはかなり衝撃的でした。
お隣でも、全然違うスタイルなんだー!って、またまた驚かされました。
NZリースリングは、甘口といっても、やや甘口程度のさっぱりした甘さなので、食事とあわせても全然大丈夫です。
ほんのりした甘みがプラスされたすっきりした酸味の華やかな香りのリースリングは、タイ料理などの甘くて辛い料理とピッタリだと思います。
日本では、あまり見かけることはないNZリースリングですが、見つけたら、ぜひぜひ試してみてください。
ドイツワインほど甘くなく、さっぱりとしてほんのりとした甘みがなんともGirls好みだと思います!

10/12/2009

NZワイン紀行 -セントラルオタゴ編その1-


こんにちは。

今日は、セントラルオタゴのワイナリー訪問についてお話したいと思います。
セントラルオタゴは、南島の中でもかなり南のワイン産地です。世界的に見て、最南端のワイン産地だと言われています。
最南端、つまりとても涼しい土地です。
玄関口となる街は、クィーンズタウンです。
先日お伝えした、アイスバーなどがある、冬はスキーリゾートで賑わう街です。
前回お話しましたが、NZで生産されているワインの7-8割が白ワインですが、セントラルオタゴの事情はちょっと違います。なんと、セントラルオタゴでは、生産量の7-8割がピノノワール(赤ワイン)なんです!
そうです、セントラルオタゴは、ピノノワールの名産地として、今では世界的に有名な土地ですね。
私も、セントラルオタゴ訪問目的は、ズバリ、ピノノワールと親しむ!そして、お目当てのワイナリーを訪ねる!でした。
そのお目当てのワイナリーは、有名な、フェルトンロードというワイナリーです。
このフェルトンロードのピノノワールは、オーストラリアで出会った、はじめてのNZピノノワールでした。
NZピノノワールの素晴らしさを、このワインを通して知ることが出来た、思い出の1本なんです。
ということで、ついに憧れのフェルトンロードを訪ねることが出来ました。
写真を見てください。
これは、フェルトンロード周辺の景色です。
なんだか、アメリカのグランドキャニオンのような、岩質土壌であることが分かると思います。
冬の畑なので、分かりづらいかもしれませんが、写真の手前には、ブドウ畑が広がっています。
へー、こんなところにワイナリーがあるんだー!っていうのが正直な感想でした。
壮大な景色がとてもすばらしいのですが、想像してたよりも、殺風景な印象ですね。
では、ワインはどうでしょうか?もちろん、すばらしかったですよ!
ピノ好きではない私でも、感動できるのですから。
ピノですから、色は綺麗な淡目のルビーで、香りは、実に複雑で豊かでした。
ピノノワールらしく、ストロベリー、チェリー、すみれの花、スパイスなどの香りが、うまーく調和されて、タンニンも低く、すばらしいバランスの、本当にエレガントなワインでした。
現地で学んだ、大好きな表現があるのですが、ピノノワールの中に見つかる香りとして、「チェリーチョコレート」というものがありました。
すごく的を得たコメントだと思いませんか?
赤ワインの中に見つかる甘いチョコレート、それからピノノワールらしいチェリーがいっしょになった、「チェリーチョコレート」に、なるほどなー!って思いました。
チェリーって、ベリー類に比べると、果実感の薄くて、上品でほのかな果実味が、まさにピノノワールですよね!
次回も、セントラルオタゴ訪問の続きをご紹介したいと思いますので、ご期待ください。

10/11/2009

NZワイン紀行 -NZワインの特徴 part2-

こんにちは。

今回も、前回に引き続き、私の気づいたNZワインの特徴についてお話したいと思います。
前回は、赤ワインの特徴についてお話したので、今日は白ワインの特徴を、ちょっとご紹介しますね。
涼しい気候のNZでは、赤ワインよりも白ワインのほうが適した気候であると言われています。
ワイン生産の70-80%は、白ワインなんですって!
その中でも、最近大注目なNZ白ワイン品種といえば、やっぱりソーヴィニオンブラン(略してSB)ですよね。
最近では、SB人気が若干下火になったとはいえ、でもやっぱり根強い人気ですね。
特に、女性のファンが、圧倒的に多い品種であるといえます。
以前の記事で、ちょっと触れたことがありますが、オーストラリアのSBの特徴といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが、パッションフルーツの香りです。
パッションフルーツって分かります?小さめの硬い皮を割ると、中に黄色い粒々の種のようなドローっとしたものがぎっしり詰まっている、トロピカルフルーツの代表的な果物です。
日本では、パッションフルーツそのものが、店頭に並ぶことってあまりないと思いますが、よくケーキやお菓子の材料として使われますよね。
パッションフルーツがピンと来ない方は、パイナップルやパパイヤ、マンゴーなどのトロピカルフルーツ全般の甘酸っぱい香りを漠然と想像してください。
この甘酸っぱいトロピカルフルーツに、レモンやライムなどの爽やかな香りやハーブの香りと、心地よい酸味があわさった味が、オーストラリアSBの代表的なイメージです。
それに比べて、NZのSBの特徴はというと、赤ワインと同じく、やはりフランスに近い香りを出してきているんです。
パッションフルーツの香りもするのですが、それよりも、もっと草の香り(英語ではグラッシーと表現します)が強くなります。
これを、グラッシー以外には、同じような表現として、「Cat's Pee」と表現する人もいます。
これは、直訳すると、「猫のおしっこ」です。
ええ?!猫のおしっこの香りですか?!と思われる方が多いと思いますが、これはワインの世界では、立派な褒め言葉なんです。
一般的に、フランスのボルドー産のソーヴィニオンブランの香りを表現するときに、褒め言葉としてよく使われています。
それにしても、「猫のおしっこ」って、いったいどんな香りか、みなさん興味ありますよね?(それとも、そんなもの知りたくなんかない?!)
これは、人によって様々な説を語ってきますが、私が勉強したことは、本当に「猫のおしっこ」そのもののにおいがするのではなく、この表現には、フランス的ユーモアが含まれているとのこと。
猫は、草むらで用を足すことが多いですよね?ってことは、草むらって猫のおしっこの香りがしそうだよね!っていうことらしいですよ。
だから、「Cat's Pee」と表現して、ワインの世界では、草むらの香りをさすわけです。
うーん、日本人にはこのユーモアを理解するのはなかなか難しい。。。
同じ草を指す言葉でも、私は、このグラッシー(草)とCat Pee(草むら)は、若干ニュアンスが違うと思うんですよね。
グラッシー(草)は、1-2本の草単体の爽やかさが前面に出た香りで、Cat's Pee(草むら)は、足で草むらを踏んだときに、ムワ~ッと草の香りが草むらから漂うイメージです。
この違い、お分かりいただけましたでしょうか?
NZのSBは、ボルドーに比べると、グラッシーですね。
やっぱり湿度の違いかな?
ボルドーってNZのワイン産地に比べると、湿度高いですよね。
NZのSBは、レモンやライムの爽やかな香りに、パイナップルのような元気でシャッキリしたフルーツの香りがプラスされ、心地のよい高めの酸味と、すがすがしい草の香りにふーっと包まれたワインって感じです。
SBは、OZもNZも、樽を使っていないものが多いので、スッキリした仕上がりなんですよ。
キリっと冷やしたソーヴィニオンブランは、やはり夏のほうが向いていますが、冬でもまだまだいけますよ!
SBのようなすっきり系の白ワインは、寿司などの和食との相性もバッチリです。
これからの季節は、鍋といっしょに合わせるのもいいですねー!
ちょっと長くなってきてしまったので、他の葡萄品種の特徴は、次回お話しすることにしましょう。
次回は、NZのリースリングの特徴です。
お楽しみに!

9/28/2009

NZワイン紀行 -NZワインの特徴-

こんにちは。

今日は、私の感じたNZワインの特徴についてお話したいと思います。
ニュージーランドは、オーストラリアの隣国であり、文化も食事もかなり似ています(というか同じです)。
お店や商品も、オーストラリアのものが多く、あまり外国に来た感じがしないくらいです。
ということは、ワインだって、オーストラリアワインもニュージーランドワインも同じようなものだろうと思っていました。
しかし、意外にも、まったく異なる特徴を持っていたんですよ!
これは、ものすごく新鮮な驚きでした。
まず、簡単に言うと、ニュージーランドワインは、オーストラリアワインに比べると、フランスワインにより近づいた味を持っています。
たとえば、カベルネ+メルローなど、ボルドーらしいブレンドワインも北島の生産地を中心に、結構生産されています。
この香りが、ニューワールドというよりも、まさにボルドーなんですよ!
どことなーく、たまり醤油っぽい感じってわかりますか?
よくボルドーワインにある感じです!!!
心地のよいベリー系の香りではなく、醤油です。
ニュージーランドのボルドーブレンドには、この香りがあるんですよ。
でも、ボルドーとは違うんです。それは何か?
ボディと果実味の凝縮感は、やはりニューワールドです。
涼しい気候とはいえ、たっぷりと太陽の光を浴びて育った葡萄だなーって印象です。
結論は、NZのボルドーブレンド=ボルドーのような醤油風味+ニューワールドの凝縮度の高い果実味です!
オーストラリアにも、ボルドーブレンドはありますけど、ここまで醤油は出ないかなー。
それから、お次は、オーストラリアを代表する品種であるシラーズ。
NZでは、フランス流に「シラー」と呼ばれています。
私は、まずここでビックリしました!おー、オーストラリアのお隣ではフランス式に呼ぶんだって!
そして、NZシラーとオージーシラーズの決定的な特徴は、香りです。
意外なことに、NZシラーはものすごく特徴的な香りなんです。
それは、ほぼ例外なくすべてのシラーに共通したのですが、白胡椒(ホワイトペッパー)の香りがものすごく強いのです。
ブラックペッパーではなく、ホワイトペッパーですよ。
どうちがうの?と言う方、ホワイトペッパーはラーメン屋でラーメンにかけるコショウを想像してください。
あれが、ホワイトペッパーです!
オーストラリアのシラーズには、造り手によってたまーに見つかる程度で、こんなに顕著な現れ方をしなかったのでビックリしました。
このように、ニュージーランドとオーストラリア、同じオセアニアということで、似ていると思っていたのですが、実は、それぞれにユニークな特徴があるワインをそれぞれに生産しているということに気がつきました。
だんだん、NZワインがおもしろくなってきました!

9/18/2009

NZワイン紀行番外編 -Ice Bar-


こんにちは。

シルバーウィークです。
だいぶ涼しくなってきて、赤ワインがおいしい季節になってきましたね。



今日のNZワイン紀行は、ワインの話題からちょっとそれたお話をしたいと思います。
みなさんは、アイスバーって知っていますか?
NZの南島の中でもかなり南に位置する、クイーンズタウンで、とてもおもしろいバーを見つけました。
アイスバーの「-5℃」です。
その名の通り、常にマイナス5度に保たれた、氷の世界なんです。
何がすごいって、ここのバーの中は、壁も、床も、テーブルも、ソファも、グラスも、何から何まで氷で出来ているんですよ。
このバーは、時間制になっていて、30分単位で、ウォッカカクテル付入場券を購入します。
その入場券には、なんと防寒着と手袋のレンタルも含まれています。
冬だったので、私はダウンジャケットを着ていたのですが、その上にレンタルコートを羽織って大正解でした。
寒さ的には、-5度って、短い時間だったら、結構耐えられる温度ですが、やはり30分ともなると、かなりきついです。
しかも、座るといったって、氷のソファですからね。座面には、毛皮が敷いてありましたが、氷ですから当然ですが硬いです(笑)。
でも、なかなかおもしろい体験ですよ~。
全部が氷の世界なんて、なかなか体験できないでしょう!
寒さに負けず、みんな写真をとりまくっていました。
ちなみに、ウォッカベースのカクテルは、ものすごーく甘かったです。
クイーンズタウンに行く機会があったら、是非アイスバー行って見てください。
そもそも、クイーンズタウンは、スキーリゾートとして有名なので、ワイナリー巡り以外にも、いろいろと遊ぶ場所があって、なかなかおすすめですよ!

9/13/2009

NZワイン紀行 -ワインカクテル?!-


こんにちは。
今日は、NZワイン紀行第二回目です。
今日も、前回に引き続き、ワイパラWaipara地区で出会った、魅力的なワインをご紹介したいと思います。
でも、今日のワインは、ちょっと変り種です。
正確には、ワインとは呼べません。
NZの代表的な品種である、ピノノワール(赤)とソーヴィニオンブラン(白)を使って作った、ワイン入りアルコール飲料(写真上)です。
前回ご紹介した、ペガサスベイに行く前に立ち寄った、Torlesse Winesのオーナーは、斬新な、新しいワイン商品をビジネス展開していました。
その名も、「Pinot Pop」と「Savvy Pop」です!
ワインに甘味料やソーダ類をプラスして、アルコール度数の低い、まったく新しい感覚のワイン飲料なんです。
オーストラリアやNZでは、アルコール度数が3-5%の、ビールを除くアルコール飲料を、RTD(ready to drink)とか、Pre-mix drinkとか、Alcopop(アルコポップって発音します)と呼びます。
たとえば、ジン、ラム、ウォッカ、バーボンなどのアルコール類をコーラなどのソーダ類で割って、甘くて飲み口のよいアルコール飲料が、アルコポップと呼ばれています。
日本でいうと、缶チューハイとか、カルピスのお酒みたいな感じかな?
その甘くて飲みやすい口あたりが、若者に受けていて、ワインよりもはるかに売り上げが高いといわれています。
そこで、このTorlesse Winesのオーナーが考えたことは、ワインベースのアルコポップを作って、ワイン消費者以外の層(主に若者)をターゲットにして、売り上げを伸ばそうというものでした。
まあ、マーケティング的な考え方としては、非常に面白いと思います。
ワイナリーが作ったアルコポップというものに、非常に興味があったため、赤と白両方を購入して、早速冷やして飲んでみました。
感想としては、甘い口当たりで、微炭酸がすがすがしく、夏にはぴったりな飲み物だと思いました。
氷を浮かべたグラスに注いでもいいかもしれないし、色も涼しげでとても綺麗だと思いました。
しかしねー、ワインという感覚で飲むと、微妙ですね。
正直言って、ワインの香りとか味のよさは、このアルコポップに関しては、ほぼ無いに等しいです。
ソフトドリンクのように、スパークリングの爽やかな喉越しと、甘口の味を楽しむ飲み物です。
ワインをベースに作っているとは言っても、合成甘味料などを加えているため、ワイン本来の香りを楽しむことは、難しいですね。
やはりワイン消費者に浸透されるのは難しいだろうなーっと思いました。
それから、もう一つ、Pinot PopとSavvy Popにとって、コスト面が一番の問題であります。
ワインをベースに作っているため、通常のアルコポップに比べると、生産(原材料)コストが非常に高いとのことでした。
ちなみに、このPinot PopとSavvy Popは、1本NZ$6もしました。
通常のアルコポップは、一本$3-4といったところだから、かなり割高ですよね。
このコスト面の問題がクリアしない限り、若者に浸透するのは難しいだろうな…。
それはそうと、ペガサスベイに行った時、洗面所におもしろい落書き風(?)アートがあったので、ご紹介します(上写真右下)。
"Beer is made by men, wine by God"=「ビールは人間の手によって作られたものだが、ワインは神によって作られたものだ。」
オーストラリアでは、この手のビール批判的なメッセージって、ワイン好きの人には結構ウケるんですよ。
しかし、今回ご紹介したPinot PopとSavvy Popは、どうでしょうね?
アルコポップに関しては、やはり"made by men"という言葉が似合うでしょうね。。。

9/06/2009

NZワイン紀行 -Waipara編-



こんにちは。
今日から数回にわたり、Wine Girlが先日訪れた「ニュージーランド」のワインについてお話していきたいと思います。
ニュージーランドは、オーストラリアの南東に位置する島国です。
オーストラリアの南東ということは、南半球であることを考えると、気候は当然涼しいということになります。
しかも、私が訪れた7-8月は、南半球は冬のため、涼しいどころか真冬の寒さでした。
ニュージーランドワインというと、白はソーヴィニオンブラン、赤はピノノワールが有名でしょう。
どちらも、涼しい気候を好む葡萄ですね。
そのことからいっても、ニュージーランドという国が、年間を通して冷涼気候の土地であるということが、お分かりいただけるかと思います。
国は、北島と南島から構成されていて、経済の首都オークランドは北島にあります。
私が今回訪れたのは、ニュージーランド第二の都市である南島のクライストチャーチと、スキーリゾートで有名なクィーンズタウンでした。
今日は、クライストチャーチ近郊のワイン産地の一つであるWaipara ワイパラをご紹介したいと思います。
ワイパラ地区は、ニュージーランドの中でも、比較的新しいワイン産地です。
クライストチャーチから、車で30-40分と近いのですが、まだワインツーリズムがあまり整っていなく、ワイパラの地図を手に入れるのも容易ではありませんでした。
クライストチャーチ市内では、結局ワイパラの地図を手に入れることが出来なかったため、オーストラリアで定期購読していたワイン雑誌の「Waipara特集」がすべてでした。
結果的には、現地ワイナリーで地図を手に入れましたけど、まあ、なんという情報の少なさ…。
しかも、冬の間はワイナリーのテイスティングルームを閉めているところも数多かったんです。
ワイナリーに、イチイチ電話で確認してから行くといった感じです。
はじめは、不便に感じましたが、まだまだ発展途上のワインツーリズムということは、商業化された感があまりなくて、一つ一つのワインに愛情を注げるくらい小さなワイナリーが多く、その点はすごくうれしかったです。
今回ワイパラを訪れたのには、ある目的がありました。
それは、Pegasus Bay ペガサスベイというワイナリーで、最高級ピノノワールを飲むということでした。
ペガサスベイは、ニュージーランドの中でも、トップクラスのとても有名なワイナリーです。
何がすごいって、彼らのワイン造りのポリシーには妥協という文字はありません。
ペガサスベイの作り出すリザーブクラスのワインは、本当によい葡萄が収穫できた年しか生産されないのです。
商売という目で見た場合、どのよう生計をなりたてているのか気になりますが、ワイン造りは、アーティスティックな職業なのでしょう。
「納得できるワインのみを造る」
これが彼らのポリシーなのです。
今回のお目当ては、その葡萄のよい年だけに造られるピノノワールの、"PRIMA DONNA" プリマドンナ(=オペラの主演女優)でした。
名前もすごく素敵でしょ?
ちなみに、メルロー/マルベックのブレンドは、"MAESTRO" マエストロ(=名指揮者・匠)という名前でした。
上の写真は、ペガサスベイのワイナリーレストランにあった一風変わったシャンデリアです。
ワインの空き瓶をもとにつくられたものなんです。
今回、PRIMA DONNAは、レストランでゆっくりと味わったのですが、これは目からうろこが落ちるおいしさでした。
私は、どちらかというと、ピノよりもシラーズとかカベルネとかのフルボディワインが好みなので、ピノはほとんど飲まないのですが、まあニュージーランドに来たということと、憧れのペガサスベイに来たということで、ピノを飲んでみました。
通常、ニューワールドのピノノワールの特徴は、ストロベリーキャンディーのようなかわいらしい味で、色も味も軽めのワインが多いものです。
ワイパラの他のワイナリーで飲んだピノノワールも、例外なく同じような味がしました。
しかし、PRIMA DONNAは、他のピノにはない存在感を持っていました。
ピノの割には、比較的ボディはしっかりしていて、果実味もギューッと凝縮されています。ストロベリーのようなピノらしい香りもするのですが、すみれの花の香りやスパイス類も含み、複雑味の高い味でした。
ボディは思っていたよりもあるとはいっても、やはりピノです。
すっごくスムースで、エレガントなんですよ。
ピノは赤ワインの女王と言われますが、まさにそんな貫禄でした。
いやー、いままでピノは避けて通ってきていましたが、このワインが私の目のうろこを完全に取り去ってくれました。
ニュージーランドワイン紀行は、順調なスタートをきりました。
次回は、このワイパラで出会った新しいワインのスタイルをお届けしたいと思います。

8/09/2009

夏休み


こんにちは。
みなさま、ご無沙汰しておりまして申し訳ございません。
Wine Girlは、勝手に夏休みに入っておりました(笑)。
え、夏休み?、アデレードは冬でしょ?って声が聞こえてくるかもしれません。
実は、私、Wine Girlは、このたび、日本へ完全帰国することにしました。
その準備や帰国後もバタバタしていたことから、勝手に夏休みをいただいておりました。
今後は、東京を拠点に、ワインの情報を発信していこうと思いますので、今後ともWine Girlsをどうぞよろしくお願いいたします。
さてさて、夏休み後復帰第一弾は、久々の実家でのディナーとワインの話題です。
昨年の8月も一時帰国していたので、一年ぶりの帰国となったのですが、完全帰国となると気分はやはり一時帰国とは違いますね。
一時帰国のときは、短期間であれもしたいしこれもしたい!あー、ワインをゆっくり飲む暇なんてないー!というのが現状でした。
でも、今回はあせる必要はありません。じっくりと腰を据えてワインでも開けようかな!という気分になりました。
ということで、今日は、久々にディナーでアデレードヒルズの白ワインを開けることにしました。
今日のワインは、Hahndorfhill winery ハーンドルフヒル ワイナリーのWhite Mischief 2007を開けました。
このハーンドルフヒルは、アデレードから車で20-30分ほどのHahndorf ハーンドルフというドイツ村の一角にあります。ハーンドルフは、昔、ドイツからの移民が多く住み着いたところなんで、今では、ジャーマンパブやドイツ風ベーカリーが町並みに並び、観光地として人気のあるところです。
実は、このハーンドルフヒルは、私がもっとも好きなワイナリーの一つなんです。
ここのワイナリーは、おもしろい、ちょっとひねりのきいたワインを作り出すので、大好きなんです。
今日のワイン、White Mischiefは、ソーヴィニオンブラン、樽なしシャルドネ、ピノグリのブレンドワインです。
ね、この3つの品種がいっしょになっているっておもしろいでしょ?
ソーヴィニオンブラン単体だと、パッションフルーツの香りが強く、酸味の高いスッキリとしたスタイルのものが多いですが、このワインは、さらにピノグリのまったり感がプラスされ、そしてシャルドネのピーチやメロンなどの香りもプラスされ、フルーツバスケットと表現したくなるようなワインなんです。
シャルドネといっても、樽を使っていないので、バタースコッチのような香りは含まれず、あくまでも爽やかなノーズが広がります。でも、ピノグリを使用しているので、口の中をまーるく包む込むようなまったり感があり、やわらかいマウスフィーリングが特徴です。
湿度の高い日本の夏ピッタリな白ワインでした。
今日は、大好きなワインの紹介でしたが、近々Wine Girlsニュージーランド旅行記をスタートしたいと思います。
実は、日本帰国する前に、大注目のワイン産地である、オーストラリアの隣国のニュージーランドに2週間ほど滞在し、ワイン事情を勉強してきました。今後数回にわたり、その模様をお話したいと思います。それでは、Wine Girls in NZをご期待ください!


7/18/2009

車を売ってワインをGET?!


こんにちは。

今日は、オーストラリアならでは(?)のちょっと面白い話をひとつご紹介します。
先日、友人が、BMWを売りに出していたのですが、その際にワインにまつわるおもしろいことがありました。
友人は、中古の92年製BMWのセダンをAU$6500.00で売りに出していました。
日本ではあまり馴染みがないと思いますが、オーストラリアでは、車の売買は、プライベートのオーナーからするというのは、比較的普通のことです。
通常、現金一括というのが普通なのですが、この不景気のご時勢、高額の現金がすぐにそろわないという場合もあります。
その場合、足りない現金分を、物で補うという方法をとる場合もあります。
このBMWのオーナーは、車を買いたいという人から、なんと現金$6000.00+ワインでどうかというオファーをもらったのです。
$6000.00+ワインでは、$6500,00の希望価格よりも損してしまうのでは??という疑問があったのですが、実は、このBMWオーナーは損をするどころか、実は得をするようなオファーをもらっていたのです。
このワイン、なんとオーストラリア最高峰ワインのGrangeだったんですよ。
そうです、つまり、$6000.00+グランジ1本でどうかというオファーだったんです。
グランジは、平均市価で$600.00で売られていますので、得してますよね。
私がこのBMWオーナーだったら、即OK回答だします(笑)。
しかし、ワインのわからない人にとっては、どんなにいいワインをもらっても、そのワインの価値がわからなければ、グランジだろうと、スーパーの1000円ワインだろうと、ただ「ワイン」なわけで、まったくおもしろい話ではなかったようです。
このBMWオーナー、車のホイールも売りに出していたのですが、こちらは現金+ロバ1頭でどうかというオファーをもらっていました(笑)。
いくらアデレードとはいえども、さすがに裏庭にロバは飼えませんよ。。。
現金が足りない分を、高級ワインやロバで補おうとするオーストラリア人の金銭感覚は、19世紀くらいから変わってないんじゃないの?ってツッコミたくなりました。

7/15/2009

ホットワインでホッとしませんか?

こんにちは。

日本は梅雨明けをして、暑い毎日が続いているのでしょうか。
今年のアデレードの冬は、比較的暖かい日が多かったのですが、先週くらいから急に真冬にがやってきました。
朝の最低気温が0-2度程度と、東京と同じくらい寒い日が続きます。
しかも、冬は雨季の季節であるため、毎日毎日ドンヨリ曇り空が続き、数日間雨続きの時もあります。
日本は、夏は高温多湿&冬は低温低湿ですが、アデレードは、夏は高温低湿&冬は低温高湿なんですよ。
日本でも、梅雨の時は洗濯物が乾かなくて困ったよという悲鳴が聞こえてきそうですが、アデレードも、雨続きの冬は、洗濯物が本当に乾かなくて困るんですよ…。
さてさて、今日は、そんな寒い冬のワインの楽しみ方をご紹介します。
(夏の暑いときに、冬のワインの楽しみ方聞いたっておもしろくないって?!)
ホットワインってご存知ですか?
赤ワインにシナモンスティックなどのスパイスを入れて、鍋にかけて暖めたものです。
まあ、熱燗の赤ワインバージョンですね。
オレンジなどの柑橘類やアップルなどをスパイスといっしょに入れてあるのも、結構見かけます。
スパイスの香りがふわ~っと香るホット赤ワインってすごくおいしいんです。
じわ~っと温かいワインが体に染みわたる感じが、一日の疲れを癒してくれて、ホーっと出来る感じがします。
すごーく体が温まりますよ。
それから、煮きっているので、余分なアルコールも飛んでいるので、アルコールが苦手な方にもお勧めです。
煮立たせるので、新しいワインをあける必要はありません。(というよりも新しいワインを使ったらもったいなさ過ぎる…。)
前日の夕食で開けたワインの残りなどがあれば、残り物を有効活用してください。
お好みで、スパイスや柑橘類の他にも、砂糖を加えてちょっと甘口にしてもおいしいかもしれません。
今年の冬に、ぜひぜひ試してみてくださいね。

7/05/2009

次のターゲットはGirls!


先週は、Wine Girlsの意味について、説明させてもらいましたが、今週もGirlsネタです。

ワインの世界って、実は男性中心の世界って知ってましたか?
大学院時代に、広告とPRの授業を選択していました。
そこで、ワイン雑誌に使われている主な広告について、研究したことがあったのですが、広告のほとんどが、車や男性物の高級時計などの、男性向のものばかりで、女性向の広告はほとんど見つかりませんでした。
つまり、これは何を意味するか。
ワイン雑誌のターゲット層は、男性だということです。
これには、いくつかの理由が考えられます。
1.男性のほうが、経済的に余裕がある場合が多い。(ターゲット層は主に富裕層)
2.何かにハマると、コレクター(おたく?)になる確立が高い。
3.女性は、化粧品やファッションなど、ワイン以外のことにたくさんお金を使うことが多い。
などなど。。。
でも、近年では、ワイン業界にとって、女性が大切なターゲット層になりつつあることは、事実です。
女性をターゲットにした広告も、登場し始めました。
上記の写真は、女性向にパッケージデザインを一新した、お手ごろなスパークリングワインの広告です。
以前は、ビビットなピンクやイエローの文字で、おしゃれさに欠けるボトルデザインだったのですが、新しいものは、パステルカラーを使用し、女性が好みそうなスタイリッシュなパッケージになりました。
女性ファッション雑誌「In Style」の今月号の広告でした。
昨年度公開の映画、Sex and the Cityでも、女性同士のディナーの場に、オーストラリアワインが登場しました。
先月の、オーストラリアのホテルの回で少し触れましたが、女性向けにスタイリッシュに改装したホテル(パブ)が増えてきています。
確実に、少しずつですが、女性にターゲットが移りだしていることは事実です。
トレンドセッターであるGirls(女性陣)を、無視していては、ワインビジネスがうまくいかなくなってきたということでしょうね。
ワインの世界にも、ついにWine Girlsの時代が到来したということですねー。
Yay! Go Go Wine Girls!!

6/28/2009

Wine Girlsの説明

こんにちは。

私がこのWine Girlsをはじめてから、早いもので3年目に突入です。
今日は、このブログを立ち上げた趣旨、このブログ名「Wine Girls」について、ちょっとお話しますね。
最近では、お手軽ワインも出てきて、だいぶ気軽な存在になりつつありますが、ワインっていうと、ビールなどに比べると、まだまだ「ちょっと気取った飲み物」という認識が強い気がします。
「ワインは、おしゃれだから好きだよ。カッコイイよね。でもワインのことよくわからないんだよね…。」
「ワインって堅苦しくて難しそう。」
「オーストラリアでワインの勉強??オーストラリアワインっておいしいの?ワインだったらやっぱりヨーロッパじゃないの?」
上記は、私がワイン留学を決めたころ、日本で人からよく言われた言葉です。
確かに、以前は私も同じようなことを思っていました。
でも、実際にアデレードに来てみると、その彼らの言葉は、決して正しくないと、確信するようになりました。
アデレード大学は、世界6大ワインアカデミーのひとつであり、世界中からワインを勉強しに学生が集まってきます。
つまり、アデレードは、世界的に認められた、「ワインの本場」な訳です。
そして、そのワインの本場の人たちのワインへの接し方は、肩肘張らず、本当に普段着のままなんですよ。
ぜんぜん気取ってない。
アデレードでは、燦燦と降り注ぐ太陽の下、木陰の下、オープンカフェ、スタイリッシュなレストラン、飲茶レストラン、自宅、パーティー、BBQ、大学の学食などなど、いつもワインが身近にあります。
値段が手ごろなカジュアルなワインから、値が張るヴィンテージワインまで、ピンからキリまで、みんないろいろなワインを楽しみます。
私は、そんなワインを囲んだ、リラックスしたひと時が大好きです。
この感覚を、少しでも日本の方に理解していただきたいという願いから、このブログ「Wine Girls」を立ち上げました。
それから、この「Girls」という言葉について、ちょっと注釈です。
ここでの「Girls」は、「少女達」と直訳しないでくださいね。
日本では、ガールズというと、少女達、若い女性達というイメージがありますよね。
でも、欧米圏では、女性はいくつになっても「Girls」と呼んでもらえます。
ちょっとした親しみのようなものが、含まれているのでしょうか。
もちろん、Lady(淑女)であるべき場では、ちゃんとLadyしますけどね。
つまり、ここでの「Wine Girls」の意味は、始めは私(Wine Girl)一人でも、このブログを通じて、少しでもワインの気軽な感覚を理解してくれる人が増えれば、Girl→Girlsになるという意味で、Girlsという言葉を使っています。
あくまでも、淑女というよりも、ワインを囲んで、和気藹々とした、親しみやすい仲間たちという意味で、Girlsを使っているのです。
出来るだけわかりやすく、身近に親しめるように、ワインを紹介していきたいと思いますので、これからも、ブログ「Wine Girls」をよろしくお願いします。

6/21/2009

不景気でもプレミアムワイン

こんにちは。

今日は、アデレードの地元紙「Advertiser」に載っていた話題をひとつ紹介します。
世界的に不況の昨今、オーストラリアの5月の完全失業率も、5.7%と、かなり高い数字になっています。
この数字は、2010年までには10%にまで上がるという予測も出ていて、楽観視出来かねます。
オーストラリアワインの売り上げも、昨年度は一昨年度に比べて、2.9%も減っているそうです。
でもでも、Advertiserによると、この不況の中、プレミアムワイン(通常ボトルワインのことを指します。値段的には$10前後くらいからかしら。)の国内消費が、なぜか伸びているらしいのです。
それと反比例して、カスクワイン(箱入りエコノミーワイン)の消費が減っているとか。
昨年度の、プレミアムワイン消費量は、一昨年に比べ、3.5%増えて194リットルだったそうです。
赤白別に見てみると、赤は2.6%の増加、白は4.4%の増加です。
その反面、カスクワインの消費量は、4.9%減って159.7リットルでした。
新聞には、なぜこのような現象になっているかは載っていませんでしたが、私なりに分析してみると、以下のことが言えると思います。
まず、オーストラリアワインの売り上げが下がった原因は、世界的不況で、大お得意様のアメリカ、イギリス市場の縮小が影響していると思われます。
輸出に大きく頼っているオーストラリアワイン業界は、他国の経済悪化が大きく影響を及ぼします。
では、なぜプレミアムワインの国内消費が増えたのか。
これは、いくつか理由が考えられます。
1. 先月の、Wine GirlsのワインSALEの記事で触れたように、海外市場での売れ残りがオーストラリア国内に戻ってきて、プレミアムワインが以前より安い価格で売られているということ。
2. 不況により、外食を控えて、お家ご飯に転向する人が増え、外食費出費が減った分、少しくらいよいワイン(ボトルワイン)を飲みたいわーっという人が増えたということ。
3. 経済刺激パッケージが国民一人当たり$900支払われたことにより、一時的に消費がアップしたこと。
などなど…
まあ、楽観的なオーストラリア人の性格が、プレミアムワイン消費増加の要因ということも言えるかもしれませんけどね。
不況のときこそ、おいしいワインを飲んで、落ち込んだ気分を回復させよう!ってことか?!

6/14/2009

オージー流飲茶

こんにちは。

今日は、はりきって朝からチャイナタウンに、大好きな飲茶を食べに行きました。
飲茶って、ランチとかアフタヌーンティーだとばっかり思っていたんですが、実はブレックファーストだったって、知ってました?
飲茶の本場、香港では、多くの飲茶レストランが、朝5時から営業しているそうです。
ということで、はりきって9時半にはチャイナタウンに到着してみました。
しかーし、ここはアデレード。どのレストランもまだ一軒も開いてないんです…。
しかたなく、チャイナタウン近辺で、唯一開いていたカフェで、お茶して、新聞読んで、11時まで時間潰しです。
今日も、先週に続き、小雨交じりで寒い日だったのですが、11時前に、再びレストランへ行ってみると、たくさんのオージー+中国人が待っているんですよ。
席がないかも…とちょっと不安になりましたが、開店と同時に飛び込んで、唯一の予約なし席をなんとか確保しました。
朝11時だと、ブレックファーストというより、ブランチの時間になってしまいましたが、まあいいかな。
外で並んでいるときに、ふと気がついたことは、多くのオージーが、ワインボトルを抱えていることでした。
以前、Wine Girlsでも取り上げた、BYO (Bring Your Own)システムですね。
や、飲茶とワイン?!と、ちょっと驚きましたが、ここはワインの都、アデレードです。
飲茶でも、お茶ではなくてワインなんです。
彼らにとって、飲茶はYum Chaであって、茶を飲む(飲茶)という感覚はないんですね。
どんなワインを合わせていたかというと、圧倒的に白ワインでした。
特に、リースリングが大人気なようでした。
リースリングの特徴である、酸味の高さ、レモンなどのさわやかさ、ライチなどのアジア系フルーツのオリエンタルな香り、芳しいフローラルの香りが、Yum Chaとマッチするんでしょう。
脂っこいものを食べた後でも、口の中をすっきりと洗い流してくれる感じが、飲茶の途中でお茶を飲む感覚と同じなのでしょう。
中華とリースリングの組み合わせは、私も大好きです。
ワインとYum Chaでオリエンタルスタイルのブランチ、なかなかいい感じですね。
ちょっとおしゃれに、グラスシャンペン1杯とYum Chaでブランチっていうのも、ありですよね。
でも、今回は、ブレックファーストのつもりで出かけたので、私は無難にジャスミン茶をオーダーしました。
うーん、でもなー、シャンペンブランチは優雅でおしゃれですが、私にとって、飲茶は「Yum Cha」ではなく、あくまでも「飲む茶」なので、やっぱり飲茶には、クラシックにお茶をあわせたいですね。
みなさんはどう思いますか?
スタイリッシュに、「シャンパンYum Chaブランチ派」ですか、それともクラシックに、「Chinese Tea飲茶ブランチ派」ですか?

6/08/2009

Sea and Vine Festival



こんにちは。

今週末は、クィーンズバースデーの3連休でした。
そう、クィーンとは、もちろんエリザベス女王のことです。
こういう祝日があるとき、オーストラリアってイギリス連邦(コモンウェルス)なんだなーって実感します。
このロングウィークエンドの日曜月曜に開かれたのが、毎年恒例の「Sea and Vine Festival」です。
アデレード近郊の、クォリティーの高いワインを造ることで有名な、マクラーレンベールで開かれるワインのお祭りです。
マクラーレンベールは、海に近い立地なので、夏は日差しが強いわりには、海からの風の効果で、比較的涼しい気温の日が多く、葡萄栽培には最適な土地です。
Sea and Vineフェスティバルは、Sea=海とVine=葡萄の木のお祭り、つまり、シーフードとワインを楽しみましょう!というお祭りです。
お天気は小雨交じりで寒~い日だったのですが、どのワイナリーも入場制限をするほど超満員でした。
まずはじめに訪れたのは、ワインとオリーブで有名なワイナリー、Coriole Vineyardsです。
ワイナリー内には駐車できないほど込んでいるため、路上駐車になるのですが、この路上からワイナリーまでが遠い!
どのワイナリーも、ワイナリーのゲートからワイナリーの建物まで、かなりの距離があるのが普通です。
車で通過する分には、あっという間の距離ですが、いざ歩いてみると、すっごく遠いんです。
はじめはその距離にギョッとしましたが、紅葉で赤や黄色に葉の色が変わった綺麗な葡萄畑と、緑のコントラストが美しいヴィニヤードの中を、実際に歩くのはなかなか気持ちがいいものでした。
葡萄の葉が紅葉で綺麗な期間は、秋の中でも1-2週間しかないそうです。
このような時期に、ワイナリーを訪れることが出来て、ラッキーでした。
ワイナリー内に入ると、人、人、人!!!
アデレードにこんなに人がいたのかってくらい込み合ってました。
このフェスティバルの基本的な楽しみ方は、ワインとシーフード料理(テイクアウト形式)を囲んで、ひたすらしゃべりまくって、おしゃべりに飽きたら生バンドの演奏にあわせて踊りまくる、です。
とりあえず、私たちもワインを買ってから、ワインを飲みながら、シーフード料理をあれこれ選びました。
いろいろあるメニューの中から私が選んだのは、フレッシュオイスターのレモングラスソルベ添えと、スクール海老のから揚げです。
オイスターは、天然の海の塩味だけの味付けの生牡蠣に、自家製レモングラスのソルベがのっていて、生牡蠣のコクと海の塩味と甘酸っぱいソルベが合わさって、なんともおいしい組み合わせでした。
スクール海老(School Prawn)って何???って感じですよね。
結局は、ちょっと大ぶりの川海老のようなものでした。
塩味が効いていて、カラっと揚がった海老はカリカリしていておいしかったです。
おつまみとしてつまむには、どちらもちょうどよかったですよ。
オイスターに海老ときたら、当然白ワインでしょ!といいたいところですが、何しろ寒~い日だったので、結局シラーズを頼んじゃいました。
なんだかんだ言ったって、赤でも白でも本人が楽しめればどっちでもいいんですよね。
Corioleのシラーズは、どちらかというとミディアムボディの軽めのワインだったので、個人的にはあまり好みのスタイルではないのですが、シーフードとの相性はバッチリでした。
Corioleのあとも、いくつかのワイナリーで、おいしいワインとパエリアやシーフードスープを楽しみました。
夕方に、マクラーレンベールに住んでいる友人宅に遊びに行ったのですが、彼らいわく、酔っ払いばかりのフェスティバルには興味がないと言ってました。
そりゃあねー、マクラーレンベールに住んでれば、毎日行けますから、わざわざフェスティバルの時に行く必要はないですよね。
私だって、日本の皆さんに比べれば、簡単にワイナリーには行けますけど、アデレードに住んでいると、やっぱりフェスティバルなどの時にわざわざ行きたくなっちゃうんですよね。
っていうか、このようなフェスティバルくらいしか、この街には娯楽がない…。

5/31/2009

オーストラリアの”ホテル”とは



こんにちは。
今週のアデレードは、Pink,Pussycat Dolls そして Lady GAGAと3組の歌姫たちがアメリカから次々と来日し、とても忙しい週でした。
そして、金曜日にPussycat DollsがICONSに来店したんです。
残念ながら私は会えませんでしたが、同僚によると普通の女の子たちだったとか。
うーん、会えなくて残念!
ところで、話は変わりますが、オーストラリアでは、街のあちらこちらに「HOTEL」という看板を見かけます。
みなさんは、このホテルはどんなところか知ってますか?
実は、オーストラリアでは、イングリッシュパブ(バー)のことを総称して、ホテルと呼ぶんです。
知らないと、この国は、ずいぶんと宿泊施設が多いんだなーって勘違いしてしまうところですよね。
では、オーストラリアでは、なぜパブのことをホテルと呼ぶか。
19世紀の終わりの開拓時代、オーストラリアでは、お酒の販売に時間制限が設けられていました。
お酒は、パブやバーでは、夕方までしか売りませんよ、という法律です。
でも、宿泊施設のある場所、つまりホテルでは、時間制限なくお酒の販売が許可されていました。
そこで、考え出されたのは、どのパブも、2階部分に宿泊施設をつくり、「HOTEL」という看板の元、夜遅くまでお酒を販売できるようにしたのです。
この法律は、今では廃止されていますが、その名残として、今もオーストラリアでは、パブのことをホテルと呼んでいます。
みなさんは、パブってどんなところがご存知ですか?
客層は男性中心で、80%の人がビールの飲んでいる、立ち飲み酒場です。
店内のTVスクリーンでは、かなりの確率でフッティー(オーストラリアンフットボール)かクリケットの試合が放映されています。
店内には、女性もたくさんいますが、女性同士でちょっと気軽に入るのは、ちょっと引いてしまいますよね。
おしゃれ感に欠けるし、のんびりできる雰囲気でもないし…。
でも、最近、多くのホテルが、店内をリニューアルして、女性にも入りやすい雰囲気に変わりつつあるんです。
多くのホテルは、店内が明るくなって、インテリアや家具もスタイリッシュなものに変わり、店内にはソファがあってのんびりとおしゃべりできる空間があったりと、女性好みなスタイルに変わりつつあります。
以前はビール中心だったメニューも、最近ではワインリストもなかなかのものですよ。
私自身も、ワインエイジェントとしてワイン営業に出かけるときは、レストランやカフェ以外にもホテルにもよく顔をだします。
レストランと違うところは、のんびり出来るようになったとはいっても、やはりホテル(パブ)ですから、グラス1-2杯でさっさと帰る人がほとんどなので、ホテルで売られているワインは、ボトルワインではなく、ほとんどがグラスワインです。
ちょっといいワインが、気軽に1杯づつ頼める、オーストラリアの新しいホテルのこのスタイル、私はなかなか好きです。

5/25/2009

ただいまワインセール開催中!


こんにちは。

景気低迷、インフルエンザなど、近頃あまり明るい話題がないですよね。
オーストラリアワイン業界も、この景気低迷によって、今年は20%のビジネス縮小が予測されています。
来年度のヴィンテージ(2010)は、ビジネス的観点から言うと、過去20年で最悪の年になるそうです。
多くのワイナリーは、自社の畑を売りに出していたり、人気のない不経済な品種を人気品種に植え替えたり、様々なビジネス縮小プランを打ち出しています。
たとえば、世界的には人気品種メルローは、オーストラリアではあまり人気がありません。
さらに、主要輸出市場(イギリス、アメリカ)の規模縮小も影響し、メルローはまったく売れる気配が見えなくなってきたのです。
マクラーレンベールのあるワイナリーでは、メルローからグルナッシュに植え替えるそうです。
グルナッシュは、日本では、メルローに比べるとあまり有名な品種ではありませんが、オーストラリアではとても人気のある品種です。
果実味があふれ、シラーズほどタンニン(渋み)は強くないのが特徴で、シラーズなどとのブレンドされることも多いです。
あまり明るい話題がないオーストラリアワイン業界ですが、消費者にとっては朗報が新聞に載っていました。
質の高いワインが、値崩れを起こしているそうです。
2004、2005、2006年ヴィンテージは、輸出市場拡大を見込んで生産量を増やしていました。
しかし、昨今の世界的な経済危機により、主な輸出市場であるイギリス、アメリカ、カナダへの輸出量が減少し、オーストラリア国内に多くのワインが残るという現象が起こっています。
その在庫整理(処分)をするため、多くのワイナリーが、破格の値段で質の高いワインをオーストラリア市場に放出しました。
すべてのワインが安くなったということではありませんが、一部の質の高いワインが低価格ワインと同じような値段の$10前後で売られているんです。
たとえば、昨年$42で売られていたワインが、今年は$25に価格修正したというワイナリーもあるそうです。
私の好きなワイナリーのひとつである、バロッサのトレバージョーンズTrevor Jonesの、低価格ワインラインBoots Shirazは、昨年より$4安い$11前後で店頭で売られています。
消費者にとっては、またとない「ワインゴールデンタイム」がやってきたんです。
しかし、このゴールデンタイムはそう長くは続かないそうです。
2007,2008,2009年ヴィンテージは、生産量を減らしているため、このような在庫があふれることはないからだそうです。
2007年ヴィンテージからは、価格が元に戻るとは言っても、カリフォルニアワインなどに比べれば、オーストラリアワインは、質に対する価格がまだまだ安く、非常にお買い得なワインだと言えるでしょう。
日本のみなさーん、オーストラリアにワインを買いに来るには、今年がお勧めですよ!

5/17/2009

”おひとり様”歓迎!!

みなさまこんにちは。

日本はGW明けの始めての週末を迎えているのでしょうか。
アデレードは、GWはまったく関係ないので、いつもどおりの週末を迎えています。
ご存知のように、私の働いているワインショップ兼ワインバー「ICONS」(上記写真)は、アデレード空港内にあります。
どこでも同じですが、週末は、当然のことながら、バーカウンターが特に混雑します。
毎週金曜日の夕方16-19時は、ワイナリーから作り手を招いて、ワインテイスティングも開かれるため、店内は、ワイングラス片手にワインやグルメ商品を物色する人、カウンターでグラスワインとグルメorチーズプラターを楽しむ人などで、あふれかえります。
空港という場所柄、旅行帰りのカップル、出張帰りのビジネスマンひとりというケースはよくあるのですが、最近の傾向としては、女性ひとりでの来店というのが多く目につきます。
中には物好きな人もいて、アデレードに住んでいるのに、グラスワインとプラターを楽しむだけに、わざわざ空港にいらっしゃるというお客さまもいます。
明るい店内で、厳選されたサウスオーストラリア産のグルメとワインを、ひとりで気軽に楽しめる雰囲気が好きだということでした。
確かに、明るい店内なので、ワインとチーズを楽しみながら、読書やインターネットをしている人を、よく見かけます。
読書やインターネットって、なんだかカフェ感覚ですよね。
ひとりでバーに入って、ワインを注文するというのは、女性にはちょっと勇気のいることです。
いわゆる、”おひとり様”ってやつですね。
ちなみに、私は、いまだかつてひとりでバーに訪れたことはありません。。。
カフェに入る感覚で、女性ひとりでも、気軽にワインを楽しめる環境の明るい店だったら、まあ私も”おひとり様”してみてもいいかなーって思います。
まさに、ICONSは、そんな女性にやさしいバー環境の整った店なんです。
おもしろいのは、男性のお客様は、グラスワインだけを楽しむ人が多いのに対して、女性のお客様は、グラスワインとグルメorチーズプラターをいっしょに楽しむ方が多いんです。
ちょっと軽めの”ひとりディナー”を優雅に楽しんでいるのでしょうかね。
日本にも、女性ひとりで気軽に入れるバーがあるといいんだけどなー。
どなたかいい情報持っているからがいたら、ぜひご連絡ください。

5/09/2009

スーパーバッグ禁止令










先週に引き続き、今週もエコロジーネタです。
アデレードのあるサウスオーストラリア州では、先週の月曜日から、スーパーマーケットなどのビニール製のスーパー袋が、完全に廃止になりました。
スーパー袋の完全廃止は、オーストラリアでも、サウスオーストラリア州の例が始めてです。
それにともなり、消費者は、必然的に、エコショッピングバッグ、通称”グリーンバッグ”(写真上右)を持参する、もしくは店頭で購入(1枚99セント)しなければならなくなりました。
エコ文化が浸透しているオーストラリアでは、グリーンバッグを持参しての買い物は、今やあたりまえのことになっているものの、やはり完全廃止となると、消費者は少し戸惑いを隠せませんでした。
サザエさんみたいに、財布を忘れて買い物に行くことはありませんが、うっかり買いものかごを忘れて買い物に行くことは、愉快でも何でもなく、よくあるものです。
もしくは、たまたま立ち寄って買うことだってあるわけです。
でもこれからは、うっかりしてしまうと、スーパーで余分なお金を支払わなければならなくなりました。
ワインだって、同じです。
ワイン専門店は例外ですが、スーパーマーケットなどの経営する酒屋チェーンは、エコバッグ持参で行くんです。
大手スーパーマーケット「ウールワースWoolworth」が経営する、リカーショップ「ウールワースリカー」では、スーパーマーケットのグリーンバッグ同様に、ワイン用のグリーンバッグを販売しています。(写真上左)
これは、グリーンバッグと基本的には同じデザインのエコバッグに、ワインを6本入れるための仕切りがあり、持ち手も長くつくられています。
そのため、バッグを肩掛けして持つことが出来、重いワインでも、比較的楽に持ち運びが可能です。
これはなかなか便利なバッグですよ。
ワインボトル6本、約7kgを、ダンボールに入れて持ち運ぶとなると、かなり至難の業です。
でも、丈夫な肩掛けバッグなら、女性でもラクラクと持ち運べます。
でもやっぱり重いけど…。
値段も、1つ2ドル前後と、お値段的にもなかなかエコです。
エコバッグ持参は、日本でもかなり浸透してきていると聞いています。
近い将来、日本でも、ワイン用エコバッグを持参してワインを買いに行く日がやってくるかもしれませんね。

5/05/2009

エコロジーなワイン


こんにちは。昨日の、アデレードの地元紙「Advertiser」に、興味深い記事が出ていました。

日本でもおなじみのウルフブラスWOLF BLASSから、環境にやさしい、ペットボトル入りの750mlワインが、来週の月曜日に発売されるそうです。
その名も「グリーンラベル」Gleen Labelです。
ウルフブラスは、価格帯を分ける方法として、低価格帯のイエローラベルや、プレミアムレンジのブラックラベル、シルバーレベルなど、色分けをしてきたワイナリーなので、このグリーンラベルというネーミングはなかなかおもしろいと思いました。
どのように環境にやさしいかというと、
①ペットボトルは、通常のガラスのボトルよりも、ワインを生産するにあたり、29%グリーンハウスガスを減らすことが出来る。
②ペットボトルにすることにより、36%の軽量化に成功。
⇒流通時に発生するグリーンハウスガスを減らすことが出来る。
③100%リサイクル可能。
地球温暖化が話題にされる昨今、グリーンハウスガスを減らすことに成功したという実例は、ワイン産業のみならず、他産業にも少なからずとも影響をあたえるでしょう。(っていうか、影響受けて欲しいです!)
他のワイナリーでも、187mlサイズのミニペットボトルワインは発売されていますが、750mlフルボトルサイズのペットボトルワインは、ウルフブラスが初めてだそうです。
ウルフブラスは、品質と味に関して、ペットボトルになってもガラスボトルと同じことを保障しています。
また、ガラス瓶破損のリスクが減ることも、利点としてあげていて、ガラス瓶が適さない場所(たとえばピクニックとかバーベキューとか屋外のイベント?)での活躍も期待されます。
価格は、赤白ともに、$17.00小売希望価格とのことです。
クオリティー的にはイエローラベルランクということでしょうね。
ただ、ひとつ気がかりな点は、商品保存期間は、12ヶ月ということです。
やっぱり、ペットボトルでは、長期熟成などは出来ないということですね。
まあ、早飲み用ワインとして楽しむワインという位置づけなら、まったく問題なく受け入れられそうです。
アンケートによると、90%以上の消費者が、この商品を支持しているそうです。
環境問題に、真剣に取り組むオーストラリアならではの結果だといえます。
いままでになかったこの画期的なアイディアは、世界市場ではどのように受け入れられることでしょうか。

4/28/2009

バロッサヴィンテージフェスティバル

4月の中旬の9日間、オーストラリアで一番有名なワイン産地、バロッサのヴィンテージフェスティバルが開かれました。(写真は後日UPします!)
秋だというのに、比較的ポカポカ陽気で、天気もよかったので、ピクニック気分で出かけました。
恒例のヴィンテージフェスティバルロングランチ(11時に始まって19時までの長~いランチ)や、パレード、収穫祭らしく、伝統的な葡萄の足ふみ体験など、さまざまな催し物が、9日間に渡って開かれました。
私は、格式高いYalumbaヤルンバワイナリーに訪れてみました。
「シャトー」と呼ぶにふさわしい、大きな歴史的建造物を中心に、敷地内は大きな庭園が作られていました。
広々とした芝生の中庭は、多くの人がワイン片手にくつろいでもまだスペースがあるほどゆったりとしていて、さらにシークレットガーデン(秘密の花園)までありました。
背の高い植木の塀に囲まれたシークレットガーデンは、一見、入り口はありません。
分厚い植木の壁に遮断されていて、中に何があるのかすらまったく見えないのです。
ではなぜシークレットガーデンを見つけたか。
それは、よーく見ると、子供がやっと通れるくらいの小さな門があって、子供たちがそこから出入りしていたのです。
あまりに小さなドアなので、大人たちは素通りしていましたが、体の小さな私は、子供たちに混じって中に入ってみました。
中は、きちんと整備された、すばらしいイングリッシュガーデンが広がっていました。
シークレットガーデンのあるワイナリーって、なんだか素敵だと思いませんか?
ヤルンバは、大手のワイナリーで、手ごろな値段のワインから、プレミアムワインまで幅広いプライスレンジを用意してあります。
フェスティバルでは、お手ごろな価格なワインのみの販売でしたが、やっぱり青空の下で飲むワインはおいしいですねー。
私はグラスワインでリザーブシラーズを$8で購入しました。
ギュギュと凝縮されたプラムやブルーベリーの果実に、スパイスが加わり、ミディアムフルボディのバランスのよいワインでした。
ワインにあわせる食べ物も、屋台で販売されていたのですが、バロッサの地元料理が多く、なかなか面白かったですよ。
もともと、バロッサは、ドイツ系移民が住み着いた場所ということもあり、ドイツの影響を受けた食材や料理もたくさんありました。
アデレードとバロッサは、車でたった1-1.5時間しか離れていないのに、ずいぶんと異なる食文化を持っているなーっというのが私の印象でした。
伝統的なソーセージ、最高においしい石釜焼きパン、ドイツ風のビーフパイ、チーズなどなど、シンプルだけどおいしいもののオンパレードでした。
しかも、値段がどれも3-6ドル程度と、とてもリーズナブルなのもうれしかったです。
その中で、おもしろいものをひとつ紹介したいと思います。
シラーズの葡萄を使って作ったデザート、「Rote Grutze」(発音的にはロタ グリッザーかな?)です。
これは、バロッサに伝わる伝統的デザートで、もともとは、やはりドイツ発祥のものです。
本場ドイツでは、ベリー類を使って作られるようですが、バロッサに住み着いたドイツ移民が作り出した方法は、ふんだんにあるワイン用の葡萄を使って作る方法です。
バロッサの伝統的には、シラーズまたはマタロ(ムールヴェルド)を使って作られます。
そう、つまりフルボディワイン用のワインでタンニン(渋み)が多い品種が好まれているようです。
ワインを作るように、葡萄を皮付きのままジュースにし、そこにシナモンなどのスパイスを加え、さらにSago(つまりタピオカですね)を加えて煮詰めて作ったゼリー?餅?のようなドローっ、モチーっとしたデザートです。
そこにクリームを添えて食べるのですが、これがなかなかおいしいんですよ。
皮付きの葡萄から作られたジュースで作っているので、ワインのように奥深いジュースの凝縮味が感じられます。
出来合いの葡萄ジュースではこのコクと深みは出ないとのことでした。
ワイン産地ならではのデザートですね。
これは、アデレードでも見つからない、フェスティバル(収穫祭)の時だけに振舞われる、バロッサの伝統的デザートです。
バロッサバレーは、アデレードの一部のような感覚でいましたが、独自の文化が根付いているのだなと気づかされたバロッサ訪問でした。

4/20/2009

レゲエとシラーズ


こんにちは。
先週の金曜日に、野外ミュージックフェスタに行ってきました。
Jason MrazとMissy Higginsのジョイントコンサートで、そのほかにもBob Evansなどのアーティストも加わった野外フェスタでした。
ちなみに、Jason Mrazは「I'm Yours」が世界中でヒットしたサンディエゴ出身の、心地よいレゲエ調の曲を作り出すアーティストです。日本でも、彼の曲はヒットしましたよね。
Missy Higginsは、メルボルン出身のオーストラリア人です。最近は、主にアメリカで活躍中なのですが、久々の凱旋帰国でした。彼女はレゲエではありあせんが、唯一、私が好きなオーストラリア人アーティストです。
公園の芝生の上に作られた特設ステージを前に、ピクニックラグ(敷物?ござ?)とブランケットを持参し、ワイン片手に、リラックスムードの中で音楽を聴くというものでした。

保安上の理由から、液体物の持込は、開封前の透明のペットボトルのみと制限されていたので、食べ物と飲み物は、会場で購入しなければいけませんでした。
どんなものがあるんだろう~?という期待はありつつも、野外フェスタですからね、あまり大きな期待はしてはいけないと自分に言い聞かせました。
食べ物は、ジャンクフードが中心ですが、チップス(フライドポテト)のグレービーソースかけのようなオーストラリアらしいジャンクフードから、オーストラリアには珍しく、ナチョスなどのアメリカンなものや、デザートやエスプレッソバーまで、様々なものが用意されていました。
レゲエといえば、ビーチで、ビール片手に踊っているイメージが強いですが、ここはアデレードです。
レゲエといっしょにあわせる飲み物は、やっぱりシラーズなんです!
ソーヴィニオンブラン(白ワイン)もありましたが、ちょっと冷え込む夜ということもあるからか、シラーズ(赤ワイン)の売れ行きがよいようでした。
私の購入したグラスワインは、フォックスクリークFox Creek レッドバロンRed Baronです。
フォックスクリークは、アデレードから45分ほど南下した、海岸に近いマクラーレンベール地区にある有名ワイナリーです。
このRed Baronは、フォックスクリークのワインの中では、一番お手ごろな価格設定で、オーストラリアでは$14-18で売られています。
日本でも、2600円で売っているところが一軒だけ、Yahooショッピングの中にありました。
レッドバロンは、値段は低価格ながら、オーストラリアの有名ワイン雑誌「ワインステイト」で、5つ星を獲得しており、とてもコストバリューのよい商品です。
ギュギュっと果実味が凝縮していて、ラズベリー、濃厚なブルーベリージャムやミキプルーン(濃縮プルーンエキス)などの香り、シナモンなどのスパイスの香り、そしてほのかにバニラの香りがプラスされた非常にバランスのよいワインです。
私は、フォックスクリークのワインのスタイルが大好きなので、自分の好きなワインが野外フェスタのような場所で買えることに非常に感動しました。
やっぱり、アデレードだなーってすごくうれしくなりましたよ。
どんなにこのワインが大好きでも、やはり、保安上の理由から、ボトルでの購入はできません。
ガラス瓶は凶器になりかねませんからね。
ワイングラスも、当然のことながら、足の低いプラスチックのワイングラスでした。
オーストラリア人はお酒に強いということもありますが、ほとんどの人が車で来ているためか、グラスワイン1-2杯という人が多かったようです。
私が見る限り、ベロベロに酔っ払ったヘベレケな人は一人もいなく、平和なひと時が流れていました。
大好きな音楽と一緒に楽しむ大好きなワイン、最高ですね!

4/06/2009

チョコレートとワインの相性

Happy Easter!

イースター(復活祭)です。
欧米圏では、イースターはクリスマスと同様に、とても大切な休日です。
グッドフライデーから始まって、イースターマンデーまでの4日間、オーストラリアは、イースターを祝うための祝日となります。
絶対に忘れてはいけないイースターのアイテムは、復活の象徴である、「たまご」をかたどったチョコレートでしょう。
イースターが近づくと、店の棚には、カラフルな銀紙でさまざまな大きさのたまご型のチョコレートがあふれます。
欧米圏では、チョコレートなしではイースターは、語れません。
一年の中で、イースターは、チョコレートが一番消費される季節なんですよ。
私も、イースター週間は、チョコレートを口にしない日は一日もありませんでした(笑)。
そんなチョコレートは、よく赤ワインの香りの表現でも使われます。
たまに、チョコレートを食べながら赤ワインを飲むという人がいますが、実はこれは絶対にしてはいけない組み合わせです。
赤ワインを楽しみながら、高級チョコレートをつまむって、イメージ的には、ちょっとおしゃれな感じですが、絶対にNGなんです。
なぜかって?
それは、赤ワインとチョコレートの甘み、酸味、渋み(苦味)がぶつかり合って、お互いのよさを損ねてしまうからなんです。
チョコレートは、甘いですよね。
カカオ豆には、独特の酸味も含まれています。
さらに、ダークチョコレートだとわかりやすいと思いますが、苦味もあります。
その、甘み、酸味、苦味がワインの甘み(フルーツ味)、酸味、渋みとけんかしちゃうんですよ。
私の感覚だと、チョコレートの甘みでワインのフルーツ味が消されて、酸味と渋みがとがったワインになるという感覚です。
なぜ知っているかって?
試したことがあるからです(笑)。
チョコレートは、食後にワインを飲み終わった後に、薫り高いおいしいコーヒーといっしょに楽しんだほうがよさそうですね。

4/04/2009

秋はシャルドネが恋しい季節


私の働くアデレード空港のワイン屋には、バーコーナーもあり、グラスワインやグラスビールとチーズプレートなどが楽しめるようになっています。
グラスワインは、季節ごとに入れ替わるようにしていて、常時スパークリング1種、ロゼ1種、白3種、赤3種が用意されています。
夏の間は、当然のことながら、赤よりも、スパークリングや白、ロゼワインがよく出ました。
でも、赤ワインも出ないわけではないんですよ。
空港は、年中一定気温、23.6度です。
47度の記録的猛暑の日でも、実は赤ワインを頼む人いたんですよー。
彼らは、アメリカ人旅行客で、アデレード近郊のワイナリーに観光に来たそうです。
アメリカに戻る前に、最後にオーストラリアの素晴らしい赤ワインを堪能したいということで、赤ワインを頼んだとのことでした。
グラスで売っていると、人気の品種、あまり人気のないものがはっきりと出てきます。
白ワインは、ソーヴィニオンブラン、リースリング、シャルドネの3種があるのですが、夏の間の人気白ワインは、ダントツでソーヴィニオンブランでした。
特に、女性のお客様からのオーダーが多いです。
わかりやすいパッションフルーツのおいしそうな香りが、女性に大人気です。
男性は、赤ワインを頼まれる方が多いのですが、夏の間は、リースリングやロゼなどのさわやかなものを頼んでましたね。
白ワインの王様のシャルドネはというと、さっぱり人気がありませんでした。
これは、うちの店に限ったことではなく、オーストラリアマーケット全体に言えることなのですが、ここ数年、シャルドネ離れが進んでいます。
樽の香りが美しく、バニラやキャラメルのような香りが、シトラスのようなさわやかさにプラスされた、コクのあるワインというのがシャルドネの特徴ですが、このこってり系の味が、あまり受けなくなってきたようです。
樽を使わないタイプのシャルドネも作られていますが、やはり人気はイマイチですね。
ところがところが、最近、このシャルドネが人気の兆しを見せています。
オーストラリアは、秋の訪れを感じる季節となってきました。
3月後半になって、急にシャルドネの注文が増えたんですよ。
なぜか、男性のお客様からの注文が多かったです。
涼しい気候になり、こってりしたワインが恋しくなってきたのでしょうか。
アデレードは、今日で長かったサマータイムが終わり、明日からは本格的に秋冬シーズンに突入します。
そろそろ、グラスワインリストも秋冬バージョンに変わります。
この冬は、どんなワインが人気があるのか、楽しみです。

4/01/2009

和食にあう白ワインはどんなワイン?

先週、オーストラリアワインに詳しいソムリエの方々が日本からオーストラリアを訪れ、ヴィクトリアとサウスオーストラリアのワイナリー訪問をしました。
その際に、私は通訳としてサウスオーストラリアのワイナリー訪問に同行させてもらいました。
1日目は、アデレードヒルズ、マクラーレンベールを訪ね、2日目はバロッサバレーのワイナリーを訪ねるというものでした。
2日目のバロッサバレーで、日本でも超有名なジェイコブスクリークに訪問したのですが、日本からのお客様は、すっかりVIP扱いで、特別のときしか開けない別宅に招待され、豪華なフルコースランチとすばらしいワインを、ジェイコブスクリークのワインメーカーと一緒に楽しみました。
アデレードに住んでいても、なかなかこのような機会があるわけではないので、本当に日本からいらした優秀なソムリエの方々に感謝です。
そのランチの際に、ちょっとおもしろいことを発見したので、今日はその話をしたいと思います。
ジェイコブスクリークで出た前菜は、小さな小鉢に入った4種類の前菜の盛り合わせでした。
シェフは、日本からのVIPのために、料理のところどころに日本の味を盛り込んでくれました。
前菜は、ソルトアンドペッパー烏賊フリッターと桃のチャツネ添え、ロブスター(地元産ザリガニの一種)の酢の物、タルタルソース添え小さなフィッシュアンドチップス、海老の昆布だし煮でした。
酢の物と昆布出し煮の2品が日本を感じさせる味、そしてソルトアンドペッパーとフィッシュアンドチップスの2品がオーストラリアの味です。
そして、この4種の前菜といっしょにあわせたワインは、リースリングとシャルドネでした。
2種の白が出てきた理由としては、どの料理とどちらのワインのスタイルがあうか、試してみましょうという趣旨からです。
ここでの会話がすごくおもしろかったのですが、オーストラリア人と日本人では、まったく逆の感想だったことです。
オーストラリア人は、さっぱりした和食の2品には、すっきりとした酸味のリースリングをあわせて、こってりした揚げ物類には、こってりしたシャルドネをあわせたいという声が上がっていました。
オーストラリアでワイン教育を受けたからか?、オーストラリア在住歴が長くなってきているからか?、私はオージーの感想に同感でした。
寿司のようなさっぱりした和食には、リースリングなどのすっきりした樽なしの白ワインをあわせたいと思っていたからです。
しかし、日本のソムリエのみなさんは、揚げ物とリースリング、酢の物とシャルドネという感想を持っていたのです。
理由としては、揚げ物を食べた後にさっぱりとしたリースリングを飲むことで、口の中が洗われてスッキリするからというものでした。
まあ、この考え方は、一理あるなと納得しました。
では、酢の物とこってりシャルドネはなぜあうの???っていうのが私の疑問だったのですが、後になって私なりの回答が見つかりました。
今回の酢の物も昆布出し煮も、オーストラリア人シェフがこの日のために特別に用意してくれたもので、どれもとてもおいしかったのですが、日本人の感覚から言うと、ちょっとだけ角のとがった味だったんです。
とてもおいしいのですが、まろやかさに少しだけ欠けていたんです。
和食には、砂糖やみりん、酒などの糖分を加え、コクやまろやかさを加えますよね。
でも、西洋人は、糖分を料理に使うという発想はないのです。
だから、そのぶん食後に甘~いデザートを彼らは食べるんですけどね。
案の定、そのシェフも、糖分を加えるということは、まったく発想がなかったって言っていました。
つまり、結論としては、日本人にとってはちょっと強すぎる角のたった酢の物には、ちょっと糖分を加えたいという願いから、まろやかなシャルドネが合うという感想にいたったのではないかと思うわけです。
この一件を通して、甘みと酸味のバランスはとても大切だなと実感しました。
甘み、酸味、塩味、辛味、苦味、そしてうまみの組み合わせによって、バランスのよさが決まります。
ワインも、食事も、またワインと食事の組み合わせも、バランスの上に成り立っているんですね。

3/23/2009

香りの強いのはどっち?


今日はコーヒーとワイン樽に共通するお話です。
みなさんは、コーヒー豆を買うときに。ダークロースト、ミディアムロースト、ライトロースト、どのようなコーヒー豆を選びますか?
私は、コーヒーの酸味が苦手なので、コーヒー豆を買うときは、たいていダークローストを選びます。
でも、ダークローストって、苦味が多くて、いかにもカフェインが強そうだよなーと、いつも勝手に想像していました。
たまにはミディアムロースト程度を買ったほうが、体によいのかな?!などといろいろなことを思い巡らせながら、でも味が一番好みのダークローストをいつも買っています。
ところがところが、色も一番濃くて、香ばしい苦味も多いダークローストが、実は一番カフェインが少ないって知っていましたか?
ロースト(煎る)ことによって、コーヒーの香りやカフェインの成分が弱まるんですって。
つまり、一番色が薄いライトローストのコーヒー豆が、一番カフェインをたくさん含んでいるんです。
いやー、私は、すっかり逆に考えていました。
これと同じことが、ワインの樽の焦がし加減にも言えます。
ワインを発酵、熟成させるオーク樽は、実はワインを入れる中側を、焦がして使っています。
通常、オーク樽で寝かせたワインには、オークから抽出される、バニリンと呼ばれるバニラの香りや、キャラメルや煎ったナッツなどの香ばしいの香りが見つかります。
焦がし方によって、ワインに移るそれらの香りは、異なってきます。
オーク樽の焦がし方は、ワインの造り手の好みによるわけですが、ダークローストするほど、香ばしい香りは薄くなり、焦がしが浅いほど、オークの香りがワインに移ることになります。
実は、コーヒー豆と同様に、オーク樽についても、はじめは勘違いしていました。
ダークローストすればするほど、香ばしい香りが生まれると。。。
そうではなく、香ばしい香りはオークの木そのものから発するもので、焦がすことによって、その香りの強さをコントロールしているんですね。
うーん、コーヒーにしろワインにしろ、味の決め手はローストがキーポイントだと言っても過言ではないですね。。

3/11/2009

ペンフォールズのGrange


今日、お客さまに「グランジは扱ってますか?」と質問を受けました。
「はい、ございますよー。1本$600.00になります。」
グランジGrangeは、開店からまだ1本も売れたことのないワインなので、第一号は私が売るのか?!と期待したものの、やはり$600.00という値段に、そのお客様は躊躇して帰っていきました。
PenforldsペンフォールズのグランジGrangeというワインはご存知ですか?
言わずと知れた、オーストラリアワインの最高峰の赤ワインです。
1995年、アメリカのワイン雑誌ワインスペクテイターから、1990年ヴィンテージのグランジは、ワインオブザイヤーを受賞し、世界中にこのすばらしいワインの名が広まることになります。
グランジのおもしろいところは、いろいろな地域で栽培されたシラーズを混ぜ合わせて作っていることです。
グランジのバックグランドともいえる、バロッサをはじめ、マクラーレンベール、クーナワラ、マギル(アデレード郊外)で栽培されたシラーズをうまくブレンドし、バランスのよいオーストラリアを代表するワインが出来上がります。
フランスワインを代表に、国名を冠するワイン→地区名→村名→畑名といったように、範囲が狭まった名を冠するにつれて、質の高い高級ワインという位置づけがあります。
オーストラリアのワイン法では、フランスワイン法のようなルールはないものの、多くのワイナリーが、特定の畑で栽培された葡萄を使用し、またその畑名を高級ワインに用いることは、よくあることです。
それにもかかわらず、オーストラリア最高峰のグランジは、ブレンドして作っているんですよね。
仮に、グランジがフランスで作られていたとしたら、この製法では、法律上は地域名すら名乗れないただのテーブルワインになりかねませんね(笑)。
それから、もうひとつの特徴は、アメリカンオーク樽100%で作られていることです。
通常、ワイン樽として用いられるのが、フレンチオークとアメリカンオークです。
フレンチオークのほうが、マイルドでエレガントな樽香が生まれることから、フレンチオークを好むワインメーカーが多い気がします。
アメリカンオークを使用する際には、多くのワイナリーは、フレンチとアメリカンをブレンドして作ります。(=フレンチオークで熟成させるワインとアメリカンオークで熟成させるワインを両方つくり、熟成後にブレンド)
さまざまな地域の葡萄をミックスさせて作る製法、アメリカンオーク100%の樽熟成、どれをとっても型破りなワインですよね。
ちなみに、私はまだグランジをテイスティングしたことがありません。
ペンフォールズ マギルエステートは、私の家から5分ほどの距離なので、何度か訪れたことがあるのですが、まだグランジのテイスティングにまでは至ってません。
グランジのテイスティングは、セラドアー(テイスティングルーム)で出来るわけではなく、レストランのグラスワインのメニューの中にあります。
お値段は、1杯$80.00です。
今の日本円にしたら、大した金額ではないかな?!
でも、AU$1=110円ほどだった私の学生時代、この金額には目が飛び出ましたよ(笑)。
円高とはいえ、グランジは、気軽に試してみるには、やはりお高いですよね。
そこで朗報です!
同じPenfoldsから、「ベイビーグランジ」の愛称で親しまれているワインがあるんです。
それは、Penfolds BIN389です。
お値段$40前後とお手ごろながら、グランジを髣髴させるおいしさなんです。
日本でも、3千円台で購入できると思いますので、ぜひぜひお試しください!

3/08/2009

和食とヴィンテージワイン




今日は、マネージャーの門出を祝う会を、日本食レストランで同僚と開きました。
お別れは寂しいですが、お別れ会といういうより門出を祝う会というところが、転職が多いオーストラリアならではですよね。
日本でも今では一般的ですが、条件のよい仕事に移っていくというのは、この国では当たり前のことです。
ということで、今日は、和食にあわせてお祝いのビンテージワインをあけました!
まずは、刺身の盛り合わせ、天ぷらの盛り合わせなどとあわせて、ソーヴィニオンブランとリースリングを楽しみました。
うーん、やっぱり樽をつかってない白ワインは、和食とぴったりだなーって実感しましたよ。
実は私、アデレードで刺身を食べるのは初めてだったのですが、ここのレストランはかなりおいしかったです。
このレストランは、どの日本人に聞いても評判の高い、家庭的な料理がメニューに多い、日本人経営の店で、評判どおり、日本人も満足の本格的(?)な日本食でした。
店の半分はお座敷になっていて、ちゃんと靴を脱いであがるんですよ。
でも、本格的日本食の店とはいっても、お客の8割はオーストラリア人でしたね。
私たちの、美食通で有名なマネージャーは、日本料理店を理解しており、お座敷を想定して、仕事が終わった後に一度家に帰って、わざわざ新しい靴下に取り替えてからレストランに乗り込んだものの、私たちの予約席はテーブル席でした…(笑)。
残念!!!
やっぱり、お座敷は人気みたいですね。
白ワインを楽しんだ後は、後半戦は、赤ワインにあわせてなすの味噌田楽、うな重、牛しょうが焼き、お好み焼きなど、ちょっとこってりした味のものを注文してみました。
うん、鰻と赤ワイン、なかなかあいますよ!
鰻と甘辛のたれが結構コクがあるので、和食とはいえ白ワインよりも絶対に赤ワインですね。
今回のヴィンテージワインは、ペタルマの1993のメルローです。
オーストラリアのメルローって、正直興味がなくて、あまり飲んだことがなかったのですが、なかなかよかったですね。
16年も熟成されたワインですから、当然フレッシュな果実の香りというより、落ち着いた感じのドライプルーンなどの果実や、枯葉やシガーボックス、タバコなどの乾燥した草の香りが強く、なかなか趣のあるワインでした。
驚いたことは、16年も熟成されたのに、まだまだ酸味とタンニンの高さが非常に高かったことです。
個人的には、もうちょっと寝かせてもいいんじゃないの?ってくらい、酸味もしっかりとしていたし、歯茎がキシキシするタンニンの渋さもしっかり残っていました。
いやー、いいオーストラリアワインは、やっぱり長熟ですねー。
毎日ヴィンテージワインを飲めるほど、贅沢は出来ませんが、やーっぱり、熟成されたヴィンテージワインは一味違っておいしいですね。
家のどこかに、ほったらかしのワインが眠っていませんか?
もしもあれば、それは知らず間に、歳を重ねたヴィンテージワインかもしれません(笑)。
たまには、ヴィンテージワインを楽しんでみましょう。
そのためには、すぐに飲んでしまわずに、数本は寝かせておくワインをつくるところから始まります。
数年後には、月日を重ねて熟成された、ヴィンテージワインに化けるかもしれませんよ。

3/05/2009

新しい品種との出会い


今日は、同僚とディナーに出かけました。マネージャーもいっしょだったので、今日は店にあるワインをレストランに数本持ち込んで、ワインと料理を楽しみました。
そのなかで、一番気に入った&気になったワインをご紹介したいと思います。
ファーストドロップFirstdropのBella Coppiaです。
Arneisっていう品種、ご存スペルチェック知ですか?
イタリアのピエモンテが原産の白ワインの葡萄品種です。
このアーネイスがオーストラリアでも栽培されているのです。
ピエモンテといったら、山の上のかなり涼しい気候の土地ですよね。 オーストラリアでは、やはり涼しいアデレードヒルズで栽培されています。
このワインは、樽を使っていない、爽やかなフルーティなワインで、和食にもなかなかあいそうな感じですね。
今回は、中華だったのですが、なかなか相性はよかったです。
オーストラリアの中華レストランらしく(?)、クロコダイル(ワニ)の炒め物を注文したのですが、なかなかおいしかったです。
ワニの肉は、食べたことありますか?
私は記憶にはなかったので、たぶんはじめてだったと思いますが、肉自体はとても淡白で、鶏肉に近い感じでした。
パサパサしてるかなと、あまり期待していなかったのですが、とってもふっくらしていてやわらかくておいしかったです。
アーネイス種ワインの香りの感想は、レモンやライムなどのシトラス類、グレープフルーツ、青りんご、梨、アニス、ハーブなどといったところですかね。
グレープフルーツとか、梨とか、果実の中でも、すっごくみずみずしい果実を想像したくなるようなフレッシュさあふれるワインです。
梨って、洋梨のことではないですよ。日本の梨です。
実は、梨って、こちらでも普通に売っているんですよ。
名前はズバリ「Nashi」です。
発音的には、Naにイントネーションが強くついて、なーって感じです(笑)。
また、酸味の高さも印象的なワインです。
りんごでも、真っ赤なりんごではなく、酸味のやや強い青りんごとか、シトラスとか、酸味の高いフルーツの香りも特徴です。
実際の飲み口も、香りどおりのすがすがしい高い酸味があり、中華で脂っこい口の中をさっぱりと洗い流してくれる気がしました。
日本では、本場イタリアピエモンテのアーネイスが買えるのではないでしょうか。
もしも見かけたら、ぜひ試してみてください。



3/02/2009

フード&ワイン フェスティバル


こんにちは。
先週末に、毎年恒例のNorwood Food and Wine Festivalに行ってきました。ノーウッドNorwoodという地区の目抜き通りであるパレードThe Paradeを歩行者天国にして、ワインや食べ物やの屋台が並ぶ、文字通りのフード&ワインのお祭りです。
システムは簡単です。
まず$6ドルを払って、フェスティバルのワイングラスを購入します。
どこのワインフェスティバルでも同じなのですが、国際規格のテイスティンググラス(小ぶりのもの)に、フェスティバルのロゴやスポンサー名がプリントされたものです。
しかも、このグラス、毎年デザインがほぼ同じなんですよね。
スポンサーも同じだし、私は4年前に購入したものを毎年使いまわしています(笑)。
リサイクル、リサイクル。
さて、グラスを購入したら、お目当てのワイナリーの屋台に行って、1杯$6-7で購入します。
確か、4年前は1杯$5-6だったはずだから、ちょっと値上がりしたかなー?!
ノーウッドのワインフェスタは、毎年、真夏の日差しの下で行われるため、ほとんどの人が赤よりも白、ロゼまたはスパークリングを飲んでいますね。
私は、今回は、気になっていたローズマウントRosemountの「O」というワインからスタートしました。
これは、ややアルコール度数の低いスパークリングで、なんと氷を浮かべて飲むという、新しい感覚のスパークリングワインなんです。
暑い真夏の日差しの下では、ぴったりのワインですよね。
フルーティな香りと、ほんのーりと甘みもあり、ワインが苦手な方でも楽しんでいただけると思います。
ボトルもスタイリッシュで、ワイン屋で発見してからずーっと気になっていたワインなんです。
でも、新発売が冬だったため、飲んでみたいものの実際に飲むところまではいかず、現在に至ります。
夏にぴったりのワインが、冬に新発売って不思議でしょう?
なんでかわかります?
オーストラリアが冬ということは、北半球は夏なわけで、主なマーケットのアメリカやイギリス向けに新発売を設定した結果なのでしょう。
ローズマウントRosemount Estateは、日本でも有名なオーストラリアワインブランドなので、日本でも売っているかなーと思って、ちょっと探してみましたが、残念ながらまだ輸入されていないようですね。
もしかしたら、今年の夏あたりに新発売になるかも?!
お目当てのワインをGetしたら、「O」を片手に、今度は食べ物を物色してパレードを歩きます。
ビーフやラムのステーキ、ドイツ風の巨大ソーセージ、フィッシュ&チップス、オイスタープレート(生牡蠣)、インド料理、タイ料理、イタリア料理、中華に寿司まで、本当に何でもあるので、何を食べようか迷ってしまいます。
白のスパークリングを購入したから、せっかくだからシーフードを食べようとあれこれ検討した結果、結論は、大好きなソルト&ペッパーカラマリを購入することにしました。
これは、オーストラリア料理って言っても過言でないくらい、どこにでもあるし、誰もが大好きな塩コショウ味の衣のイカのフリッター(天ぷら?)です。
日本のような、リングイカのフリッターで出てくる場合もありますが、今回のものは、短冊切りでした。
パン粉の衣ではなく、フリッター的揚げ物で、これは、おいしいです!
オーストラリアの典型的なレストランやカフェ、パブ、そして中華料理店にもかならずおいてあるメニューです。
イカフリッター片手にワインを楽しんだ、日曜の午後でした。

2/18/2009

ガラスのコルク


こんにちは。
ガラスのコルクをご存知ですか?
たぶん、ほとんどの方が初めて聞いたと思います。
はい、実は私もつい最近まで知りませんでした(笑)。
先日、私が働くワイン屋で、お客さんに「ガラスのコルクのワインは取り扱っていますか?」との質問を受けました。
私は、「は???、ガラスのコルク???、それって何???」という状況だったので、すぐさまマネージャーに確認したところ、ウチの店では2本のガラスコルクを使ったワインの取り扱いがありました。
大学院の勉強の中で、ガラスは密閉性に優れているので、ワインのストッパーとして向いているという授業があったことを思い出しました。
そのときは、まさか商品化されているものの話だとは知らずに聞いていたのですが、ガラスのストッパーを使ったワインってあったんですね。
現在ではスクリューキャップが主流のオーストラリアワインですが、スクリューキャップにしているのには、きちんと理由があります。
コルクは、生産量の10-20%がTCAに侵されてしまい、せっかくのワインを不快なコルク臭のするワインにしてしまうのです。
そのコルクの問題を解決すべく発表されたのが、スクリューキャップワインでした。
保存にもすぐれ、コルクの問題もないという科学的根拠から、多くのワインメーカーはスクリューキャップを支持しています。
しかし、見た目の悪さから、消費者からはイマイチの支持率のスクリューキャップです。
やっぱり、ワインのコルク栓を抜いたときの「ポンッ!」という音は、どこかロマンティックですよね。
それに引き換え、スクリューキャップをあける音は、ソフトドリンクのボトルを開けるのとあまり変わりがなく、雰囲気にかけます。
しかし、このガラスのコルクなら、「ポンッ」という音はないものの、スクリューキャップをあける際の「ガリガリッ」という音は聞かなくてすみます。
見た目も、ガラスなので、スマートだし、素敵です。
どうやら、ガラスのコルクは5年ほど前にヨーロッパで発表されたらしいのですが、ほとんどお目にかからないですよね。
理由は、生産コストが結構かかるみたいです。
そのため、比較的お値段のはるワインにしか使われていません。
生産コストの問題さえクリアすれば、スクリューキャップに代わって主流のワインの栓になることも可能でしょう。
今度、ちょっとガラスのコルクのワインを買って試してみようと思います。
そうしたら、またコメント書きますね。

2/17/2009

オーストラリアワイン業界大ピンチ

こんにちは。
前回の記事でお話したとおり、1月下旬から2月上旬にかけて、オーストラリア南部(南オーストラリア州(SA)、ヴィクトリア州(VIC))を記録的な熱波が襲い、作物という作物を枯らせてしまいました。
ただでさえ、エアコンを使って電気代の支払いが増えているというのに、さらに生鮮食品の物価もうなぎのぼりに上がり、例年の夏の倍の金額になっています。
自給率120%のオーストラリアは、野菜、果物のほぼすべてが国産、しかも一部のトロピカルフルーツを除いて、ほとんどのものが自州産なのですが、いまは他州からの輸入に頼っている状態なのです。
そうなると、気になるのが今年の葡萄の出来です。
一部の情報によると、バロッサやマクラーレンベールなどの産地の半数以上の葡萄が、収穫前に枯れてしまったとのことです。
TVのニュースでは、枝になったまま干し葡萄になってしまっている葡萄が放送されていました。
ここ数年、葡萄の過上生産による葡萄価格の低下が問題となっているオーストラリアですが、今年は葡萄不足による葡萄価格の高騰が問題になりそうです。
そんな中、熱波の被害を逃れた産地もあります。
冷涼気候のクレアバレー(アデレードから200kmほど北上した標高の高い産地)では、他の産地の葡萄がダメでも、クレアの葡萄は順調に育っているそうです。
例年より高温で育った葡萄は、凝縮度が増し、どのようなワインを作り出すのか楽しみです。
問題は、酸度がどこまで保たれているかですけど。。。
熱波で大損害を被ったオーストラリアワイン業界ですが、追い討ちをかけるように、ブッシュファイアー(山火事)で、ヴィクトリアの葡萄とワインの一部は、灰となってしまいました。
火災から逃れた葡萄も、煙のにおいがついてしまって、ワインの香りに影響が出てくるでしょう。
2009年は、オーストラリアワイン史上最悪の悲惨なヴィンテージとなってしまいそうです。
それでも、ワインメーカーは今日もがんばってワインを作っています。
最悪な状況下で、どんなワインをつくり出してくるのか、オーストラリアのワインメーカーに期待したいと思います。

2/02/2009

夏のワインの楽しみ方

南半球のオーストラリアはただいま夏真っ盛りです。と聞けば、寒い冬の日本のみなさんはうらやましいなーと感じるでしょう。
しかし、先週からオーストラリア南部のサウスオーストラリア州やヴィクトリア州は熱波に襲われ、連日40度以上の日が続きます。
今日で40度以上の日は7日連続となり、100年ぶりに記録更新だそうです。
先週の火曜日には、70年ぶりに45.7度を記録し、毎日干からびそうになるような暑さが続きます。
ここまで暑いと、正直言うとワインは飲みたくないですね。
湿度の低いアデレードでは、30度ちょっとまでは比較的すごしやすく、赤ワインでもステーキなどの食事とあわせておいしく楽しめます。
しかし、46度なるとさすがに暑くて、氷入りの冷たいドリンクが欲しくなりますね。
そこで、湿度の高く不快な夏の日本でのワインの楽しみ方をひとつ提案です。
みなさんは、デザートワインはお好きですか?
作り方によって呼び名は異なりますが、貴腐ワインとかアイスワインとか言われているものがデザートワインです。
デザートワインの基本的な特徴は、白葡萄からつくったデザートのように甘いワインのことをいいます。
この甘さは天然の葡萄の甘さで、ただ甘いだけでなく、それに比例した酸味の高さが特徴です。
甘酸っぱーい!っていう表現が正しいでしょうかね。
でも、デザートワインと呼ばれるくらいなのですから、やっぱり甘いです(笑)。
デザートワイン特有のベタベタした感じ(英語ではstickyですね)が苦手という人も結構いるかと思います。
そこで、あたらしいデザートワインの飲み方をひとつ提案です。
暑い夏なのですから、素敵なグラスにデザートワインを注ぎ、氷をいくつか浮かべてみてはいかがでしょうか?
ワインに氷を入れるなんて邪道だ!と批判される方もいると思いますが、結局は飲む本人が楽しめれば、スタイルなんてなんでもいいのです。
暑い夏に、暑いのをがまんして、無理して常温の赤ワインを飲むより、氷の浮かんだ甘酸っぱいワインを楽しんだほうが、ワインを心から楽しめると思いませんか?
氷がグラスに触れて生み出す涼しげな音、冷たい温度、甘酸っぱさ、どれをとっても夏にぴったりです!
しかも、氷でワインを少しだけ薄めれば、お酒に弱い人でも楽しめそうですよね。

それから、夏にワインを飲む際に大事なことをひとつ。
夏だけに限った事ではありませんが、ワインを飲むときは、かならず水をたくさんとるようにしましょう。
ワインと同じかそれ以上の水を飲むようにしましょう。
ワインはアルコールです。
アルコール類は、水分とはいっても体を脱水にしていくものです。
不思議に聞こえるかもしれませんが、アルコールの水分をとればとるほど、体は脱水状態になっていくのです。
胃はチャポンチャポンで水分でいっぱいなのに、体は脱水状態なのです。
ただでさえ、夏は水分補給に気をつけなければなりませんが、アルコールを摂取した際は、いつもよりも増して水分補給につとめましょう。
翌日の頭痛(二日酔い)は、水分補給で確実に防ぐことができます。
冬の日本のみなさんに、夏の話題をお届けしてもあまりピンとこないかもしれませんが、今日の話は頭の片隅に入れておいてもらえればうれしいです。
そして、今年の夏に、早速楽しんでみてください。