3/21/2007

Importance of wine's region of origins

今学期で大学院卒業予定の私は、Master of Wine Business集大成ともいうべき
プロジェクトに取り組んでいます。
オーストラリアにおけるワイン産地名の重要性について。
まだまだプロジェクトが始まったばかりで答えは出ていないのですが、
いろいろと気づかされることがたくさんあります。
ワインの本家本元フランスでは、AOC(原産地統制呼称)という制度によって格付けされ、
最高格付けのAOC格付けワインのみが産地名を名乗ることができます。
さらに、ボルドーやブルゴーニュなどの有名産地では、村の名前、畑の名までが
重要になってくるのです。
つまり、フランスワインにとって、産地名はクォリティの証であって、それにともない値段も比例します。
ワイン産地名は非常に重要なものであって、消費者に大きな影響を及ぼすものである
ということがいえます。
しかし、オーストラリアをはじめとしたニューワールド諸国(アメリカ、オーストラリア、チリ、南アフリカなど)では産地名はあくまで産地名でしかなく、フランスの様な格付けは基本的には存在しません。
フランスワインのラベルをまじまじと見たことはありますか?
当然フランス語で書かれているので、解読は難しいことなのですが、
そこにはぶどう品種名などの基本的な製品情報はまったく見つかりません。
ただただ生産地区の名、村の名や畑の名があるのみです。
しかもこの名前、事前に知識が無い限り、たとえフランス語が読めたとしても、地区なのか村なのか畑なのかまったく検討もつきません。
しかもブドウ品種名も書いてない…。
となれば、極端に言えば赤ワインか白ワインかすらわからないという事態に陥りかねません。
消費者に対してなんて冷たい対応なのでしょう…。
この歴史と階級制度の重圧に押さえつけられているフランス方式に対し、
オーストラリアワインなどニューワールドワインは、ブドウ品種名が主体のラベルになります。
ブドウ品種名、ヴィンテージ(生産年)、産地名がラベルに表示され、ワイン初心者にもわかりやすいワインなのです。
消費者思いのやさしい商品ですね。
では、オーストラリアでは産地名や生産地区名は重要ではないのでしょうか?
答えはNo!!!
多くのオーストラリア人ワイン消費者は、産地名から想像できる得意のぶどう品種をステレオタイプ的に記憶している傾向があります。
たとえば、バロッサバレー=シラーズ、クレアバレー=リースリング、アデレードヒルズ=ソーヴィニオンブラン、クーナワラ=カベルネ・ソーヴィニオンなどなど…。
フランスの様な産地名による格付けはないものの、やはり産地名は、オーストラリアでも大きく消費者購買行動に影響しているようだというのが、現時点での私の見解です。
どのようなときに、どのような場面で影響をうけるのか、今後のリサーチ次第でどのような答えが見つかるかが楽しみです。

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