3/23/2009

香りの強いのはどっち?


今日はコーヒーとワイン樽に共通するお話です。
みなさんは、コーヒー豆を買うときに。ダークロースト、ミディアムロースト、ライトロースト、どのようなコーヒー豆を選びますか?
私は、コーヒーの酸味が苦手なので、コーヒー豆を買うときは、たいていダークローストを選びます。
でも、ダークローストって、苦味が多くて、いかにもカフェインが強そうだよなーと、いつも勝手に想像していました。
たまにはミディアムロースト程度を買ったほうが、体によいのかな?!などといろいろなことを思い巡らせながら、でも味が一番好みのダークローストをいつも買っています。
ところがところが、色も一番濃くて、香ばしい苦味も多いダークローストが、実は一番カフェインが少ないって知っていましたか?
ロースト(煎る)ことによって、コーヒーの香りやカフェインの成分が弱まるんですって。
つまり、一番色が薄いライトローストのコーヒー豆が、一番カフェインをたくさん含んでいるんです。
いやー、私は、すっかり逆に考えていました。
これと同じことが、ワインの樽の焦がし加減にも言えます。
ワインを発酵、熟成させるオーク樽は、実はワインを入れる中側を、焦がして使っています。
通常、オーク樽で寝かせたワインには、オークから抽出される、バニリンと呼ばれるバニラの香りや、キャラメルや煎ったナッツなどの香ばしいの香りが見つかります。
焦がし方によって、ワインに移るそれらの香りは、異なってきます。
オーク樽の焦がし方は、ワインの造り手の好みによるわけですが、ダークローストするほど、香ばしい香りは薄くなり、焦がしが浅いほど、オークの香りがワインに移ることになります。
実は、コーヒー豆と同様に、オーク樽についても、はじめは勘違いしていました。
ダークローストすればするほど、香ばしい香りが生まれると。。。
そうではなく、香ばしい香りはオークの木そのものから発するもので、焦がすことによって、その香りの強さをコントロールしているんですね。
うーん、コーヒーにしろワインにしろ、味の決め手はローストがキーポイントだと言っても過言ではないですね。。

3/11/2009

ペンフォールズのGrange


今日、お客さまに「グランジは扱ってますか?」と質問を受けました。
「はい、ございますよー。1本$600.00になります。」
グランジGrangeは、開店からまだ1本も売れたことのないワインなので、第一号は私が売るのか?!と期待したものの、やはり$600.00という値段に、そのお客様は躊躇して帰っていきました。
PenforldsペンフォールズのグランジGrangeというワインはご存知ですか?
言わずと知れた、オーストラリアワインの最高峰の赤ワインです。
1995年、アメリカのワイン雑誌ワインスペクテイターから、1990年ヴィンテージのグランジは、ワインオブザイヤーを受賞し、世界中にこのすばらしいワインの名が広まることになります。
グランジのおもしろいところは、いろいろな地域で栽培されたシラーズを混ぜ合わせて作っていることです。
グランジのバックグランドともいえる、バロッサをはじめ、マクラーレンベール、クーナワラ、マギル(アデレード郊外)で栽培されたシラーズをうまくブレンドし、バランスのよいオーストラリアを代表するワインが出来上がります。
フランスワインを代表に、国名を冠するワイン→地区名→村名→畑名といったように、範囲が狭まった名を冠するにつれて、質の高い高級ワインという位置づけがあります。
オーストラリアのワイン法では、フランスワイン法のようなルールはないものの、多くのワイナリーが、特定の畑で栽培された葡萄を使用し、またその畑名を高級ワインに用いることは、よくあることです。
それにもかかわらず、オーストラリア最高峰のグランジは、ブレンドして作っているんですよね。
仮に、グランジがフランスで作られていたとしたら、この製法では、法律上は地域名すら名乗れないただのテーブルワインになりかねませんね(笑)。
それから、もうひとつの特徴は、アメリカンオーク樽100%で作られていることです。
通常、ワイン樽として用いられるのが、フレンチオークとアメリカンオークです。
フレンチオークのほうが、マイルドでエレガントな樽香が生まれることから、フレンチオークを好むワインメーカーが多い気がします。
アメリカンオークを使用する際には、多くのワイナリーは、フレンチとアメリカンをブレンドして作ります。(=フレンチオークで熟成させるワインとアメリカンオークで熟成させるワインを両方つくり、熟成後にブレンド)
さまざまな地域の葡萄をミックスさせて作る製法、アメリカンオーク100%の樽熟成、どれをとっても型破りなワインですよね。
ちなみに、私はまだグランジをテイスティングしたことがありません。
ペンフォールズ マギルエステートは、私の家から5分ほどの距離なので、何度か訪れたことがあるのですが、まだグランジのテイスティングにまでは至ってません。
グランジのテイスティングは、セラドアー(テイスティングルーム)で出来るわけではなく、レストランのグラスワインのメニューの中にあります。
お値段は、1杯$80.00です。
今の日本円にしたら、大した金額ではないかな?!
でも、AU$1=110円ほどだった私の学生時代、この金額には目が飛び出ましたよ(笑)。
円高とはいえ、グランジは、気軽に試してみるには、やはりお高いですよね。
そこで朗報です!
同じPenfoldsから、「ベイビーグランジ」の愛称で親しまれているワインがあるんです。
それは、Penfolds BIN389です。
お値段$40前後とお手ごろながら、グランジを髣髴させるおいしさなんです。
日本でも、3千円台で購入できると思いますので、ぜひぜひお試しください!

3/08/2009

和食とヴィンテージワイン




今日は、マネージャーの門出を祝う会を、日本食レストランで同僚と開きました。
お別れは寂しいですが、お別れ会といういうより門出を祝う会というところが、転職が多いオーストラリアならではですよね。
日本でも今では一般的ですが、条件のよい仕事に移っていくというのは、この国では当たり前のことです。
ということで、今日は、和食にあわせてお祝いのビンテージワインをあけました!
まずは、刺身の盛り合わせ、天ぷらの盛り合わせなどとあわせて、ソーヴィニオンブランとリースリングを楽しみました。
うーん、やっぱり樽をつかってない白ワインは、和食とぴったりだなーって実感しましたよ。
実は私、アデレードで刺身を食べるのは初めてだったのですが、ここのレストランはかなりおいしかったです。
このレストランは、どの日本人に聞いても評判の高い、家庭的な料理がメニューに多い、日本人経営の店で、評判どおり、日本人も満足の本格的(?)な日本食でした。
店の半分はお座敷になっていて、ちゃんと靴を脱いであがるんですよ。
でも、本格的日本食の店とはいっても、お客の8割はオーストラリア人でしたね。
私たちの、美食通で有名なマネージャーは、日本料理店を理解しており、お座敷を想定して、仕事が終わった後に一度家に帰って、わざわざ新しい靴下に取り替えてからレストランに乗り込んだものの、私たちの予約席はテーブル席でした…(笑)。
残念!!!
やっぱり、お座敷は人気みたいですね。
白ワインを楽しんだ後は、後半戦は、赤ワインにあわせてなすの味噌田楽、うな重、牛しょうが焼き、お好み焼きなど、ちょっとこってりした味のものを注文してみました。
うん、鰻と赤ワイン、なかなかあいますよ!
鰻と甘辛のたれが結構コクがあるので、和食とはいえ白ワインよりも絶対に赤ワインですね。
今回のヴィンテージワインは、ペタルマの1993のメルローです。
オーストラリアのメルローって、正直興味がなくて、あまり飲んだことがなかったのですが、なかなかよかったですね。
16年も熟成されたワインですから、当然フレッシュな果実の香りというより、落ち着いた感じのドライプルーンなどの果実や、枯葉やシガーボックス、タバコなどの乾燥した草の香りが強く、なかなか趣のあるワインでした。
驚いたことは、16年も熟成されたのに、まだまだ酸味とタンニンの高さが非常に高かったことです。
個人的には、もうちょっと寝かせてもいいんじゃないの?ってくらい、酸味もしっかりとしていたし、歯茎がキシキシするタンニンの渋さもしっかり残っていました。
いやー、いいオーストラリアワインは、やっぱり長熟ですねー。
毎日ヴィンテージワインを飲めるほど、贅沢は出来ませんが、やーっぱり、熟成されたヴィンテージワインは一味違っておいしいですね。
家のどこかに、ほったらかしのワインが眠っていませんか?
もしもあれば、それは知らず間に、歳を重ねたヴィンテージワインかもしれません(笑)。
たまには、ヴィンテージワインを楽しんでみましょう。
そのためには、すぐに飲んでしまわずに、数本は寝かせておくワインをつくるところから始まります。
数年後には、月日を重ねて熟成された、ヴィンテージワインに化けるかもしれませんよ。

3/05/2009

新しい品種との出会い


今日は、同僚とディナーに出かけました。マネージャーもいっしょだったので、今日は店にあるワインをレストランに数本持ち込んで、ワインと料理を楽しみました。
そのなかで、一番気に入った&気になったワインをご紹介したいと思います。
ファーストドロップFirstdropのBella Coppiaです。
Arneisっていう品種、ご存スペルチェック知ですか?
イタリアのピエモンテが原産の白ワインの葡萄品種です。
このアーネイスがオーストラリアでも栽培されているのです。
ピエモンテといったら、山の上のかなり涼しい気候の土地ですよね。 オーストラリアでは、やはり涼しいアデレードヒルズで栽培されています。
このワインは、樽を使っていない、爽やかなフルーティなワインで、和食にもなかなかあいそうな感じですね。
今回は、中華だったのですが、なかなか相性はよかったです。
オーストラリアの中華レストランらしく(?)、クロコダイル(ワニ)の炒め物を注文したのですが、なかなかおいしかったです。
ワニの肉は、食べたことありますか?
私は記憶にはなかったので、たぶんはじめてだったと思いますが、肉自体はとても淡白で、鶏肉に近い感じでした。
パサパサしてるかなと、あまり期待していなかったのですが、とってもふっくらしていてやわらかくておいしかったです。
アーネイス種ワインの香りの感想は、レモンやライムなどのシトラス類、グレープフルーツ、青りんご、梨、アニス、ハーブなどといったところですかね。
グレープフルーツとか、梨とか、果実の中でも、すっごくみずみずしい果実を想像したくなるようなフレッシュさあふれるワインです。
梨って、洋梨のことではないですよ。日本の梨です。
実は、梨って、こちらでも普通に売っているんですよ。
名前はズバリ「Nashi」です。
発音的には、Naにイントネーションが強くついて、なーって感じです(笑)。
また、酸味の高さも印象的なワインです。
りんごでも、真っ赤なりんごではなく、酸味のやや強い青りんごとか、シトラスとか、酸味の高いフルーツの香りも特徴です。
実際の飲み口も、香りどおりのすがすがしい高い酸味があり、中華で脂っこい口の中をさっぱりと洗い流してくれる気がしました。
日本では、本場イタリアピエモンテのアーネイスが買えるのではないでしょうか。
もしも見かけたら、ぜひ試してみてください。



3/02/2009

フード&ワイン フェスティバル


こんにちは。
先週末に、毎年恒例のNorwood Food and Wine Festivalに行ってきました。ノーウッドNorwoodという地区の目抜き通りであるパレードThe Paradeを歩行者天国にして、ワインや食べ物やの屋台が並ぶ、文字通りのフード&ワインのお祭りです。
システムは簡単です。
まず$6ドルを払って、フェスティバルのワイングラスを購入します。
どこのワインフェスティバルでも同じなのですが、国際規格のテイスティンググラス(小ぶりのもの)に、フェスティバルのロゴやスポンサー名がプリントされたものです。
しかも、このグラス、毎年デザインがほぼ同じなんですよね。
スポンサーも同じだし、私は4年前に購入したものを毎年使いまわしています(笑)。
リサイクル、リサイクル。
さて、グラスを購入したら、お目当てのワイナリーの屋台に行って、1杯$6-7で購入します。
確か、4年前は1杯$5-6だったはずだから、ちょっと値上がりしたかなー?!
ノーウッドのワインフェスタは、毎年、真夏の日差しの下で行われるため、ほとんどの人が赤よりも白、ロゼまたはスパークリングを飲んでいますね。
私は、今回は、気になっていたローズマウントRosemountの「O」というワインからスタートしました。
これは、ややアルコール度数の低いスパークリングで、なんと氷を浮かべて飲むという、新しい感覚のスパークリングワインなんです。
暑い真夏の日差しの下では、ぴったりのワインですよね。
フルーティな香りと、ほんのーりと甘みもあり、ワインが苦手な方でも楽しんでいただけると思います。
ボトルもスタイリッシュで、ワイン屋で発見してからずーっと気になっていたワインなんです。
でも、新発売が冬だったため、飲んでみたいものの実際に飲むところまではいかず、現在に至ります。
夏にぴったりのワインが、冬に新発売って不思議でしょう?
なんでかわかります?
オーストラリアが冬ということは、北半球は夏なわけで、主なマーケットのアメリカやイギリス向けに新発売を設定した結果なのでしょう。
ローズマウントRosemount Estateは、日本でも有名なオーストラリアワインブランドなので、日本でも売っているかなーと思って、ちょっと探してみましたが、残念ながらまだ輸入されていないようですね。
もしかしたら、今年の夏あたりに新発売になるかも?!
お目当てのワインをGetしたら、「O」を片手に、今度は食べ物を物色してパレードを歩きます。
ビーフやラムのステーキ、ドイツ風の巨大ソーセージ、フィッシュ&チップス、オイスタープレート(生牡蠣)、インド料理、タイ料理、イタリア料理、中華に寿司まで、本当に何でもあるので、何を食べようか迷ってしまいます。
白のスパークリングを購入したから、せっかくだからシーフードを食べようとあれこれ検討した結果、結論は、大好きなソルト&ペッパーカラマリを購入することにしました。
これは、オーストラリア料理って言っても過言でないくらい、どこにでもあるし、誰もが大好きな塩コショウ味の衣のイカのフリッター(天ぷら?)です。
日本のような、リングイカのフリッターで出てくる場合もありますが、今回のものは、短冊切りでした。
パン粉の衣ではなく、フリッター的揚げ物で、これは、おいしいです!
オーストラリアの典型的なレストランやカフェ、パブ、そして中華料理店にもかならずおいてあるメニューです。
イカフリッター片手にワインを楽しんだ、日曜の午後でした。