5/31/2009

オーストラリアの”ホテル”とは



こんにちは。
今週のアデレードは、Pink,Pussycat Dolls そして Lady GAGAと3組の歌姫たちがアメリカから次々と来日し、とても忙しい週でした。
そして、金曜日にPussycat DollsがICONSに来店したんです。
残念ながら私は会えませんでしたが、同僚によると普通の女の子たちだったとか。
うーん、会えなくて残念!
ところで、話は変わりますが、オーストラリアでは、街のあちらこちらに「HOTEL」という看板を見かけます。
みなさんは、このホテルはどんなところか知ってますか?
実は、オーストラリアでは、イングリッシュパブ(バー)のことを総称して、ホテルと呼ぶんです。
知らないと、この国は、ずいぶんと宿泊施設が多いんだなーって勘違いしてしまうところですよね。
では、オーストラリアでは、なぜパブのことをホテルと呼ぶか。
19世紀の終わりの開拓時代、オーストラリアでは、お酒の販売に時間制限が設けられていました。
お酒は、パブやバーでは、夕方までしか売りませんよ、という法律です。
でも、宿泊施設のある場所、つまりホテルでは、時間制限なくお酒の販売が許可されていました。
そこで、考え出されたのは、どのパブも、2階部分に宿泊施設をつくり、「HOTEL」という看板の元、夜遅くまでお酒を販売できるようにしたのです。
この法律は、今では廃止されていますが、その名残として、今もオーストラリアでは、パブのことをホテルと呼んでいます。
みなさんは、パブってどんなところがご存知ですか?
客層は男性中心で、80%の人がビールの飲んでいる、立ち飲み酒場です。
店内のTVスクリーンでは、かなりの確率でフッティー(オーストラリアンフットボール)かクリケットの試合が放映されています。
店内には、女性もたくさんいますが、女性同士でちょっと気軽に入るのは、ちょっと引いてしまいますよね。
おしゃれ感に欠けるし、のんびりできる雰囲気でもないし…。
でも、最近、多くのホテルが、店内をリニューアルして、女性にも入りやすい雰囲気に変わりつつあるんです。
多くのホテルは、店内が明るくなって、インテリアや家具もスタイリッシュなものに変わり、店内にはソファがあってのんびりとおしゃべりできる空間があったりと、女性好みなスタイルに変わりつつあります。
以前はビール中心だったメニューも、最近ではワインリストもなかなかのものですよ。
私自身も、ワインエイジェントとしてワイン営業に出かけるときは、レストランやカフェ以外にもホテルにもよく顔をだします。
レストランと違うところは、のんびり出来るようになったとはいっても、やはりホテル(パブ)ですから、グラス1-2杯でさっさと帰る人がほとんどなので、ホテルで売られているワインは、ボトルワインではなく、ほとんどがグラスワインです。
ちょっといいワインが、気軽に1杯づつ頼める、オーストラリアの新しいホテルのこのスタイル、私はなかなか好きです。

5/25/2009

ただいまワインセール開催中!


こんにちは。

景気低迷、インフルエンザなど、近頃あまり明るい話題がないですよね。
オーストラリアワイン業界も、この景気低迷によって、今年は20%のビジネス縮小が予測されています。
来年度のヴィンテージ(2010)は、ビジネス的観点から言うと、過去20年で最悪の年になるそうです。
多くのワイナリーは、自社の畑を売りに出していたり、人気のない不経済な品種を人気品種に植え替えたり、様々なビジネス縮小プランを打ち出しています。
たとえば、世界的には人気品種メルローは、オーストラリアではあまり人気がありません。
さらに、主要輸出市場(イギリス、アメリカ)の規模縮小も影響し、メルローはまったく売れる気配が見えなくなってきたのです。
マクラーレンベールのあるワイナリーでは、メルローからグルナッシュに植え替えるそうです。
グルナッシュは、日本では、メルローに比べるとあまり有名な品種ではありませんが、オーストラリアではとても人気のある品種です。
果実味があふれ、シラーズほどタンニン(渋み)は強くないのが特徴で、シラーズなどとのブレンドされることも多いです。
あまり明るい話題がないオーストラリアワイン業界ですが、消費者にとっては朗報が新聞に載っていました。
質の高いワインが、値崩れを起こしているそうです。
2004、2005、2006年ヴィンテージは、輸出市場拡大を見込んで生産量を増やしていました。
しかし、昨今の世界的な経済危機により、主な輸出市場であるイギリス、アメリカ、カナダへの輸出量が減少し、オーストラリア国内に多くのワインが残るという現象が起こっています。
その在庫整理(処分)をするため、多くのワイナリーが、破格の値段で質の高いワインをオーストラリア市場に放出しました。
すべてのワインが安くなったということではありませんが、一部の質の高いワインが低価格ワインと同じような値段の$10前後で売られているんです。
たとえば、昨年$42で売られていたワインが、今年は$25に価格修正したというワイナリーもあるそうです。
私の好きなワイナリーのひとつである、バロッサのトレバージョーンズTrevor Jonesの、低価格ワインラインBoots Shirazは、昨年より$4安い$11前後で店頭で売られています。
消費者にとっては、またとない「ワインゴールデンタイム」がやってきたんです。
しかし、このゴールデンタイムはそう長くは続かないそうです。
2007,2008,2009年ヴィンテージは、生産量を減らしているため、このような在庫があふれることはないからだそうです。
2007年ヴィンテージからは、価格が元に戻るとは言っても、カリフォルニアワインなどに比べれば、オーストラリアワインは、質に対する価格がまだまだ安く、非常にお買い得なワインだと言えるでしょう。
日本のみなさーん、オーストラリアにワインを買いに来るには、今年がお勧めですよ!

5/17/2009

”おひとり様”歓迎!!

みなさまこんにちは。

日本はGW明けの始めての週末を迎えているのでしょうか。
アデレードは、GWはまったく関係ないので、いつもどおりの週末を迎えています。
ご存知のように、私の働いているワインショップ兼ワインバー「ICONS」(上記写真)は、アデレード空港内にあります。
どこでも同じですが、週末は、当然のことながら、バーカウンターが特に混雑します。
毎週金曜日の夕方16-19時は、ワイナリーから作り手を招いて、ワインテイスティングも開かれるため、店内は、ワイングラス片手にワインやグルメ商品を物色する人、カウンターでグラスワインとグルメorチーズプラターを楽しむ人などで、あふれかえります。
空港という場所柄、旅行帰りのカップル、出張帰りのビジネスマンひとりというケースはよくあるのですが、最近の傾向としては、女性ひとりでの来店というのが多く目につきます。
中には物好きな人もいて、アデレードに住んでいるのに、グラスワインとプラターを楽しむだけに、わざわざ空港にいらっしゃるというお客さまもいます。
明るい店内で、厳選されたサウスオーストラリア産のグルメとワインを、ひとりで気軽に楽しめる雰囲気が好きだということでした。
確かに、明るい店内なので、ワインとチーズを楽しみながら、読書やインターネットをしている人を、よく見かけます。
読書やインターネットって、なんだかカフェ感覚ですよね。
ひとりでバーに入って、ワインを注文するというのは、女性にはちょっと勇気のいることです。
いわゆる、”おひとり様”ってやつですね。
ちなみに、私は、いまだかつてひとりでバーに訪れたことはありません。。。
カフェに入る感覚で、女性ひとりでも、気軽にワインを楽しめる環境の明るい店だったら、まあ私も”おひとり様”してみてもいいかなーって思います。
まさに、ICONSは、そんな女性にやさしいバー環境の整った店なんです。
おもしろいのは、男性のお客様は、グラスワインだけを楽しむ人が多いのに対して、女性のお客様は、グラスワインとグルメorチーズプラターをいっしょに楽しむ方が多いんです。
ちょっと軽めの”ひとりディナー”を優雅に楽しんでいるのでしょうかね。
日本にも、女性ひとりで気軽に入れるバーがあるといいんだけどなー。
どなたかいい情報持っているからがいたら、ぜひご連絡ください。

5/09/2009

スーパーバッグ禁止令










先週に引き続き、今週もエコロジーネタです。
アデレードのあるサウスオーストラリア州では、先週の月曜日から、スーパーマーケットなどのビニール製のスーパー袋が、完全に廃止になりました。
スーパー袋の完全廃止は、オーストラリアでも、サウスオーストラリア州の例が始めてです。
それにともなり、消費者は、必然的に、エコショッピングバッグ、通称”グリーンバッグ”(写真上右)を持参する、もしくは店頭で購入(1枚99セント)しなければならなくなりました。
エコ文化が浸透しているオーストラリアでは、グリーンバッグを持参しての買い物は、今やあたりまえのことになっているものの、やはり完全廃止となると、消費者は少し戸惑いを隠せませんでした。
サザエさんみたいに、財布を忘れて買い物に行くことはありませんが、うっかり買いものかごを忘れて買い物に行くことは、愉快でも何でもなく、よくあるものです。
もしくは、たまたま立ち寄って買うことだってあるわけです。
でもこれからは、うっかりしてしまうと、スーパーで余分なお金を支払わなければならなくなりました。
ワインだって、同じです。
ワイン専門店は例外ですが、スーパーマーケットなどの経営する酒屋チェーンは、エコバッグ持参で行くんです。
大手スーパーマーケット「ウールワースWoolworth」が経営する、リカーショップ「ウールワースリカー」では、スーパーマーケットのグリーンバッグ同様に、ワイン用のグリーンバッグを販売しています。(写真上左)
これは、グリーンバッグと基本的には同じデザインのエコバッグに、ワインを6本入れるための仕切りがあり、持ち手も長くつくられています。
そのため、バッグを肩掛けして持つことが出来、重いワインでも、比較的楽に持ち運びが可能です。
これはなかなか便利なバッグですよ。
ワインボトル6本、約7kgを、ダンボールに入れて持ち運ぶとなると、かなり至難の業です。
でも、丈夫な肩掛けバッグなら、女性でもラクラクと持ち運べます。
でもやっぱり重いけど…。
値段も、1つ2ドル前後と、お値段的にもなかなかエコです。
エコバッグ持参は、日本でもかなり浸透してきていると聞いています。
近い将来、日本でも、ワイン用エコバッグを持参してワインを買いに行く日がやってくるかもしれませんね。

5/05/2009

エコロジーなワイン


こんにちは。昨日の、アデレードの地元紙「Advertiser」に、興味深い記事が出ていました。

日本でもおなじみのウルフブラスWOLF BLASSから、環境にやさしい、ペットボトル入りの750mlワインが、来週の月曜日に発売されるそうです。
その名も「グリーンラベル」Gleen Labelです。
ウルフブラスは、価格帯を分ける方法として、低価格帯のイエローラベルや、プレミアムレンジのブラックラベル、シルバーレベルなど、色分けをしてきたワイナリーなので、このグリーンラベルというネーミングはなかなかおもしろいと思いました。
どのように環境にやさしいかというと、
①ペットボトルは、通常のガラスのボトルよりも、ワインを生産するにあたり、29%グリーンハウスガスを減らすことが出来る。
②ペットボトルにすることにより、36%の軽量化に成功。
⇒流通時に発生するグリーンハウスガスを減らすことが出来る。
③100%リサイクル可能。
地球温暖化が話題にされる昨今、グリーンハウスガスを減らすことに成功したという実例は、ワイン産業のみならず、他産業にも少なからずとも影響をあたえるでしょう。(っていうか、影響受けて欲しいです!)
他のワイナリーでも、187mlサイズのミニペットボトルワインは発売されていますが、750mlフルボトルサイズのペットボトルワインは、ウルフブラスが初めてだそうです。
ウルフブラスは、品質と味に関して、ペットボトルになってもガラスボトルと同じことを保障しています。
また、ガラス瓶破損のリスクが減ることも、利点としてあげていて、ガラス瓶が適さない場所(たとえばピクニックとかバーベキューとか屋外のイベント?)での活躍も期待されます。
価格は、赤白ともに、$17.00小売希望価格とのことです。
クオリティー的にはイエローラベルランクということでしょうね。
ただ、ひとつ気がかりな点は、商品保存期間は、12ヶ月ということです。
やっぱり、ペットボトルでは、長期熟成などは出来ないということですね。
まあ、早飲み用ワインとして楽しむワインという位置づけなら、まったく問題なく受け入れられそうです。
アンケートによると、90%以上の消費者が、この商品を支持しているそうです。
環境問題に、真剣に取り組むオーストラリアならではの結果だといえます。
いままでになかったこの画期的なアイディアは、世界市場ではどのように受け入れられることでしょうか。