10/24/2009

NZワイン紀行 -セントラルオタゴ編その2-

こんにちは。
今日も、セントラルオタゴの様子をお伝えします。
写真のワイナリーは、クィーンズタウンから車で20-30分ほどの、Chard Framチャードファームというワイナリーです。
写真では分かりにくいかもしれませんが、このワイナリーは、すごい急斜面にたっているんです。建物の後ろに山の斜面が見えるでしょう?あのような傾斜が、下からずーっと続いているんですから。
車がギリギリ2台すれ違えるかどうかの細い斜面は、行き(山側を登る時)はいいのですが、帰り(崖側を下る時)はかなり怖かったです!
このワイナリーは、ピノノワールもおいしいのですが、特にリースリングが素晴らしかったと思います。
ありきたりの表現ですが、ものすごくバランスがいいリースリングです。
レモンやライムなどのシトラス、ロックメロン(中が黄色のメロンです。マスクメロンみたいな高級品ではなく、プリンスメロンのような身近な存在)、ピーチ、ちょっとだけ石油っぽい香り、ミネラルなどなど。。。
ここで、ちょっとリースリングの特徴をご紹介します。
リースリングは、言わずと知れた、ドイツ品種です。
そう、リースリングは涼しいところで作られる品種なんです。
セントラルオタゴの緯度(最南端のワイン産地!)を考えたら、リースリングがおいしいのも納得ですよね。
本場ドイツでは、最近では辛口も作られ始めましたが、伝統的には甘口で作られます。
ドイツワインのとても高級なものは、食事といっしょというよりも、デザートワインとして楽しみます。
オーストラリアでも、リースリングは大変人気品種で、様々なワイナリーで生産されています。
中でも、南オーストラリアのクレアバレーはリースリングの生産地として、世界的に認められています。
オーストラリアのリースリングの特徴は、辛口ということ!
だから食事との相性がバツグンなんですよ。
樽を使わないで作られるリースリングは、生き生きとした酸味が美しく、爽やかな印象です。
それでは、NZのリースリングはどうでしょう。
なんと、甘口なんですよ!正確には、やや甘口って感じですかね。
オーストラリアで辛口のリースリングに慣れ親しんでいたので、これはかなり衝撃的でした。
お隣でも、全然違うスタイルなんだー!って、またまた驚かされました。
NZリースリングは、甘口といっても、やや甘口程度のさっぱりした甘さなので、食事とあわせても全然大丈夫です。
ほんのりした甘みがプラスされたすっきりした酸味の華やかな香りのリースリングは、タイ料理などの甘くて辛い料理とピッタリだと思います。
日本では、あまり見かけることはないNZリースリングですが、見つけたら、ぜひぜひ試してみてください。
ドイツワインほど甘くなく、さっぱりとしてほんのりとした甘みがなんともGirls好みだと思います!

10/12/2009

NZワイン紀行 -セントラルオタゴ編その1-


こんにちは。

今日は、セントラルオタゴのワイナリー訪問についてお話したいと思います。
セントラルオタゴは、南島の中でもかなり南のワイン産地です。世界的に見て、最南端のワイン産地だと言われています。
最南端、つまりとても涼しい土地です。
玄関口となる街は、クィーンズタウンです。
先日お伝えした、アイスバーなどがある、冬はスキーリゾートで賑わう街です。
前回お話しましたが、NZで生産されているワインの7-8割が白ワインですが、セントラルオタゴの事情はちょっと違います。なんと、セントラルオタゴでは、生産量の7-8割がピノノワール(赤ワイン)なんです!
そうです、セントラルオタゴは、ピノノワールの名産地として、今では世界的に有名な土地ですね。
私も、セントラルオタゴ訪問目的は、ズバリ、ピノノワールと親しむ!そして、お目当てのワイナリーを訪ねる!でした。
そのお目当てのワイナリーは、有名な、フェルトンロードというワイナリーです。
このフェルトンロードのピノノワールは、オーストラリアで出会った、はじめてのNZピノノワールでした。
NZピノノワールの素晴らしさを、このワインを通して知ることが出来た、思い出の1本なんです。
ということで、ついに憧れのフェルトンロードを訪ねることが出来ました。
写真を見てください。
これは、フェルトンロード周辺の景色です。
なんだか、アメリカのグランドキャニオンのような、岩質土壌であることが分かると思います。
冬の畑なので、分かりづらいかもしれませんが、写真の手前には、ブドウ畑が広がっています。
へー、こんなところにワイナリーがあるんだー!っていうのが正直な感想でした。
壮大な景色がとてもすばらしいのですが、想像してたよりも、殺風景な印象ですね。
では、ワインはどうでしょうか?もちろん、すばらしかったですよ!
ピノ好きではない私でも、感動できるのですから。
ピノですから、色は綺麗な淡目のルビーで、香りは、実に複雑で豊かでした。
ピノノワールらしく、ストロベリー、チェリー、すみれの花、スパイスなどの香りが、うまーく調和されて、タンニンも低く、すばらしいバランスの、本当にエレガントなワインでした。
現地で学んだ、大好きな表現があるのですが、ピノノワールの中に見つかる香りとして、「チェリーチョコレート」というものがありました。
すごく的を得たコメントだと思いませんか?
赤ワインの中に見つかる甘いチョコレート、それからピノノワールらしいチェリーがいっしょになった、「チェリーチョコレート」に、なるほどなー!って思いました。
チェリーって、ベリー類に比べると、果実感の薄くて、上品でほのかな果実味が、まさにピノノワールですよね!
次回も、セントラルオタゴ訪問の続きをご紹介したいと思いますので、ご期待ください。

10/11/2009

NZワイン紀行 -NZワインの特徴 part2-

こんにちは。

今回も、前回に引き続き、私の気づいたNZワインの特徴についてお話したいと思います。
前回は、赤ワインの特徴についてお話したので、今日は白ワインの特徴を、ちょっとご紹介しますね。
涼しい気候のNZでは、赤ワインよりも白ワインのほうが適した気候であると言われています。
ワイン生産の70-80%は、白ワインなんですって!
その中でも、最近大注目なNZ白ワイン品種といえば、やっぱりソーヴィニオンブラン(略してSB)ですよね。
最近では、SB人気が若干下火になったとはいえ、でもやっぱり根強い人気ですね。
特に、女性のファンが、圧倒的に多い品種であるといえます。
以前の記事で、ちょっと触れたことがありますが、オーストラリアのSBの特徴といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが、パッションフルーツの香りです。
パッションフルーツって分かります?小さめの硬い皮を割ると、中に黄色い粒々の種のようなドローっとしたものがぎっしり詰まっている、トロピカルフルーツの代表的な果物です。
日本では、パッションフルーツそのものが、店頭に並ぶことってあまりないと思いますが、よくケーキやお菓子の材料として使われますよね。
パッションフルーツがピンと来ない方は、パイナップルやパパイヤ、マンゴーなどのトロピカルフルーツ全般の甘酸っぱい香りを漠然と想像してください。
この甘酸っぱいトロピカルフルーツに、レモンやライムなどの爽やかな香りやハーブの香りと、心地よい酸味があわさった味が、オーストラリアSBの代表的なイメージです。
それに比べて、NZのSBの特徴はというと、赤ワインと同じく、やはりフランスに近い香りを出してきているんです。
パッションフルーツの香りもするのですが、それよりも、もっと草の香り(英語ではグラッシーと表現します)が強くなります。
これを、グラッシー以外には、同じような表現として、「Cat's Pee」と表現する人もいます。
これは、直訳すると、「猫のおしっこ」です。
ええ?!猫のおしっこの香りですか?!と思われる方が多いと思いますが、これはワインの世界では、立派な褒め言葉なんです。
一般的に、フランスのボルドー産のソーヴィニオンブランの香りを表現するときに、褒め言葉としてよく使われています。
それにしても、「猫のおしっこ」って、いったいどんな香りか、みなさん興味ありますよね?(それとも、そんなもの知りたくなんかない?!)
これは、人によって様々な説を語ってきますが、私が勉強したことは、本当に「猫のおしっこ」そのもののにおいがするのではなく、この表現には、フランス的ユーモアが含まれているとのこと。
猫は、草むらで用を足すことが多いですよね?ってことは、草むらって猫のおしっこの香りがしそうだよね!っていうことらしいですよ。
だから、「Cat's Pee」と表現して、ワインの世界では、草むらの香りをさすわけです。
うーん、日本人にはこのユーモアを理解するのはなかなか難しい。。。
同じ草を指す言葉でも、私は、このグラッシー(草)とCat Pee(草むら)は、若干ニュアンスが違うと思うんですよね。
グラッシー(草)は、1-2本の草単体の爽やかさが前面に出た香りで、Cat's Pee(草むら)は、足で草むらを踏んだときに、ムワ~ッと草の香りが草むらから漂うイメージです。
この違い、お分かりいただけましたでしょうか?
NZのSBは、ボルドーに比べると、グラッシーですね。
やっぱり湿度の違いかな?
ボルドーってNZのワイン産地に比べると、湿度高いですよね。
NZのSBは、レモンやライムの爽やかな香りに、パイナップルのような元気でシャッキリしたフルーツの香りがプラスされ、心地のよい高めの酸味と、すがすがしい草の香りにふーっと包まれたワインって感じです。
SBは、OZもNZも、樽を使っていないものが多いので、スッキリした仕上がりなんですよ。
キリっと冷やしたソーヴィニオンブランは、やはり夏のほうが向いていますが、冬でもまだまだいけますよ!
SBのようなすっきり系の白ワインは、寿司などの和食との相性もバッチリです。
これからの季節は、鍋といっしょに合わせるのもいいですねー!
ちょっと長くなってきてしまったので、他の葡萄品種の特徴は、次回お話しすることにしましょう。
次回は、NZのリースリングの特徴です。
お楽しみに!