9/25/2007

ロイヤルアデレードショー


みなさま、ご無沙汰しておりました。
ただいま、2週間のセメスター休暇に入っています。
この2週間を利用して、日本から母がワインを楽しみにアデレードにやってきたので、
毎日ツアーガイドで忙しくしていましたが、本日無事帰路についたので、
本日よりブログを大急ぎで再開です。
9月のオーストラリアは、季節は春です。
まだまだ肌寒い日もありますが、暖かい日は初夏を思わせるような日もあり、
ちょうど日本のゴールデンウィークくらいの気候だと思ってもらえればよいかもしれません。
その春の訪れを告げるイベント、’ロイヤルアデレードショー’が、今年も9月の初旬から中旬にかけて、開かれました。
もともとは、農業祭(?)からスタートしたこの催しは、乳牛、牛肉、豚肉などの家畜農家、野菜や果物農家、そしてワイナリー(葡萄農家+ワイン醸造業)の方々と、一般消費者との交流の場であり、
また、コンテストなどを通して、農家の方々のモチベーションを上げる(活気付ける)場でもあります。
現在では、さまざまな食品会社の商品紹介(この試食が楽しいんですよねー!)などもあります。
そのほかでは、移動遊園地なども開催され、大人から子供まで、アデレーディアンたちにとっての、
1年に一回のお楽しみとなってます。
1年に1回のお楽しみ、つまり、アデレーディアンたちは1年に1度しか遊園地を見ることはないってことですね…。
さてさて、そのロイヤルアデレードショーの催しの中で、母と私が一番楽しみにしていたものが、
'CELLAR DOOR EXPERIENCE'(セラドアー エクスペリエンス)です。
その名のとおり、セラドアー(ワイナリーのテイスティングルーム)体験です。
このパビリオンでは、本格的ワインテイスティングを、ワイン専門家とともに行うというもので、
もちろん入場料はタダ!
私たちお客さんは、昼からタダでワインをテイスティングできる(飲める!?)ということから、
行列の出来る人気パビリオンでした。
ワイナリー側にとっては、自社のワインのプロモーションの場であり、またワインのおもしろさ、
すばらしさを知ってもらう絶好の場でもあります。
この日参加したのは、基本白ワイン4品種の回です。
リースリング、ソービニオンブラン、セミヨン、シャルドネの4種です。
ワインテイスティングの基本として、ボディの軽いものから重いものの順にテイスティングをしていきます。
ボディの重いものからテイスティングしてしまうと、口の中にその強い香りが残ってしまい、
ボディの軽いワインの味がわからなくなってしまうからです。
今回のテイスティングの順番は、リースリング、ソービニオンブラン、シャルドネの順でした。
リースリングとソービニオンブランは、樽を使わないスッキリとした軽いボディなので、
通常、テイスティングを行う場合、一番初めにスタートすることが多いです。
まず、初めに、グラスをやや傾けて、ワインの色を見ます。
このとき、バックに白いもの(白い紙等)があると、色が認識しやすいです。
たとえば、樽を使わないリースリングやソービニオンブランの場合、色が薄く、
限りなく無職透明に近い、極々淡ーいグリーンやレモン色をしています。
それに引き換え、樽の中でじっくりと熟成され、樽からの色と香りがしっかりと抽出された
シャルドネの場合、輝くようなゴールデンイエローをしています。
色を確認できたら、次は香りです。
まずは、揺らさずに香りを嗅いで見ます。
この段階でも、いい香りがしますが、次はグラスをテーブルにおいたまま、左回しでグラスをまわしてみます。
こうすることによって、香りが開いてきます。
たとえば、ソービニオンブランは、ライチやパッションフルーツなどのトロピカルフルーツの香りに加え、レモンなどの柑橘系の香りが融合して、心地のよい香りです。
ソービニオンブランは、現在、一番人気の高い品種です。
この分かりやすい香りが、一般消費者にうけているようです。
香りの次に、初めてワインを口に含んでみます。
ただ単純にワインを飲みたい人にとっては、ここまでの工程は、まどろっこしいものでしょう…。
口に含んだら、イッキに飲み込んでしまうのではなく、ワインを口に含んだまま、唇をちょっとすぼまして、空気を吸ってみます。
慣れないとちょっと難しいように感じますが、さほど難しいものではないと思います。
見た感じ、ほとんどの人が出来ているようでしたし。
空気を口の中に含むことによって、ワインの香りが口の中でさらに膨らみます。
ここでは、どんな味がするか、酸味の高さ、アルコールの高さ、赤ワインだったらタンニン(渋み)の高さを判断します。
今回テイスティングしたシャルドネは、りんご、洋ナシ、桃などの味とともに、蜂蜜の味と香りが心地よいアデレードヒルズのシャルドネでした。
なんとなく、甘い香りがすると、酸味は低いような気がしますが、香りは甘くても、酸味が高い品種はたくさんあります。
ソービニオンブランは、トロピカルフルーツの甘い香りがするのに、酸味はレモンのようなかなりの高さです。
このバランスが、おいしいワインを生み出すんですよ。
そして、最後に、飲み込んだ後の余韻を楽しみます。
飲み込んだ後、口の中に残るワインの香りと味の余韻の長さは、いいワインを評価する上で、
非常に重要になってきます。
会場にいたお客さん(ほぼ100%オージーです)は、4種類とも色も香りも味も、まったく違うことに非常に驚いていると同時に、楽しんでいるようでした。
なかなか4種類のワインを一度に楽しむことはないかもしれませんが、ちょっと人数の集まったパーティーなどで、ぜひ飲み比べてみてください。
違いがわかると、ワインのおいしさが数倍アップすると思いますよ。