12/17/2007

タスマニアで購入したワインを開けました



アグリビジネスに移ってからの1セメスターもようやくおわり、ただいま夏休みに入っています。

アデレード大は、2セメスター制のため、毎セメスターごとに入学/卒業があります。

ということで、セメスターが終わった12月は、ちょうど卒業式のシーズンを迎えました。
私の周りには、コース終了後、一度はアデレードを離れたけど、卒業式のために再度訪れているという人が、何人かいて、12月は、友人との再会、食事会に追われる毎日でした。。。
先日、日本からアデレードに戻ってきた友人を招いてワインディナーを開きました。
その際、先日のタスマニア旅行で購入したリースリングとピノノワールを開けてみました。
リースリングはMOORILLAエステート(タスマニア旅行の際の)のものです。
タスマニア旅行編にも書きましたが、普段は買わないリースリングですが、このリースリングには一口ぼれ(一目ぼれ?)してしまいました。
本当にバランスのよいおいしいリースリングです。
カラー: クリア、ストローイエロー
ノーズ: レモンやライムなどのシトラス、草の香(グラッシー)、パイナップル、ハニー、フローラル、
そしてかすかにペトロ香(石油)
パラット: 高い酸味がレモンを連想させる。だけど、パイナップルなどの甘いフルーツの香りがカバーして、飲み口はすっぱいワインという感じはしません。
せ、石油の香りって???ってビックリしてる人もいるかと思いますが、ペトロ香とはリースリングの香りを表現する際によく使われる言葉です。
かすかに石油を思い出させるような香りですが、けしてイヤな香りではなく、リースリングを表現する際には、褒め言葉になるんですよ。
ちなみに、私はガソリンスタンドの匂いは大嫌いで、いつも出来るだけ早く給油してさっさと立ち去るようにしています…。
そんな私でも、「ああ、このリースリングはいいペトロ香を持っているなー。」などと思えるのですから、
なかなかいい香りなんですよ。
ペトロ香のことをうまく表現する方法が見つからないので、もしも機会があったらちょっと熟成されつつあるようなビンテージのリースリングを買って飲んでみるといいかもしれません。
いまだったら2005とか2006くらいだったらこの香りがすると思います。
2007だと、フレッシュなシトラス系のリースリングが多いと思いますよ。
リースリングって、大まかに分けると、シトラス系かペトロ系に分かれると思います。
どちらが好きかはお好みですが、私は意外にペトロ系が最近好きになってきました。
しかし、夏の暑い日にキリっと冷やしたシトラス系のリースリングっていうのも悪くないですよね。

10/24/2007

フェアトレードコーヒーって知ってますか?


今日はちょっと話題を変えて、コーヒーのお話です。
ワイン好きのみなさんも、外で食事した(or 飲んだ)後に、ちょっとスタバで、コーヒーとお菓子を楽しむって方は多いと思います。
ちなみに、私は、ワインなどを飲みに出かけた後、タリーズでアイスクリームとコーヒーでゆっくりするというのが好きです。
でも、これは私が東京にいた頃の話…。アデレードにはタリーズはまだ上陸してないので(スタバは去年やっと上陸しました!)、こちらではCIBOでのんびりするのが定番です。イタリアンレストランが始めたカジュアルなカフェなので、エスプレッソとジェラートがおいしいです。
ということで、今日は同じ飲み物つながりで、ワインではなくコーヒーのお話です。
フェアトレードコーヒーって聞いたことありますか?
その名のとおり、公正に貿易されたコーヒーという意味です。
ええ??じゃあ普通のコーヒーはフェア(公正)じゃないのかって?
はい、そうです、残念なことに、かなり不公平な取引をされているのが現状なのです。
コーヒーが多く生産されている国をご存知ですか?
アフリカや南米など、赤道付近の発展途上国が主な生産地です。
コーヒーの実は、手で収穫されるため、大量の労働力が必要となります。
そのため、多くの貧困層が、従事することが多いといわれています。
コーヒーの価格は、国際市場で左右されるため、中間業者が、コーヒー購入価格を安くたたき、その損失を防ごうとします。
そうすると、どんなことが起こるでしょうか。
市場価格の変動にかかわらず、労働賃金は、常に安く置かれます。
さらに、市場の変動により、利益が出た場合も、農園の労働者たちには反映されず、流通段階が持って行ってしまう、という図式が出来上がります。
まともな賃金がもらえない労働者たちは、子供の教育費も払えないため、
多くの子供たちもまた、コーヒー栽培に従事することになってしまいます。
まともな教育が受けられないことにより、貧困から脱出することが出来ない、しかたないので労働する、という悪循環を生み出してしまうのです。
さらに、大量な農薬を使って栽培される場合が多く、知識に乏しい労働者たちは、
その農薬がどのような影響を環境に与えるか、私たちの体に与えるのかは知らずに使っています。
コーヒーの消費は、日本を含めた先進国が主です。
私たちの生活に身近なコーヒが、そんな状況下から私たちの手元に届いているなんて、知ってましたか…?
私は、お恥ずかしながら、今までまったくそんなこと考えたことありませんでした…。
このようなアンフェアの状況を改善しようと始まった動きが、フェアトレードコーヒーなのです。
多くのコーヒー生産者は、中間業者に搾取され1ポンド(450g)につき30-50¢で売らざるを得ないのですが、フェアトレードコーヒーは、1ポンドにつき最低$1.26を支払っていて、
この金額が直接農家の手に渡るため、中間業者に搾取されることもないのです。
適切な労働対価を払える価格で、コーヒーを取引することにより、貧困のない社会を生み出し、
またオーガニック(無農薬)栽培によって、環境にも人にもやさしいコーヒーが出来上がるのです。
労働者にも、消費者にもやさしい商品、それがフェアトレードコーヒーです。
ここまでの話で、「ふーん、だから何?」って思っている人、ここからが必見です!
オーガニック栽培によって生産されたフェアトレードコーヒーは、やはり味が違うのですよー。
先日、クラス(ただいまはアグリビジネスを勉強中です!)で、フェアトレードコーヒーを勉強する機会があり、その際にフェアトレードとそうでないものの飲み比べをしました。
同じ生産地の、同じ豆の、同じ焙煎法、さらに同じ日に挽いた豆なのに、味が違います!
簡単に言うと、フェアトレードでないものは、口当たりが荒く、洗練味にかけます。
それに引き換え、フェアトレードコーヒーは、香り豊かで、リッチなコクがあり、
口当たりもまろやかです。コーヒーに荒々しさがなく、リッチなコクがあるのに、すっきりとした洗練された味です。
ここまで違いがあるとは思わなかったので、正直この結果に驚きました。
日本でも、フェアトレードコーヒーがかなり多く売られるようになってきました。
スタバやタリーズでも、フェアトレードのコーヒー豆を扱っているようです。
(たぶん、フェアトレードのラベルが貼ってあるので、わかると思います!)
以前はかなり割高感が強かったフェアトレードコーヒーですが、現在では、あまり値段の差はなくなってきているようです。
おいしいコーヒーを飲むことによって、環境問題や貧困問題への解決の手助けが出来るのであれば、
それほど難しいことではないですよね。
東京の様な、めまぐるしい世の中にいると、とかく自分のことで精一杯になりがちですが、
国際的な社会貢献も、小さなことだったら、意外と簡単に出来るんだ、ということを忘れないでくださいね。
今日は、Wine Girls史上初、ワイン以外のお話でした!

10/17/2007

これぞ私の好みの味!リーズナブルなシラーズ


今日は、私の大好きなワインのひとつをご紹介します。
昨年のお誕生日に、親友のクラスメイト(すでにスウェーデンに帰ってしまって寂しい…)に貰った1本です。
彼女も、ワインビジネス専攻のワインLoverだったので、私の好みのワインを的確に判断し、選んでくれたものでした。
アデレードで一番有名なステーキ屋’ガウチョ’GAUCHOSに持ち込んで、絶品ヒレステーキと共に楽しみました。
決して高いワインではないのですが、ステーキとの相性は最高です!
ということで、今日の1本は、Johnstonのシラーズです。
先日、母がアデレードを訪問していた際に、やはりステーキを焼いた時にあわせたワインです。
最近、キャスターアイロンのフライパンをバーゲンで激安で手に入れたのと、最高に品質のよい、
おいしいステーキを売っている肉やを見つけたことから、近頃はステーキといえば、
もっぱらおウチご飯となっています。
ということで、今回も、母と500gを越えるオージービーフステーキ(もちろんシェアですよ!)を、シラーズとあわせて楽しみました。
テイスティングノート
Johnston Oakbank, Adelaide Hills, Shiraz, 2003
カラー: クリアー、
若い赤ワインにありがちな、紫色感はあまりなく、綺麗なルビーレッド。
ノーズ: サワーチェリー、プラム、プルーン、ブラックベリー、バニラ、ナツメグ、シナモン、
ちょっとだけミント(スーッとする感じ!)

パラット: ブラックベリーやカシスなど、色の濃いベリーの味。
プルーンのような凝縮感を感じるけど、ミキプルーン?のような超濃厚なまったりしたプルーンの感じ
はなく、あくまでもさらっとしているプルーンの感じです。
シラーだけど、重すぎず、かといって軽すぎず、しっかりとしたシラーズの、果実味が凝縮した
ドッシリ感があります。
タンニン(渋み)はそれほど強くはありませんが、しっかりとあります。
酸味は、りんごを食べた後の、口の中に残る後味のここちよい酸味を感じました。
アルコール度数は14%。さすがオージーワインといった高さです。
後味は、鼻からバニラの香り(樽香)が、心地よく抜け、香りから後味まですべておいしいワインです。

このワインの定価は、AU$20(約¥2,000)ですが、近所のワイン屋で、かなり前に安売りをしていて、なぜだかAU$14ほどで手に入れました。
昨年のバースデープレゼント以来かなりのリピーターなので、安売りをしているとついつい買ってしまいます。
確か、昨年は2002ビンテージを開けたのですが、2003よりも、ボディがしっかりしていた記憶があります。
2002こそ、私の好みの味だったのですが、まあ2003も悪くはなかったです。
Johnstonは、アデレードでもかなりマイナーなワイナリーなので、日本で見かけることは、まずないかと思いますが、もしも見つけた場合は、ぜひぜひお試しください♪

9/25/2007

ロイヤルアデレードショー


みなさま、ご無沙汰しておりました。
ただいま、2週間のセメスター休暇に入っています。
この2週間を利用して、日本から母がワインを楽しみにアデレードにやってきたので、
毎日ツアーガイドで忙しくしていましたが、本日無事帰路についたので、
本日よりブログを大急ぎで再開です。
9月のオーストラリアは、季節は春です。
まだまだ肌寒い日もありますが、暖かい日は初夏を思わせるような日もあり、
ちょうど日本のゴールデンウィークくらいの気候だと思ってもらえればよいかもしれません。
その春の訪れを告げるイベント、’ロイヤルアデレードショー’が、今年も9月の初旬から中旬にかけて、開かれました。
もともとは、農業祭(?)からスタートしたこの催しは、乳牛、牛肉、豚肉などの家畜農家、野菜や果物農家、そしてワイナリー(葡萄農家+ワイン醸造業)の方々と、一般消費者との交流の場であり、
また、コンテストなどを通して、農家の方々のモチベーションを上げる(活気付ける)場でもあります。
現在では、さまざまな食品会社の商品紹介(この試食が楽しいんですよねー!)などもあります。
そのほかでは、移動遊園地なども開催され、大人から子供まで、アデレーディアンたちにとっての、
1年に一回のお楽しみとなってます。
1年に1回のお楽しみ、つまり、アデレーディアンたちは1年に1度しか遊園地を見ることはないってことですね…。
さてさて、そのロイヤルアデレードショーの催しの中で、母と私が一番楽しみにしていたものが、
'CELLAR DOOR EXPERIENCE'(セラドアー エクスペリエンス)です。
その名のとおり、セラドアー(ワイナリーのテイスティングルーム)体験です。
このパビリオンでは、本格的ワインテイスティングを、ワイン専門家とともに行うというもので、
もちろん入場料はタダ!
私たちお客さんは、昼からタダでワインをテイスティングできる(飲める!?)ということから、
行列の出来る人気パビリオンでした。
ワイナリー側にとっては、自社のワインのプロモーションの場であり、またワインのおもしろさ、
すばらしさを知ってもらう絶好の場でもあります。
この日参加したのは、基本白ワイン4品種の回です。
リースリング、ソービニオンブラン、セミヨン、シャルドネの4種です。
ワインテイスティングの基本として、ボディの軽いものから重いものの順にテイスティングをしていきます。
ボディの重いものからテイスティングしてしまうと、口の中にその強い香りが残ってしまい、
ボディの軽いワインの味がわからなくなってしまうからです。
今回のテイスティングの順番は、リースリング、ソービニオンブラン、シャルドネの順でした。
リースリングとソービニオンブランは、樽を使わないスッキリとした軽いボディなので、
通常、テイスティングを行う場合、一番初めにスタートすることが多いです。
まず、初めに、グラスをやや傾けて、ワインの色を見ます。
このとき、バックに白いもの(白い紙等)があると、色が認識しやすいです。
たとえば、樽を使わないリースリングやソービニオンブランの場合、色が薄く、
限りなく無職透明に近い、極々淡ーいグリーンやレモン色をしています。
それに引き換え、樽の中でじっくりと熟成され、樽からの色と香りがしっかりと抽出された
シャルドネの場合、輝くようなゴールデンイエローをしています。
色を確認できたら、次は香りです。
まずは、揺らさずに香りを嗅いで見ます。
この段階でも、いい香りがしますが、次はグラスをテーブルにおいたまま、左回しでグラスをまわしてみます。
こうすることによって、香りが開いてきます。
たとえば、ソービニオンブランは、ライチやパッションフルーツなどのトロピカルフルーツの香りに加え、レモンなどの柑橘系の香りが融合して、心地のよい香りです。
ソービニオンブランは、現在、一番人気の高い品種です。
この分かりやすい香りが、一般消費者にうけているようです。
香りの次に、初めてワインを口に含んでみます。
ただ単純にワインを飲みたい人にとっては、ここまでの工程は、まどろっこしいものでしょう…。
口に含んだら、イッキに飲み込んでしまうのではなく、ワインを口に含んだまま、唇をちょっとすぼまして、空気を吸ってみます。
慣れないとちょっと難しいように感じますが、さほど難しいものではないと思います。
見た感じ、ほとんどの人が出来ているようでしたし。
空気を口の中に含むことによって、ワインの香りが口の中でさらに膨らみます。
ここでは、どんな味がするか、酸味の高さ、アルコールの高さ、赤ワインだったらタンニン(渋み)の高さを判断します。
今回テイスティングしたシャルドネは、りんご、洋ナシ、桃などの味とともに、蜂蜜の味と香りが心地よいアデレードヒルズのシャルドネでした。
なんとなく、甘い香りがすると、酸味は低いような気がしますが、香りは甘くても、酸味が高い品種はたくさんあります。
ソービニオンブランは、トロピカルフルーツの甘い香りがするのに、酸味はレモンのようなかなりの高さです。
このバランスが、おいしいワインを生み出すんですよ。
そして、最後に、飲み込んだ後の余韻を楽しみます。
飲み込んだ後、口の中に残るワインの香りと味の余韻の長さは、いいワインを評価する上で、
非常に重要になってきます。
会場にいたお客さん(ほぼ100%オージーです)は、4種類とも色も香りも味も、まったく違うことに非常に驚いていると同時に、楽しんでいるようでした。
なかなか4種類のワインを一度に楽しむことはないかもしれませんが、ちょっと人数の集まったパーティーなどで、ぜひ飲み比べてみてください。
違いがわかると、ワインのおいしさが数倍アップすると思いますよ。

8/27/2007

丘の上まで遊びに行ってきました



ポカポカ陽気に誘われて、先週末にアデレードヒルズへ遊びに行ってきました。
今回訪れたワイナリーは、ハーンドルフヒル Hahndorf Hill Winery, ティルブルック Tilbrook Estate, アシュトンヒルズ Ashuton Hills Vineyardの3軒です。
Hills(=丘)というだけあって、高台に位置するアデレードヒルズは、海からの風を受け、比較的涼しい気候の土地です。
アデレード市内からわずか30分ほどで行ける、お手軽ワイン産地であるにもかかわらず、作られているワインは、どれもすばらしいものばかりです。
クールクライメイト(冷涼気候)のアデレードヒルズは、白ワイン(特にソーヴィニオンブラン)とクールなイメージの赤ワインが得意な土地です。
今回は、ティルブロックで、幸運にも、ワイナリー(ワイン工場)内に入れてもらうことが出来、さらにまだ発酵途中のワインを樽から試飲させてもらいました。
まだ発酵途中=まだ未熟なワインなので、まだまだ酸味とタンニンが多いブドウジュース(?)という感じで、決しておいしいものではありません…。
清澄前のため、見た目は透き通ったものではなく、まだ濁った状態です。
ただ、香りはしっかりとラズベリーのような香りをすでに強くもっていて、出来上がりがとても楽しみなワインでした。
ワイン作りに携わったことのない私(理科の知識ほぼゼロなので…)にとって、とてもよい経験をさせてもらえたと思います。
今日の一本は、今回最後に訪れたワイナリーのアシュトンヒルズにて手に入れた、メルローを開けてみました。
このワイナリーは、ピノノワールが特に有名なワイナリーです。
2004ヴィンテージからは、赤ワインはピノノワール(3種の価格帯)に絞るとのことでした。
ということで、今日のメルローはこのヴィンテージで最後なんです。
ピノ以外も、かなりおいしいので、ちょっと寂しいな…。
Ashton Hills Vineyard, Merlot Reserve, 2003
カラー: クリアできれいなルビーレッド
ノーズ: ラズベリー、リコリス、べジタル(野菜などのグリーンを想像させる香り)、シガーボックス、
初めはそれほど強くはないけど、時間がたつにつれて、心地よい樽の香りなど…。
パラット: ラズベリー(ノーズよりも口に含むと、フルーティー感が強く感じます)、甘酸っぱい(チェリーっぽい)後味、強すぎない樽の香りなど…。
酸味はかなりしっかりしているのですが、まるーい酸味なので、ベリーの香りと合わさって、甘酸っぱさを演出しています。
飲み終わった後に口の中に残る香りは、どこかチェリーコークを思い出させる感じが後からやってきて、後味がここちよいワイン。
余韻は結構長めかな。
円い酸味が、いきいきした果実味をよく表現していて、強すぎない樽の香りとともに、円い口の中の感覚(マウスフィーリング)がとても心地よいです。
アルコールの高さは13.5%。
オーストラリアの赤ワインにしては、かなり低めでちょっとビックリ!
やっぱり13%台のワインは、飲みやすいですね。
タンニンは、しっかりあるけど、決して強くはないです。

タンニンのことで、面白いことを勉強しました。
カベルネソーヴィニオンのタンニンは、ドーナッツ効果と呼ばれていて、舌の真ん中ではタンニンを感じないといわれています。
それにひきかえ、メルローのタンニンは、舌の真ん中で感じます。
味のバランスをとるだけでなく、タンニンの口中感覚のバランスを整えるためにも、
だからボルドー(フランス)ワインは、カベルネとメルローのブレンドなんだー!と新発見でした。

メルローは多くの女性が好む品種です。
やはり、この甘酸っぱい感じにひかれるのかなー?
かといって、グルナッシュのような甘いお菓子のような香りではないため、比較的どの食事にあわせやすいワインです。
カジュアルダイニングからエレガントなディナーまで幅広くどうぞ!


8/19/2007

アデレードは春です!


今月に入り、徐々に春めいた気温の日が増えてきました。
朝晩は冷え込みますが、日中は20度ちょっとまで上がります。
桜のようなアーモンドの花もあちこちで咲きはじめ、視覚的にも春一色になってきました。
さて、春といえば、飲みたくなるのがロゼですよね!
桜の色(こちらではアーモンドですが)に誘われて、ピンクのワインが飲みたくなります。
最近のマイブームは、このロゼを持ってチャイニーズを食べに行くことです。
オーストラリアのレストランには、BYO(Bring Your Own)というシステムがあります。
つまり、自分のワイン持ち込みOK!ということです。
当然のことながら、持ち込み料(1本$5-6くらい)はとられますが、
それでも店のワインリストからチョイスするよりは安上がりでしょう。
しかも、自分好みのワインがレストランにあるとは限らないし。
自分の好きなワインをお気に入りのレストランで楽しめるというのは、なかなかうれしいものです。
ということで、今日の一本はロゼです。
PLANTAGENET EROS 2006
カラー: クリアな綺麗な桜色。
ノーズ: ストロベリー、チェリーなど、赤いベリーの香り。
ロゼの特徴として、赤ワインのような複雑な香りはありません。
でも、このシンプルさ、軽さが料理を邪魔しないのです。
パラット: 中華料理とロゼを合わせていつも思うのは、ロゼはまさに梅酒です!
決して梅酒そのものの味がするわけではないのですが、中華とあわせると、
チェリーなどの軽いキャラクターの味が、なんとなく梅のさわやかさを想像させてくれます。
ちなみに今日のワインは、西オーストラリア州産です。
ブドウ品種は、オーストラリアにはめずらしくメルローを使用。
食事とのバランスのとりやすい、辛口のすっきりしたロゼでした。
やや甘口ロゼと中華をあわせるのも悪くはありませんよ。
でも、やはり食事には辛口のがすっきりとあわせることができます。
この日は、このロゼに合わせて、クリスピーローストチキン(しょうゆ味)、車えびの鉄板焼き(塩味)、季節の野菜のオイスターソース炒め、ワンタンスープを楽しみ見ました。
本格的でなくても、中華風のおかずはかなりの確立で食卓にのぼると思います。
中華風のお惣菜を作った日には、ぜひロゼを合わせてみてください。

8/17/2007

ジェイコブス・クリーク リザーブ

今日は、お手ごろワインのご紹介です。
日本でもおなじみのジェイコブスクリーク、試したことはありますか?
たぶん、オーストラリアワインといえばジェイコブスクリークというくらい、オージーワインのイメージが強いと思います。
ジェイコブスクリークの立派なワイナリーは、アデレードから1時間ほどのバロッサバレーにあります。
広大な敷地内に、広々としたテイスティングコーナーやカフェ・レストランがあるなど、世界中からの観光客が常に絶えない、オーストラリアのワイナリーらしからぬ(?)、バロッサの一大観光地となっています。
大手ワイナリー=マスプロダクションワイン=おもしろみにかけるワイン、という固定概念が、
私の中にはいつもあり、「ジェイコブスクリークは大手だから…」ということを理由に、いつも避けて通ってきていました。
しかし、友人からの強い勧めに負け、このたびマスプロダクションワインを試すことになりました。
テイスティングの結果、私の予想と違い、なんとなんとバランスよいお手ごろワインだったのです。
今回は、ジェイコブスクリークのリザーブ(高級という意味)ラインを試したのですが、
リザーブとは言っても、わずかAU$13(¥1、300)ほどなので、本当にお手軽ワインです。
しかも、このワインのスゴイことは、この安さにして、本物のコルクを使っていることです。
大手ワイナリーならではの規模の経済(エコノミー・オブ・スケール)を利用し、大量に仕入れることにより、安く仕上げることが可能なのでしょう。
さらに、テイスティングによって、「おもしろみにかけるワイン」という私の予想は、「万人受けするバランスのとれたワイン」という言葉に代わりました。
きちんとマーケティングをされているな~(=消費者の好みをきちんと把握している)というのが感想です。
コルク仕様のリザーブワインで、しかもお手ごろ価格、とくれば、友人宅でのカジュアルパーティーへのお呼ばれの際に持っていくワインはこれで決まりでしょー!
Jacob's Creek Reserve Shiraz 2004
カラー: 若いワインらしく、きれいな濃い紫色
ノーズ: フレッシュで色の濃いベリー(ブルーベリー、カシスなど)、ハーブ、樽など。
典型的な、オーストラリアのシラーズをうまく表現していると思います。
パラット: 複雑味にはかけるものの、バランスのとれていてとても飲みやすいです。
お値段から考えても、余韻はさほど長いものではありませんが、
心地よい香りが口いっぱいに広がります。
写真の通り、2つのワインコンテストでシルバーメダルを受賞しています。
同じリザーブラインの、カベルネソーヴィニオンも、ワイン屋で試飲したのですが、
こちらもなかなかよいですよ。
ちなみに、こちらは、ゴールドメダルを受賞しています。

7/31/2007

記念日にはビンテージワインを開けたいな




無事、Master of wine businessが終了し、昨日卒業式を迎えることが出来ました。
オーストラリアでも、卒業生は、よくアメリカ映画に出てくるようなガウンを着ます。
しかし、イギリス圏のオーストラリア(君主はエリザベス女王です!)では、アメリカ式のガウン(映画でおなじみの前をピッタリと閉じたタイプ)ではなく、ガウンの前が全開のケンブリッジ式ガウンと角帽を着用します。
ガウンの色は全員黒ですが、大学生と大学院生では、若干袖の形が違ったり、学部ごとにフードの色が違ったり、博士号の学生は角帽ではなくベルベッド製の巾着のような帽子だったりと、ガウンを見れば、何を終了したかが一目瞭然になっています。
イギリス圏の学校はどこでも同じなのかもしれませんが、なんだかホグワーツ(ハリーポッターの学校)にいる気分でした。
学長が登場した途端、アメリカ人の友人は「ダンブルドア先生ですか~?!」って笑っていました。
ということで、本日は卒業記念のすばらしい一本を開けました。
今日のワインはHeitz Wine Cellars Martha's Vineyard, 1985, Cabernet Sauvignon, NapaValleyです。
そうです、今日の一本は、カリフォルニアのナパからやってきたワインです。
ビンテージは1985年。私がまだ10歳のころに造られたワインです。
しかも、Heitzの中でも、Martha's Vineyardのものです。
今、サンフランシスコあたりのワインショップで買ったら、軽ーくUS$600は超えるらしいです。
このような素晴らしいワインを開けるチャンスをもらえた私は、何と幸運なんでしょう。
22年熟成されたワインの味は、やはりいつも飲んでいるワインとは一味も二味も違いました。
カラー: 綺麗なレンガ色(濃い目のオレンジ色)。熟成されているなーっていう色です。
このワインも22年前は、濃い紫色だったんでしょうね。
縁の色の薄い部分が広く、これは熟成されているサインです。
赤ワインは、熟成されるにつれて、色が薄くなります。(濃い紫→ルビーレッド→ガーネット→オレンジ)
ノーズ: レーズン、ドライプルーン、ピーマン、アスパラ、マッシュルーム、タバコ、葉巻、しょうゆ、紅茶、ミント、なめし皮、ダスティー香(ずーっと使っていなかった別荘地に久々に訪れたことを想像させるような、ちょっとほこりっぽい香り)、などなど。
とーっても香りが複雑で、次から次へといろいろな香りを発見できました。
やはり、この複雑感、熟成されたワインならではですね。
ワインは、熟成されるにつれ、フルーツ系の香りが薄れ、それ以外の香りが際立ってきます。
このワインを一口飲んで、一番最初に香ったものは、ピーマンでした。
それから、しょうゆの香りもかなり初めのほうに香りました。しょうゆと言っても、たまり醤油ではなく、普通のしょうゆです。
ワインを飲んでしょうゆの香り?!と思われるかもしれませんが、これって結構フランス(特にボルドー)ワインに見つかる香りです。
ボルドーの五大シャトーと呼ばれるような、高級ワインを飲むと、かなりの確立でしょうゆっぽい香りがします。
当然ですが、フランス人やオーストラリア人は、この香りをしょうゆの香りとは表現しません。
大豆の香りとか言っている人は、よく見かけるので、きっとこの香りのことだと思います…。
パラット: タンニンは、初めはソフト。しかし、飲み続けていくうちに、上歯茎と上唇の間に渋みが残り始めたので、22年前は、非常に強いタンニンだったことが予想されます。
このタンニンが、赤ワインの長熟の秘訣なので、このタンニンがなければ、とっくの昔に酢になってしまって、今飲めていないのかもしれません。
Heitzは、酸味が高いワインで有名なので、やはりこのワインも比較的酸味は高かったですが、
嫌味な高さではなく、心地よく飲める酸味でした。
やはり、熟成されて、酸味もまろやかになったのでしょうか。
アルコールは13.5%。現在のカリフォルニアワインでは考えられないほど低いです!!
カリフォルニアもオーストラリアも、現在の平均アルコール度数は14-15%です。
1985年当時は、まだまだ13%台のワインが存在したんだ…と驚いた瞬間でした。
余韻(ワインを飲んだ後の口の中に残る香りの長さ)は、超超超長かったです。
今まで飲んできたワインの中で、一番長かったのではないだろうかという長さです。
余韻の長さは、ワイン評価の基準になるため、このワインが評価が高い意味がよくわかりました。
こんなワインに会える機会は、なかなかありませんが、やっぱり記念日には、ちょっと特別なビンテージワインを開けたいですね。

7/24/2007

本日の1本



今日のワインは、ちょっと熟成されはじめた2000年のワインを飲んでみました。
John's Brend Wines ジョンズブレンド Margarete's Shiraz, Langhorn Creek and McLaren Vale, 2000
カラー: ややオレンジがかったガーネットレッド。
ノーズ: プラム、レーズン、ナツメグ、シナモン、カラメル、ラムレーズン、ブランデー、焦がした樽、ランシオ香(シェリーのようなちょっと酸化したような香りのこと)、ナッツ。。。
さすが、熟成されはじめたワインらしく、フレッシュなベリーの香りはなく、
レーズンなどのドライフルーツの香りのするワインでした。
パラット:ドライフルーツ、ブランデーなどが混ざって、複雑な味。
タンニンは特別強くはないけど、はじめはまあまああったのかな。なんせ2000年のワインですから。
タンニンが落ち着いてまろやかになった可能性はあります。
アルコール度数は14%。テイスティングコメントにあるように、ブランデーとかラムレーズンとか、
ハードリキュールの香りを想像させる香りがあるものの、実際のアルコール自体は、
さほど強さを感じさせなく、飲みやすいワインです。
2000年のような、熟成され始めたワインも手に入るのが、オーストラリアのおもしろさです。
お気に入りのワインショップに、セラーワインコーナーがあり、なんらかの事情で、
いまだに残っているちょっと古いビンテージのワインが買えるんです。
はじめは、売れ残りコーナーと馬鹿にして、あまり買ったことなかったのですが、
この中にあるワインは悪くないです。
自宅で保管してあるより、きちんと温度管理されたワイナリーやワインショップで保管されているため、
かなりベストコンディションで、ビンテージワインが楽しめます。
お値段は、ピンきりですが、正規価格と同じか、数ドル高くなっているものが多いです。

7/23/2007

今日のおすすめの一本

今日は、久々にワインテイスティングノートです。
本日の一本は、アデレードヒルズのShaw and Smith ショウアンドスミスです。
日本でも、すでに輸入されているので、オーストラリアワインをご存知の方には、
おなじみのワイナリーです。
アデレードの街中から、車で30分ほどで行くことの出来るワイナリーなので、
週末にふらっと立ち寄れるワイナリーとして人気が高いです。
ちなみにセラドア営業は週末のみです。
オーストラリアのセラドアにはめずらしく、こちらのワイナリーはテイスティングにお金がかかります。
白ワイン2種類、赤ワイン2種類、すべてのワインに合わせたチーズ4種類で、AU$10。
決して高くはないお値段です。シェアも可能。
ヴィニヤード(ブドウ畑)を眺めながら、テラスでゆっくりとワインとチーズを楽しむので、
ちょっと他のワイナリーでは味わえないゆったりとしたテイスティングがうれしいです。
色、香り、味と、比べ飲みが出来るのも、おもしろいですよ。
本日の1本 Shaw and Smith 2004 Shiraz
カラー: 紫がかったルビーレッド。 まだ若いので、紫色が混じっていました。
ノーズ: ラズベリー、レッドカラント、スパイス、ユーカリ、リコリス、草、焼けたゴム など。。。
パラット: ベリーのみずみずしさに、リコリスのようなスーッとする味が口いっぱいに広がります。
タンニン(渋み)は、強すぎず、弱すぎず、適度で心地よいタンニン量です。
樽のカラメルや香ばしさはあまりなく、クールな気候特有のスパイスやべジタル(野菜や草)
の香りの強いワイン。
焼けたゴムって何??って思われる方もいるかもしれませんが、これもれっきとした
ワインテイスティング用語の一つです。
主に、フランスのシラーに多く見つけられる香りとされていますが、
今回は、オーストラリアのシラーズでも見つけることが出来ました。
決して不快な香りではなく、ワインに複雑身が加わった奥深い味になるんですよ。
アルコール度数は、14%と、オーストラリアワインらしいアルコールの高さです。
今回は、2004年のシラーズを開けてみましたが、ワイン屋さんにはまだまだ熟成できると言われました。
でも、思ったよりもタンニンが強くないので、どのくらいもつのかな…などと考えてしまいました。
 

7/22/2007

タスマニアの食事とワイン - タスマニア旅行記part3




今回は、タスマニア旅行記第3弾です。
タスマニアは、言わずと知れた、シーフードの宝庫です。
帆立、牡蠣、ロブスターなどなど、新鮮でおいしい魚介類がお手ごろ価格でいろいろ楽しめます。
まずは、基本のオイスター(牡蠣)です。
冬だったので(オーストラリアはただいま冬です!)、身は小ぶりですが、味は凝縮されてて最高です。
日本では、牡蠣のシーズンは冬ですが、どうやらこちらでは夏のようです。
夏には巨大な岩牡蠣も楽しめるみたいで、誰に聞いても大ぶりでミルキーな夏の牡蠣は最高!ということでした。


でも、冬の牡蠣だって味は最高で、なかなか楽しめますよ。
殻付の生牡蠣を、天然の海水の塩気とレモン汁だけでいただくナチュラルオイスターは、
軽く1ダース(12個)はいけちゃいます。
ナチュラルオイスターにあわせたいワインは、やはり白ワインですね。
タスマニアは、様々な白ワインをつくっているので、どのワインをオイスターに合わせようか、
悩むところですが、私はシャルドネと合わせるのが好きです。
しかも、ニューワールドの典型的な、色はゴールデンカラー、味はしっかりとコクがあって、バタースコッチやカラメルのような香りがするタイプとあわせるのが大好きです。
さっぱりすっきりと、ソーヴィニオンブランや樽を使ってないアンオーク・シャルドネなどのほうが、
シーフードを食べるときは好きという方もいるかもしれませんが、
牡蠣のミルキーなコクと、シャルドネのバタースコッチなコクがなかなかイイ感じにマッチしますよ。
基本のナチュラルオイスターを楽しんだら、次はオイスター・キルパトリックです。
キルパトリックとは、小さなサイコロ状に刻んだベーコンとウスターソースをかけてオーブンで焼いたものです。
ナチュラルとはまた違ったおいしさが楽しめます。
個人的には、キルパトリックやその他グリルしてあるオイスターには、
白ワインだけでなく赤ワインも結構イケると思います。
シーフード=白ワインという固定概念を捨てて、いろいろと自分のおいしいと思う味を試してみてくださいね。
締めは、スモークド・フィッシュ・チャウダースープです。
その名の通り、軽く燻製した魚と野菜を、クリーム系のスープで煮込んだチャウダーです。
野菜の甘さと、魚のコクがあっさり系のクリームスープの中でマッチして、なかなかおいしかったです。
しかし、タスマニアのレストランは、どこに行っても薄味なのがちょっと残念…。
よく言えば、上品であっさりした味、悪く言えば、はっりきしない薄塩味という感じです。
まあ、テーブルにおいてある塩コショウで味を調えることは可能なので、あまり大きな問題ではないです。
タスマニアに長く住んでいた友人に聞いたところ、タスマニアの料理は、ピノノワールのような繊細なワインに合わせるため、天然の味を大切にした繊細な味に仕上げてあるとのこと。
まあ、そう言われてみれば、納得かな。。。
確かに、ピノノワールとケンカせず、いいハーモニーをかもし出してたかな。
ということは、私はまだ行ったことありませんが、フランスのピノノワールの産地、ブルゴーニュの料理も、薄味なのかな?などと考えてしまいました。
ブルゴーニュ料理をご存知の方、どなたか教えてください!

タスマニアのワイナリー タスマニア旅行記Part2




今回も前回に引き続きタスマニアについてレポートします。
タスマニアは、小さい島とはいっても端から端まで直線で、車で4-5時間はあります。
タスマニアにあるすべてのワイン産地に行ってみたーい!という気持ちはあるものの、
たった数日の滞在では難しいため、今回はホバート(タスマニア州の州都)周辺のワイナリーをいくつか訪れてみました。
朝一番で訪れたのが、Moorilla Estate モーリラエステートです。(写真はモーリラエステートからの風景)
まずこのワイナリーに到着してビックリしたのが、ゴージャスでモダンなインテリアの素敵なワイナリーだったことです。
オーストラリアの一般的なワイナリーのセラドア(ワインテイスティングを提供してくれるところ)は、
お世辞にも立派な建物とは言いがたく、むしろ’小屋’という言葉がピッタリとくるようなところがほとんどです。
まあ、またそれがカントリー気分を満喫出来て、よいのですが…。
しかし、モーリラのセラドアは何とも豪華!
スケルトンのモダンな2階建ての建物内に、レストラン、セラドア等が入っており、
同じ敷地内には、これまたオシャレなインテリアの宿泊施設まで整えていました。
ワインは、タスマニアらしく、リースリング、ソーヴィニオンブラン、シャルドネ等の白ワインと、
お値段の異なるピノノワール(赤ワイン)2種類をテイスティングさせてもらいました。
どのワインもおいしかったのですが、特に感銘を受けたのは、リースリングでした。
通常白ワインを購入することのめったにない私ですが、ここのリースリングにはただ純粋に感動し、
思わず購入してしまいました。
リースリング特有のアロマ(花の香り、トロピカルフルーツ、シトラス)等の香りが実に豊かで、
かといって、いやらしく強すぎることもなく、とても心地のよいワインでした。
モーリラは、残念ながら、日本にはまだ紹介されていないようですね。
しかし、オーストラリアでは有名なタスマニアのワイナリーなので、日本へ紹介されるのも、
そう遠い将来のことではないのでしょう。
次に訪れたのは、Stefano Lubiana ステファノ ルビアーナです。
このワイナリーは、日本へも紹介されており、HP内にも日本語ページを設けるなど、
なかなか大手を感じさせるワイナリーでした。
しかも、ステファノ ルビアーナといえば、オーストラリアでは、高級ワインを生産するタスマニアの有名ワイナリーなので、訪れてみたい憧れのワイナリーの一つでした。
勝手なイメージと、上品でクラシカルなラベルのイメージから、さぞかし立派なシャトー?を構えているワイナリーに違いない!という大きな期待感を持って向かってみました。
道標識をもとに、道なき道を走り、着いたところは、なんとなんとただの民家があるだけじゃないですか。
素敵なシャトーはどこ??あこがれのステファノ ルビアーナの姿ってこれ???
とアタフタしていると、オーナーが自宅の横にある小さな工場の扉が開いて手招きしてくれました。
薄暗くて寒ーい工場内に、小さなテーブルが用意されていて、よく見ると、テイスティンググラスやワインなども置いてあるようです。
そうです、あこがれのステファノのセラドアは、なんと工場内に簡易的に設置された小さなテーブルだったのです!
あれ?ワイナリー間違えたかな??なんて不安にもなりましたが、目の前にあるワインは、
まさにあのステファノ ルビアーナのワインなので、間違いはありません。
初めは、工場ということに、衝撃を受けた私ですが、これもいい機会だとオーナーに話をつけ、
ワイン工場を見学させてもらえることになりました。
ちょうど、2006年度メルローの瓶詰め真っ最中で、空のボトルの消毒、ワイン注入、コルク挿入、そしてラベル張りまでの一連の作業を実際に見ることが出来、
ワインを勉強している私にとって、とても勉強になりました。
セラドア訪問の結果、シャトーを持っている憧れのワイナリーのイメージは崩れ去りましたが、
やはり、質はシャトー級のおいしさだと改めて実感できました。
この日、最後に訪れたワイナリーは、Pooley Wines プーリーワインズです。
このワイナリーは、オーストラリアワイナリーの典型ともいう’小屋’セラドアでした。
セラドアに入ってまずビックリしたのは、おばあちゃんが出迎えてくれたことでした。
いままでいろいろなセラドアを廻ってきましたが、おばあちゃんが一人で切り盛りしているセラドアは
これが初めてでした。
さらにお歳を聞いてさらにビックリ!なんとなんと、91歳ということです。
プーリーワインズは、小さなブティックワイナリーですが、最近数々の賞を受賞しており、
味はピカイチです。
ここでは、ピノノワールを購入しました。
色は驚くほど淡く、ちょっと濃い目のロゼワインかと思うくらいの綺麗なルビー色です。
香りと味は、その色からは想像できないほど、しっかりとした味で、ベリーの香りやスミレや
マッシュルームなどの複雑味があり、余韻も長く、驚きのおいしさでした。
最高においしいピノに出会い、おばあちゃんからは元気をもらい、2度得した気分になったワイナリーでした。

7/15/2007

タスマニアにピノを飲みに行ってきました!-タスマニア旅行記part1

みなさまお久しぶりです。
マスターの大詰めを迎え、6月はリサーチとテスト勉強に明け暮れて終わってしまいました。
昨日、最終審査が発表され、無事にマスター・オブ・ワインビジネスを7月末に卒業できることとなりました。
今は達成感と安堵感に包まれています。
そんな私は、先日、テスト終了後タスマニアに行ってまいりました。
タスマニアは、オーストラリア大陸の南に位置する小さな島です。
小さいとはいっても、立派にひとつの州として存在しています。
南半球のオーストラリアは、南に行けば行くほど寒い地方になるわけで、
タスマニアも例外なく冷涼な地域です。
夏の気温は20度前後までしか上がらないため、当然のことながら収穫できるブドウの品種は限られます。
白ワインはかなりいろいろな品種がありますが、赤ワインは、ほぼ、ピノノワール一色です。
先日ニュージーランドのピノノワールをお勧めしましたが、タスマニアのピノもなかなかなものです。
通常は、シラーズなどのフルボディ赤ワインしか私は飲まないので、 毎日ピノ漬けになる機会は後にも先にもあまりない機会だととらえ、 毎日ひたすらピノを飲み続けてタスマニアのピノノワールの味を勉強してきました。
当然のことながら、ワイナリーによって味の差はあるものの、簡単に言うと2つにわけられます。

1.ストロベリーのような可愛らしい香りで、お値段も可愛らしいピノ。

2.ストロベリー感に複雑味(ハーブ、お花の香り、土の香りやキノコの香りなど)が加わった高級ピノ。

いろいろとテイスティングした結果、やはりちょっとお値段のはるピノのほうがおいしいなーという結論に

達しましたが、料理の合わせ方によっては、お手ごろピノも悪くないかもしれません。
日本人の女性に、好きなワインのタイプを聞くと、「フルーティーで重くないもの」という答えをよく耳にします。
タスマニアのお手ごろピノは、まさにこの答えにピッタリの赤ワインだと思いました。
ボディは軽く、フルーティー(ストロベリーやチェリーのような甘い香り)で、
アルコール度数もオーストラリアワインにしては驚きの12-13度という低さです。
タスマニアのピノノワールなら、赤ワインの渋さや、ニューワールドワインのアルコール度数の高さが苦手な人でも、気軽に赤ワインを楽しめそうですね♪
次回は、タスマニアで訪れたワイナリーについてご紹介します。

5/16/2007

やっぱりシラーズが好き!


Shirazシラーズは、言わずと知れたオーストラリアを代表するブドウ品種です。
日本でもおなじみの、カベルネソーヴィニオンのようにフルボディの赤ワインです。
原産地はフランスローヌ地方で、フランスでは、シラーズ(フランスではシラーと呼びます)はヴィオニエ(白)と混ぜるのが一般的です。
オーストラリアも、ヴィオニエとブレンドしたタイプもありますが、シラーズ単体のものや、カベルネソーヴィニオンなどとのブレンドが主流です。
「オーストラリアのシラーズ」と言っても、地域(気候)によってまったく異なった表情が現れます。
たとえば、涼しい気候の土地のシラーズは、ブルーベリーやプラムなどのフルーツの香りを、
シナモンなどのスパイスや、ユーカリなどのハーブの香り、樽から生まれるバニラの香りがやさしく包んだワインが生まれます。
バロッサバレーなどの暖かい土地は、スパイスやハーブの香りはやや抑えられ、
プラムやプルーン(ミキプルーンなどの濃厚なまったりしたものを想像してください!)などのフルーツの香りがギュギュギュッと凝縮されたパンチの効いたワインになります。
また、ヴィオニエ(白)とブレンドされたシラーズワインは、プラムやスパイスなどの香りの後に、フッと一瞬’杏’のようなかわいらしい香りがするのが特徴です。
フルボディの赤ワイン好きの友人に言わせると、ヴィオニエブレンドはフェミニンでやわらかな印象で、シラーズの’男らしいパワフルさ’といった特徴にかけるといいますが、私はこのヴィオニエブレンドが結構好きです。
フルボディの赤ワインなのに、ほんのりと最後に香る’杏’の香りは、ホッーとさせてくれる気がします。
赤ワインの中のヴィオニエは、ただ単に、かわいらしさや華やかさがあるだけでなく、強すぎず弱すぎない、凛とした自己主張があり、でもパワフルなシラーズとうまーく融合するのが特徴です。
ちょうど、シラーズヴィオニエは、男性中心の社会でがんばる女性をあらわしているような気がしてたまりません。
毎日忙しく仕事追われる女性のみなさん、シラーズヴィオニエでちょっとリラックスしてみませんか?
自分の存在が再確認でき、きっと、「がんばろう!」って気持ちにさせてくれるはずです。

5/11/2007

GSMって知ってますか?

お久しぶりです。
大学院のプロジェクトが忙しいあまり、更新が遅れていました。。。
GSMと聞いて、何のことだかピンと来た人は、相当のオージーワイン通かもしれません。
GSMというのは、Grenecheグルナッシュ、Shirazシラーズ、Mourvèdreムーヴェールド(マタロ)
をブレンドしたワインのスタイルのことで、その3つの頭文字をとってGSMと呼びます。
割合によって、品種名表記順序が決まるため、GSMの場合は、
グルナッシュの割合が一番多く、次にシラーズ、ムーヴェールドが一番少ないといった具合です。
シラーズが主体のSGMというものもたまに見かけます。
グルナッシュという品種は、もともとフランス生まれの品種です。
シラーズに比べると、ソフトでやわらかな印象のワインになり、
ストロベリーやラズベリーといった可愛らしい香りのものが多いです。
今日おすすめしたいGSMは、TORBRECK(英語読みではトゥーブレックですが、日本ではトルブレックという名で紹介されているようです。)のJuvenilesジュべナイルズです。
「若者」という意味のJuvenileという名前の通り、フレッシュな若いうちに楽しむワインです。
グルナッシュ主体のワインなので、ソフトでやわらかな香りです。
一口ワインを口に含むと、ストロベリージャムのような、甘ーいお菓子(キャンディー)を想像させる香りが口いっぱいに広がって、可愛らしい気分にさせてくれるワインです。
このワインは、赤ワインにしてはめずらしく、樽を使わない製法をとっているため、
樽から抽出される複雑味はなく、純粋にフルーツの香りがフルに楽しめます。
フルーティーではあるものの、基本的に赤ワインはドライ(辛口=甘くない)なので、甘みはありません。
ストロベリーキャンディーのようなあまーい香りなのに、甘くないワイン、試してみたいと思いませんか? ジュべナイルズは、日本でも購入可能のようなので、ぜひぜひお試しください。
赤ワインの渋みが苦手な方でも、GSMならきっと楽しんでもらえると思いますよ。

4/22/2007

ニュージーランドのピノおすすめです!

今日は、オーストラリアのお隣の国、ニュージーランドのワインについてご紹介します。
4月25日は、アンザックデー(ANZAC)という祝日です。
ANZACとは、Australian and New Zealand Army Corporationの略で、イギリスから独立してまもなく、国としてまとまりに欠けていた第一次戦争勃発時、オーストラリアはニュージーランドとの連合軍として戦ったという歴史があります。
そのことを記念し、またその退役軍人を敬う日として始まったアンザックデーですが、現在では第二次大戦、ベトナム戦争の退役軍人をも敬う日となっています。
日本ではあまり知られていないことですが、第二次大戦時、唯一オーストラリアを攻撃したのが日本でした。
アンザックデー前後は、旧日本軍との戦いの番組が特集され、在豪日本人にとってアンザックデーはとても居心地の悪い祝日です。
今は親日家のイメージが強いオーストラリアですが、歴史的な背景から、反日家の人もいるのだということを、この時期は思い知らされます。
などと、前回に引き続き堅いことから始まってしまい、ワインの話題から逸れてしまいましたが、
とにかく、オーストラリアとお隣の国ニュージーランドは、歴史的にも、文化的にも、地理的にも兄弟のような国です。
ニュージーランドはオーストラリアに比べると、緯度が低いため、とても涼しい気候の国です。
南半球は、緯度が低くなるほど南極に近づくわけで、冷涼な気候というわけです。
涼しい気候の土地では、造れるブドウの品種が限られ、ワインのスタイルも軽いタイプのものが多くなります。
ニュージーランドで有名な品種は、ピノノワール(赤)とソーヴィニオンブラン(白)です。
ピノノワールは、一般的に、比較的軽めのボディで、渋みも少なく、色もライトな赤ワインです。
若いピノノワールは、綺麗なルビー色で、ストロベリーやスミレの花のような香りが心地よい華やかなスタイルのワインです。
それに対し、ボトルの中で成熟したピノノワールは、ストロベリーやスミレの花に加えて、トリュフ、マッシュルームやなめし皮などの熟成された香りが加わり、複雑な香りを楽しむ華麗なスタイルに変化します。
色はルビー色から淡いレンガ色(オレンジがかったピンクを想像してください)に変化します。
カベルネソーヴィニオンやシラーズなどの、パワフルな男性系のワインに比べ、繊細で華麗なピノノワールは、よく女性にたとえられます。
若いうちは、ただ単純に華やかな魅力に溢れていて、そして熟成されるにつれて、その華やかさに円熟味が加わり、成熟した華麗な魅力に変わるといった感じでしょうか。
最近ニュージーランド産ピノノワールに出会い、この品種の素晴らしさを再認識しました。
気候の関係上、ピノノワールに関しては、オーストラリアよりもニュージーランドのほうが質が上だと思います。
日本ではまだまだマイナーで、比較的高価なニュージーランド産ワインですが、機会があればぜひお試しください。
そして、ピノのように、私も成熟した華麗な魅力を持った大人の女性になれるよう努力しなければ!と思う次第です。

4/21/2007

地球温暖化とワイン

先週は、オーストラリアはイースター休暇でホリデー気分を満喫していたため、ブログの更新が遅れてしまっていました…。
今年のイースター(キリスト復活祭)は、昨年よりも2週間ほど早かったのですが、驚くほど暖かい(っていうより暑い)イースターを迎えました。
なんと連日30-34度の真夏日だったのです!
南半球のオーストラリアは、イースターを祝うのは秋になります。
昨年のイースターの頃は、もうすでに寒くなり始めていて、イースターセールを利用して温風暖房機を購入したのに、今年はクーラーの中で過ごしました。
ワインだって、本来ならば赤ワインがおいしい季節のはずなのに、イースター休暇中に飲んだワインは、みごとに白ワインのみ!っといった感じです。
これも、地球温暖化現象の一つなのでしょうか…。
干ばつの被害が多発しているオーストラリアでは、地球温暖化のニュースやドキュメンタリー番組が連日放送されています。
オーストラリアワインは、本来ならば灌漑はOKなのですが、ここまで干上がってしまうと、
葡萄よりもまずは人間のための水の確保が重要になるため、
今年はワインの葡萄にまで水が十分にいきわたらなかったようです。
極端に水分が不足しているため、今年の葡萄の出来は不作です。
ただし、この過酷な条件化の中でも、ベリーを実らせた葡萄もあるわけで、
それらは果実味が非常に凝縮しているため、もしかしたら最高のワインが出来るかも?!という期待もあります。
このまま温暖化が進んでしまったら、どうなってしまうのでしょう…。
世界のワイン産地マップに変化があるかもしれないという不安があります。
オーストラリア最高のワイン産地、「バロッサバレー」は、暖かい気候で有名な土地です。
このまま温暖化が進んだ場合、バロッサは暖かいどころか灼熱の土地になってしまうかもしれません。
今でさえ、真夏の日差しは強烈で、灼熱の大地といっても過言ではありません。
その日差しをさんさんと浴びたブドウが、オーストラリアワインのおいしさを支えているのですが、
今以上に灼熱の大地で、ブドウ栽培は無理ではないか…という不安は拭いきれません。
近い将来、ニュージーランド(とても涼しい国です)が、バロッサバレーのようなワインを生み出している可能性も、まったく否定は出来ません。
それから、消費者の好みも変わるかもしれません。
アデレードの春から夏は、カラッと湿度のない心地のよい季節です。
さすがに35度を超えるような超真夏日の日を除き、30度ちょっとくらいまでは、
日陰に入れば爽やかな風が通り、ひんやりとした感じさえします。
このような気候は、ワインを楽しむのにもピッタリなのです。
オーストラリアでも、夏は白ワイン、冬は赤ワイン!という考え方は、日本と同じです。
でも、カラッとした気候だと、30度くらいまでは赤ワインも十分おいしく楽しめるのです。
湿度が高い日本では、ちょっと考えにくいことですよね。
でも、温暖化が進み、毎日が40度くらいの夏になってしまった場合、赤ワインはおろか、白ワインすら飲みたい気がおこらなくなってしまうかもしれません…。
考えると恐ろしいですね。
ワインのためという訳ではありませんが、地球温暖化はなんとしてでも食い止めなければならない大きな課題です。
なんだかちょっと規模が大きすぎて、ここまでくると、ワイン業界の話というより、政府レベルの話になってしまいますね。
とかく日々の生活では忘れてしまいがちですが、温暖化は確実にやってきています。
地球に暮らすひと全員に課せられた大きな課題として、一人ひとりが考えていかなければいけないことだと最近考えさせられます。
とはいっても、スケールの大きな問題すぎて、どこから考えたらよいかわからないという人が多いと思います。
自分に身近なこと、興味のあること(たとえば私ならワイン)を通して、少し地球温暖化について考えてみてください。
きっと身近な問題に感じると思うし、考えなければならない問題だと再認識できるはずです。
イースター明けの第一弾は、ちょっと堅いことを言ってしまいました。。。

4/08/2007

和食は白ワインで!

和食を食べるとき、みなさんはお供は何にしますか?
日本酒?ビール?それとも焼酎??
最近では、創作和食などの店ではワインも置かれるようになりました。
では、お寿司は??
お寿司屋さんでワインを置いてあることは、日本ではまだまだ少ないケースだと思います。
しかし、これが結構あうんです。
どんなワインとも相性がいい訳ではありません。
白ワイン、しかもあまり主張の強くないワインが好いようです。
繊細なお刺身には、繊細なキャラクターのワインを選んでください。
たとえば、オーストラリアワインで選ぶのなら、ソーヴィニオンブラン、ピノグリ(イタリアではピノグリージョと呼びます)等々…。
どちらの品種も樽を使わないので、スッキリとした飲み口が特徴です。
最近、日本で見かけるようになった、国産ブドウ品種の甲州もなかなかよい選択です。
ライトなボディで、ゆずを思わせるような爽やかな香りが和食とベストマッチです。
ところが、キャラクターの強い品種、例えばシャルドネや、フレグランス的な香りのリースリングは、せっかくの和食の繊細さを消してしまうのでNGです。
しかし、お寿司にも例外が一つだけあります。
穴子などの甘いツメがついているものは、煮詰めたツメのほんのり温かい感じと、ツメ特有の甘からさが、シャルドネやリースリングなどとピッタリとあうじゃありませんか。
しかし、この場合、シャルドネは樽を使っていないタイプ(アンオークUnoak)にしてください。
オーク樽を使用したリッチなボディのシャルドネは、さすがにツメのおいしさも消してしまいます。
ちょっとした知識があれば、新しいスタイルのお寿司(和食)がおいしく楽しめますね。

4/05/2007

テイスティングノート VS ポイント

テイスティングノートをご存知でしょうか?
ソムリエやワイン批評家の書いた、ワインテイスティングの感想文です。
赤ワインならば、ラズベリーやブルーベリーなどのベリー系、胡椒やシナモンなどのスパイス、
ミントやユーカリなどのハーブ、ピーマンやマッシュルームなどの野菜(べジタル)、土の香り(アース)、そしてオーク樽から生まれるバニラやチョコレートの香り…など。
白ワインならば、レモンやグレープフルーツなどのシトラス、赤りんごや青りんご、
ピーチやアプリコットなどのストーンフルーツ(果物の真ん中に石のように大きな種がある果物のことを、ストーンフルーツといいます。)、パイナップル、パッションフルーツなどのトロピカルフルーツ、
スミレなどの花、草の香り、ヨーグルトやバターなどの乳製品の香り、
そしてオーク樽の香りはキャラメルやバタースコッチの香りなどと表現されます。
これらのテイスティングノートで使用される言葉は、ワインの特徴を言葉で表現する方法であり、
ワインの評価するための共通語でもあります。
また、テイスティングノートは、ブドウ品種や生産地の特徴を知るキーワードにもなっています。
例えば、スパイスやハーブなどの香りが強い、ミディアムボディの辛口赤ワインがあったとします。
ベリーの香りはそれほど強くはなく、べジタル(野菜)の香りもします。
この場合、スパイスの香りという表現から、ブドウ品種はシラーズが想像できます。
また、べジタルな香りと、ミディアムなボディという点から、比較的冷涼な地区産(たとえばアデレードヒルズなど)ということが読み取れます。
しかし、一般ワイン消費者が、キーワードを元にワインの特徴を理解するのはちょっと難しいですよね。
ましてはテイスティングのキーワードから、品質まで推測するのはかなりの至難の業です。
そこで広く活用されているのが、ポイントやワイン大会メダルを活用したワイン購入です。
オーストラリアワインには、金銀等のメダルが貼ってあることがよくあります。
これは、ワイン大会で優秀な成績を収めた印であって、品質の高さの補償でもあります。
そのようなワイン大会は、オーストラリア国内において、年間いくつも開催され、
その大会ごとにメダルが存在します。
また、ロバート・パーカーやワインスペクテイターのポイント(点数)を目安に、
ワインを購入という手もあります。
「ロバート・パーカー90ポイント!この味でこの値段は驚異的!」などのうたい文句をつけて
売り出されているワインを見たことがあると思います。
私の経験上、どんなにリーズナブルなお値段のワインでも、パーカーやワインスペクテイターで
90ポイント以上をとったワインでマズかった経験は一度もありません。
決してポイントやメダルだけが、高品質ワインの見分け方だとは思いませんし、おすすめはしません。
ただ、点数評価されることにより、一目瞭然で誰にでもわかりやすいシステムであることには間違いありません。
まだどのようにワインを買ったらよいか分からない方は、ポイントやメダルを目安に購入されるところから始めてみてはいかがですか?
そしてゆくゆくは、テイスティングのコメントから、ワインの特徴をを想像し、おいしい一本を見つけ出してください。
テイスティングのコメントを理解できるようになると、自分の好みのワインを探す手段となるので、
ワイン購入がとても楽しくなると思いますよ。

4/04/2007

お花見にはピンクのワインをどうぞ!


日本の桜の美しさは、地球の反対側のオーストラリアでも有名です。
やわらかで上品なピンクの桜色に染まる景色は、日本人でなくても誰もがうっとりする光景なのです。
一年に一度しかない、桜が綺麗なこの時期は、せっかくなので、桜色(ピンク)のワインを楽しみたいものです。
ピンクのワインといえば、ロゼワインです。
ロゼの造り方は、2通りあります。
1つは、黒ブドウから赤ワインと同じ製法で造る方法。
ブドウの皮とジュースの接触時間を少なくすることによって、きれいなピンク色に仕上げる方法です。
接触時間を減らせば極々淡い色に、時間を増やせばクリアな赤に近いロゼワインになります。
2つ目は、赤ワインと白ワインを混ぜて、ピンクのワインを造るという方法です。
赤ワインと白ワインの影に隠れて、常に日陰の存在のロゼワインですが、
近頃世界のワインマーケットでは、ロゼワインはちょっとした人気です。
オーストラリアワイン業界も、この影響に反映されてか(?)、多くのワイナリーでロゼを造っています。
一言で’ロゼワイン’といっても、淡いピンクからビビッドなピンクまで色が豊富で、
味も辛口から甘口まで、それぞれのワイナリーの個性が一番反映されるワインだともいえます。
オーストラリアでは一般的に、辛口ライトボディ(淡い色)のロゼはシーフードに、
辛口フルボディ(ビビッドピンク)のロゼは、ピザやパスタなどのちょっとヘビーな食事と、
中甘口のロゼは、タイやベトナム、中華料理などのエスニック料理と相性がよいといわれています。
エスニック料理の特徴である、辛甘酸っぱい味やスパイスと、中甘口のロゼはベストマッチです。
デパ地下で、エスニック料理やピザをテイクアウトして、ロゼワインといっしょに気軽に近くの公園に繰り出してみてはいかがですか?
いつものお花見とは一味違ったお花見を、これからの定番にしてもらえたらうれしいです。

4/02/2007

ヴィオニエブーム到来?!


ヴィオニエViognier(白)というブドウ品種をご存知ですか?
もともとフランスのローヌ地方の特産品で、ローヌでは、古くから力強いシラーズ(赤)に混ぜる脇役的役割をしていた品種です。
今では、ローヌでも他のニューワールド諸国でも、ヴィオニエ本来のキャラクターが
見直され、 ヴィオニエ単体の白ワインもかなり見かけるようになりました。
そのヴィオニエが、ブームの兆しを見せているという記事を、
先日新聞で見かけました。
ヴィオニエの特徴は、マイルドな酸と豊かな芳香が魅力のワインです。
一般的な香りと味の特徴は、トロピカルフルーツ、ライチ、ムスクなどの芳香などの香りに、
まったりとしたなめらかな口当たりで、杏や桃の味が口いっぱいに広がります。
通常、ブドウは熟すにしたがって、酸度が減り、それにともない糖度が増します。
つまり、もともとマイルドな酸のヴィオニエは、完熟ブドウでワインを造ると、酸味の足りない間が抜けたワインになりかねないので、完熟前の収穫が理想とされています。
早期収穫により、適度な酸度が保たれ、バランスのよいワインに仕上がるのです。
また、ボトル内での熟成が早いため、飲み頃は、1-3年と早く飲んでしまったほうがよい品種です。
先日紹介したソーヴィニオンブランは爽やかなイメージのワインだったのに比べ、
ヴィオニエは芳潤なマダムのようなワインだとイメージしてみてください。
長くワインを寝かさなくても、早い時期に熟成ワインを楽しめるヴィオニエで、
優雅なひと時を味わってみてはいかがですか?

3/24/2007

クリーンスキンワイン


近頃、オーストラリアではClean Skinなるワインをよく目にするようになりました。
クリーンスキンとは、メーカーのラベルやマークなどパッケージやマーケティングコストを削減して、よりリーズナブルなワインを消費者に届けることを目的としたワインのことです。
ワインボトルには、必要最小限の情報(ぶとうの種類、アルコール度数など)のみが
印刷されたシールがぺラっと一枚ついているのみのシンプルなボトルです。
スキン(ボトルの外見)がクリーン(何も無い)だから、「クリーンスキン」と呼ばれるのです。
当然のことながら、使われているブドウは大量生産された安ワイン向けのものがほとんどです。
しかし、近年のオーバーサプライが影響し、本来ならば高級ワインに入るはすのワインがクリーンスキンに入っていると巷ではささやかれています。
オーストラリアワイン業界は、近年ブドウのオーバーサプライに悩まされています。
ダブついているブドウの価格は年々低下していて、廃棄するよりも少しでも利益を上げる対策として生まれたのがクリーンスキンワインなのです。
ほとんどのクリーンスキンは、見た目にはエレガントさはなく、魅力には欠けるのですが、
日常家庭で楽しむのには申し分ない味と香りのワインです。
確実に言えることは、オーストラリアのクリーンスキンワインは、東京のレストランや小洒落た居酒屋で頼む’ハウスワイン’と名乗る安ワインより、はるかに満足度は高い味に出会えるということです。
ソフトドリンク並みの値段なので、輸出することは採算にあわないということ、
また家庭消費用に造られたワインなので、オーストラリア国外に輸出するほどの”オーストラリア”代表になるような商品ではない(というかしたくない…)ということなどが考えられるため、
残念ながら日本でお目にかかることはほとんどないかもしれません…。
でも、たったAU$2-10(200-1000円前後)で、プレミアムクラスのワインに出会えるかもしれないという夢を与えてくれるクリーンスキンの存在は、ワイン界の宝くじのような存在といえるのではないでしょうか。

3/21/2007

Importance of wine's region of origins

今学期で大学院卒業予定の私は、Master of Wine Business集大成ともいうべき
プロジェクトに取り組んでいます。
オーストラリアにおけるワイン産地名の重要性について。
まだまだプロジェクトが始まったばかりで答えは出ていないのですが、
いろいろと気づかされることがたくさんあります。
ワインの本家本元フランスでは、AOC(原産地統制呼称)という制度によって格付けされ、
最高格付けのAOC格付けワインのみが産地名を名乗ることができます。
さらに、ボルドーやブルゴーニュなどの有名産地では、村の名前、畑の名までが
重要になってくるのです。
つまり、フランスワインにとって、産地名はクォリティの証であって、それにともない値段も比例します。
ワイン産地名は非常に重要なものであって、消費者に大きな影響を及ぼすものである
ということがいえます。
しかし、オーストラリアをはじめとしたニューワールド諸国(アメリカ、オーストラリア、チリ、南アフリカなど)では産地名はあくまで産地名でしかなく、フランスの様な格付けは基本的には存在しません。
フランスワインのラベルをまじまじと見たことはありますか?
当然フランス語で書かれているので、解読は難しいことなのですが、
そこにはぶどう品種名などの基本的な製品情報はまったく見つかりません。
ただただ生産地区の名、村の名や畑の名があるのみです。
しかもこの名前、事前に知識が無い限り、たとえフランス語が読めたとしても、地区なのか村なのか畑なのかまったく検討もつきません。
しかもブドウ品種名も書いてない…。
となれば、極端に言えば赤ワインか白ワインかすらわからないという事態に陥りかねません。
消費者に対してなんて冷たい対応なのでしょう…。
この歴史と階級制度の重圧に押さえつけられているフランス方式に対し、
オーストラリアワインなどニューワールドワインは、ブドウ品種名が主体のラベルになります。
ブドウ品種名、ヴィンテージ(生産年)、産地名がラベルに表示され、ワイン初心者にもわかりやすいワインなのです。
消費者思いのやさしい商品ですね。
では、オーストラリアでは産地名や生産地区名は重要ではないのでしょうか?
答えはNo!!!
多くのオーストラリア人ワイン消費者は、産地名から想像できる得意のぶどう品種をステレオタイプ的に記憶している傾向があります。
たとえば、バロッサバレー=シラーズ、クレアバレー=リースリング、アデレードヒルズ=ソーヴィニオンブラン、クーナワラ=カベルネ・ソーヴィニオンなどなど…。
フランスの様な産地名による格付けはないものの、やはり産地名は、オーストラリアでも大きく消費者購買行動に影響しているようだというのが、現時点での私の見解です。
どのようなときに、どのような場面で影響をうけるのか、今後のリサーチ次第でどのような答えが見つかるかが楽しみです。

ワイン批評家の影響度


オージーは"Made in Australia"という言葉が大好きです。
とにかく何から何までオーストラリア産にこだわっていて、オーストラリア産に命を掛けている(?)"Made in Australia"品のみを扱うスーパーマーケットが、
シドニー近郊にオープンしたというニュースが先日TVで紹介されていました。
このスーパーは、オーストラリア企業商品専門店という意味だけではなく、
本当にオーストラリアの大地で作られたものだけが店頭にならぶらしいのです。
たとえば、オーストラリアのメジャーポテトチップスメーカーは、工場が中国にあるため、その時点で"Made in China"になるからアウト!といった具合です。
当然、そんなオージーたちのの選ぶワインは、オーストラリアワイン!
というのは言うまでもありません。
ロバート・パーカー氏Robert M. Parker, Jr.は世界でもっとも影響力のあるワイン批評家といわれているアメリカ人です。
世界のワインマーケットは彼の点数ひとつで動くといっても過言ではありません。
パーカーは、オーストラリアワインマーケットにとっても大きな影響力を及ぼす人物ということには
変わらないのですが、オーストラリアには、パーカー以上に影響力を持つ"Made in Australia"な人物がいるのです。
その人物こそ、 ジェイムズ・ハリデイ氏James Hallidayです。
先日、ワインショップでおもしろい出来事がありました。
その日はめずらしくVIC(ヴィクトリア州)産Heathcote Estateのワインを探していました。
ここの2004年シラーズが、つい最近アメリカのワイン雑誌Wine Spectatorで高い評価受けていたので、2004年モノを探していました。
しかし棚にあるのは2003ばかり…。
きっと2004年は2003年のストックがなくなりしだい出てくるのだろうと思い、後日店に戻ってみるとやはり2003年ばかりが店頭に並んではありませんか…。
確か2003年もアメリカでの評価は決して低いものではなかったし、Wine Spectatorで毎年なかなかの評価を受けているワイナリーなのになぜだろう…。
不思議に思い店員に尋ねたところ、2004年は完売したとの回答が帰ってきたではありませんか。
理由を聞いてみて納得させられました。
Heathcote Estate 2004 Shirazを、ジェイムズ・ハリディ氏が2006年度おすすめ100選に選んだことが理由だというではありませんか。
アメリカ人によって評価されたオーストラリアワインではなく、
オーストラリア人によって評価されたオーストラリアワインになってこそ、
オーストラリア人にとって真の"Made in Australia"ワインということなのかもしれない、
と気づかされた瞬間でした。

3/19/2007

アデレードヒルズ


今日は、昨日紹介したLong View Vineyardのあるアデレードヒルズ地区について紹介したいと思います。
アデレードヒルズは、南オーストラリア州都アデレードから車でわずか20-30分の場所にあり、その手軽さから、
アデレーディアンの多くが一度は訪れたことのあるワイン産地だといわれています。
にもかかわらず、バロッサなどの有名地に比べると知名度の低いため、日本人旅行者にはまだ馴染みの薄い土地かもしれません。
日本の旅行会社の主催するオプショナルツアーにも、
バロッサバレーのワイナリーを巡るツアーはあるようですが、残念ながらアデレードヒルズはないようです…。
全体訪問者数もまだまだ少ないので、週末だけセラードア(テイスティングルーム)をオープンしているワイナリーも少なくありません。
いくつかのワイナリーでは、週末のみランチやブランチを楽しむことができて、有名ワイナリーはかなり早くから予約を入れなければ席が取れないほどの人気ぶりです。
広大なヴィニヤード(ブドウ畑)を見ながらのオープンテラスで楽しむ食事とワインは、普段よりも一味も二味も違います。
ワイナリー併設のレストランは、レベルの高い(?)食事(AU$30-80とかなりお高め…)が楽しめます。
しかし、オープンテラスの屋外での食事は、室内レストランの食事の様な形式ばったよそよそしさはなく、カジュアルな服装、気分で最高級クラスの食事とサービスが楽しめます。
カジュアルな服装で最高級のレストラン、ちょっとしたセレブの休日が味わえます。
個々のワイナリーやレストランについては追って紹介する予定ですが、
アデレードヒルズには、ワイナリー以外にもHahndorfハーンドルフというドイツ村もあって、
ここではドイツの田舎町の町並みが続き、おとぎの国に迷い込んだようなカワイイ店に出会えます。
ジャーマンビアパブでは、本場ドイツビールと本格的ソーセージやシュニッツェルなどが楽しめます。
週末や休日は、アコーディオン弾きのおじさんなども現れ、ドイツ色がさらに高まるので、
週末の訪問がおすすめです。
開放的な空の下でのおいしいワインとビール、アデレードヒルズは酒飲みにとってのパラダイスかもしれません。
Access: アデレード市内よりGlen Osmond Roadを経由しSouth Eastern Freewayで20-30分。

3/18/2007

暑い日の午後に飲みたいワイン

                                                                            アデレードはそろそろ夏が終わろうとしています。
今年の夏もたくさんのワインを飲みましたが、暑い日のランチや午後のLazyな時間にピッタリのワインがソーヴィニオンブラン種のワインです。
アデレード近郊のアデレードヒルズ地区はソーヴィニオンブランが
おいしいと有名な地区です。
アデレードヒルズは、名前のとおり丘の上に位置する比較的冷涼な気候の
地区で、この冷涼な気候がおいしいソーヴィニオンブランを育てるのです。
フランスのソーヴィニオンブランに親しみのある人は、
酸度が高く、草の香りのするワインというイメージがあると思いますが、
オーストラリアのソーヴィニオンブランはちょっと違います。
冷涼とはいえ、フランスにはない強烈な日光を燦々と浴びて育ったブドウから作ったワインは、酸度はやはりとても高いものの、
パッションフルーツやパイナップルなどのトロピカルフルーツの香り豊かな
スタイルになるのです。
グレープフルーツやレモンなどのシトラスの香りも加わって、
キリリッと冷やしたワインは、暑い夏の午後を心地よい時間に変えること
間違いありません。
ソーヴィニオンブランは、オーク樽を使用しない製法(ステンレスタンクで造られます)のため、夏にはちょっと重く感じがちなオーク樽から抽出される              バニラやキャラメルなどの香りは一切ないワインです。純粋に、トロピカルフルーツやシトラスなど
フルーティーな味を楽しみたい時におすすめの一本です。                               
今日の一本:LONG VIEW Whippet Sauvignon Blanc 2006
        Alcohol 13%
Tasting note: パッションフルーツ、グリーンアップル、シトラス。心地よいフルーティーの香りを高い酸味とグラッシーさ(草の香り)がソフトに包み、食事を邪魔しない白ワイン。