4/22/2007

ニュージーランドのピノおすすめです!

今日は、オーストラリアのお隣の国、ニュージーランドのワインについてご紹介します。
4月25日は、アンザックデー(ANZAC)という祝日です。
ANZACとは、Australian and New Zealand Army Corporationの略で、イギリスから独立してまもなく、国としてまとまりに欠けていた第一次戦争勃発時、オーストラリアはニュージーランドとの連合軍として戦ったという歴史があります。
そのことを記念し、またその退役軍人を敬う日として始まったアンザックデーですが、現在では第二次大戦、ベトナム戦争の退役軍人をも敬う日となっています。
日本ではあまり知られていないことですが、第二次大戦時、唯一オーストラリアを攻撃したのが日本でした。
アンザックデー前後は、旧日本軍との戦いの番組が特集され、在豪日本人にとってアンザックデーはとても居心地の悪い祝日です。
今は親日家のイメージが強いオーストラリアですが、歴史的な背景から、反日家の人もいるのだということを、この時期は思い知らされます。
などと、前回に引き続き堅いことから始まってしまい、ワインの話題から逸れてしまいましたが、
とにかく、オーストラリアとお隣の国ニュージーランドは、歴史的にも、文化的にも、地理的にも兄弟のような国です。
ニュージーランドはオーストラリアに比べると、緯度が低いため、とても涼しい気候の国です。
南半球は、緯度が低くなるほど南極に近づくわけで、冷涼な気候というわけです。
涼しい気候の土地では、造れるブドウの品種が限られ、ワインのスタイルも軽いタイプのものが多くなります。
ニュージーランドで有名な品種は、ピノノワール(赤)とソーヴィニオンブラン(白)です。
ピノノワールは、一般的に、比較的軽めのボディで、渋みも少なく、色もライトな赤ワインです。
若いピノノワールは、綺麗なルビー色で、ストロベリーやスミレの花のような香りが心地よい華やかなスタイルのワインです。
それに対し、ボトルの中で成熟したピノノワールは、ストロベリーやスミレの花に加えて、トリュフ、マッシュルームやなめし皮などの熟成された香りが加わり、複雑な香りを楽しむ華麗なスタイルに変化します。
色はルビー色から淡いレンガ色(オレンジがかったピンクを想像してください)に変化します。
カベルネソーヴィニオンやシラーズなどの、パワフルな男性系のワインに比べ、繊細で華麗なピノノワールは、よく女性にたとえられます。
若いうちは、ただ単純に華やかな魅力に溢れていて、そして熟成されるにつれて、その華やかさに円熟味が加わり、成熟した華麗な魅力に変わるといった感じでしょうか。
最近ニュージーランド産ピノノワールに出会い、この品種の素晴らしさを再認識しました。
気候の関係上、ピノノワールに関しては、オーストラリアよりもニュージーランドのほうが質が上だと思います。
日本ではまだまだマイナーで、比較的高価なニュージーランド産ワインですが、機会があればぜひお試しください。
そして、ピノのように、私も成熟した華麗な魅力を持った大人の女性になれるよう努力しなければ!と思う次第です。

4/21/2007

地球温暖化とワイン

先週は、オーストラリアはイースター休暇でホリデー気分を満喫していたため、ブログの更新が遅れてしまっていました…。
今年のイースター(キリスト復活祭)は、昨年よりも2週間ほど早かったのですが、驚くほど暖かい(っていうより暑い)イースターを迎えました。
なんと連日30-34度の真夏日だったのです!
南半球のオーストラリアは、イースターを祝うのは秋になります。
昨年のイースターの頃は、もうすでに寒くなり始めていて、イースターセールを利用して温風暖房機を購入したのに、今年はクーラーの中で過ごしました。
ワインだって、本来ならば赤ワインがおいしい季節のはずなのに、イースター休暇中に飲んだワインは、みごとに白ワインのみ!っといった感じです。
これも、地球温暖化現象の一つなのでしょうか…。
干ばつの被害が多発しているオーストラリアでは、地球温暖化のニュースやドキュメンタリー番組が連日放送されています。
オーストラリアワインは、本来ならば灌漑はOKなのですが、ここまで干上がってしまうと、
葡萄よりもまずは人間のための水の確保が重要になるため、
今年はワインの葡萄にまで水が十分にいきわたらなかったようです。
極端に水分が不足しているため、今年の葡萄の出来は不作です。
ただし、この過酷な条件化の中でも、ベリーを実らせた葡萄もあるわけで、
それらは果実味が非常に凝縮しているため、もしかしたら最高のワインが出来るかも?!という期待もあります。
このまま温暖化が進んでしまったら、どうなってしまうのでしょう…。
世界のワイン産地マップに変化があるかもしれないという不安があります。
オーストラリア最高のワイン産地、「バロッサバレー」は、暖かい気候で有名な土地です。
このまま温暖化が進んだ場合、バロッサは暖かいどころか灼熱の土地になってしまうかもしれません。
今でさえ、真夏の日差しは強烈で、灼熱の大地といっても過言ではありません。
その日差しをさんさんと浴びたブドウが、オーストラリアワインのおいしさを支えているのですが、
今以上に灼熱の大地で、ブドウ栽培は無理ではないか…という不安は拭いきれません。
近い将来、ニュージーランド(とても涼しい国です)が、バロッサバレーのようなワインを生み出している可能性も、まったく否定は出来ません。
それから、消費者の好みも変わるかもしれません。
アデレードの春から夏は、カラッと湿度のない心地のよい季節です。
さすがに35度を超えるような超真夏日の日を除き、30度ちょっとくらいまでは、
日陰に入れば爽やかな風が通り、ひんやりとした感じさえします。
このような気候は、ワインを楽しむのにもピッタリなのです。
オーストラリアでも、夏は白ワイン、冬は赤ワイン!という考え方は、日本と同じです。
でも、カラッとした気候だと、30度くらいまでは赤ワインも十分おいしく楽しめるのです。
湿度が高い日本では、ちょっと考えにくいことですよね。
でも、温暖化が進み、毎日が40度くらいの夏になってしまった場合、赤ワインはおろか、白ワインすら飲みたい気がおこらなくなってしまうかもしれません…。
考えると恐ろしいですね。
ワインのためという訳ではありませんが、地球温暖化はなんとしてでも食い止めなければならない大きな課題です。
なんだかちょっと規模が大きすぎて、ここまでくると、ワイン業界の話というより、政府レベルの話になってしまいますね。
とかく日々の生活では忘れてしまいがちですが、温暖化は確実にやってきています。
地球に暮らすひと全員に課せられた大きな課題として、一人ひとりが考えていかなければいけないことだと最近考えさせられます。
とはいっても、スケールの大きな問題すぎて、どこから考えたらよいかわからないという人が多いと思います。
自分に身近なこと、興味のあること(たとえば私ならワイン)を通して、少し地球温暖化について考えてみてください。
きっと身近な問題に感じると思うし、考えなければならない問題だと再認識できるはずです。
イースター明けの第一弾は、ちょっと堅いことを言ってしまいました。。。

4/08/2007

和食は白ワインで!

和食を食べるとき、みなさんはお供は何にしますか?
日本酒?ビール?それとも焼酎??
最近では、創作和食などの店ではワインも置かれるようになりました。
では、お寿司は??
お寿司屋さんでワインを置いてあることは、日本ではまだまだ少ないケースだと思います。
しかし、これが結構あうんです。
どんなワインとも相性がいい訳ではありません。
白ワイン、しかもあまり主張の強くないワインが好いようです。
繊細なお刺身には、繊細なキャラクターのワインを選んでください。
たとえば、オーストラリアワインで選ぶのなら、ソーヴィニオンブラン、ピノグリ(イタリアではピノグリージョと呼びます)等々…。
どちらの品種も樽を使わないので、スッキリとした飲み口が特徴です。
最近、日本で見かけるようになった、国産ブドウ品種の甲州もなかなかよい選択です。
ライトなボディで、ゆずを思わせるような爽やかな香りが和食とベストマッチです。
ところが、キャラクターの強い品種、例えばシャルドネや、フレグランス的な香りのリースリングは、せっかくの和食の繊細さを消してしまうのでNGです。
しかし、お寿司にも例外が一つだけあります。
穴子などの甘いツメがついているものは、煮詰めたツメのほんのり温かい感じと、ツメ特有の甘からさが、シャルドネやリースリングなどとピッタリとあうじゃありませんか。
しかし、この場合、シャルドネは樽を使っていないタイプ(アンオークUnoak)にしてください。
オーク樽を使用したリッチなボディのシャルドネは、さすがにツメのおいしさも消してしまいます。
ちょっとした知識があれば、新しいスタイルのお寿司(和食)がおいしく楽しめますね。

4/05/2007

テイスティングノート VS ポイント

テイスティングノートをご存知でしょうか?
ソムリエやワイン批評家の書いた、ワインテイスティングの感想文です。
赤ワインならば、ラズベリーやブルーベリーなどのベリー系、胡椒やシナモンなどのスパイス、
ミントやユーカリなどのハーブ、ピーマンやマッシュルームなどの野菜(べジタル)、土の香り(アース)、そしてオーク樽から生まれるバニラやチョコレートの香り…など。
白ワインならば、レモンやグレープフルーツなどのシトラス、赤りんごや青りんご、
ピーチやアプリコットなどのストーンフルーツ(果物の真ん中に石のように大きな種がある果物のことを、ストーンフルーツといいます。)、パイナップル、パッションフルーツなどのトロピカルフルーツ、
スミレなどの花、草の香り、ヨーグルトやバターなどの乳製品の香り、
そしてオーク樽の香りはキャラメルやバタースコッチの香りなどと表現されます。
これらのテイスティングノートで使用される言葉は、ワインの特徴を言葉で表現する方法であり、
ワインの評価するための共通語でもあります。
また、テイスティングノートは、ブドウ品種や生産地の特徴を知るキーワードにもなっています。
例えば、スパイスやハーブなどの香りが強い、ミディアムボディの辛口赤ワインがあったとします。
ベリーの香りはそれほど強くはなく、べジタル(野菜)の香りもします。
この場合、スパイスの香りという表現から、ブドウ品種はシラーズが想像できます。
また、べジタルな香りと、ミディアムなボディという点から、比較的冷涼な地区産(たとえばアデレードヒルズなど)ということが読み取れます。
しかし、一般ワイン消費者が、キーワードを元にワインの特徴を理解するのはちょっと難しいですよね。
ましてはテイスティングのキーワードから、品質まで推測するのはかなりの至難の業です。
そこで広く活用されているのが、ポイントやワイン大会メダルを活用したワイン購入です。
オーストラリアワインには、金銀等のメダルが貼ってあることがよくあります。
これは、ワイン大会で優秀な成績を収めた印であって、品質の高さの補償でもあります。
そのようなワイン大会は、オーストラリア国内において、年間いくつも開催され、
その大会ごとにメダルが存在します。
また、ロバート・パーカーやワインスペクテイターのポイント(点数)を目安に、
ワインを購入という手もあります。
「ロバート・パーカー90ポイント!この味でこの値段は驚異的!」などのうたい文句をつけて
売り出されているワインを見たことがあると思います。
私の経験上、どんなにリーズナブルなお値段のワインでも、パーカーやワインスペクテイターで
90ポイント以上をとったワインでマズかった経験は一度もありません。
決してポイントやメダルだけが、高品質ワインの見分け方だとは思いませんし、おすすめはしません。
ただ、点数評価されることにより、一目瞭然で誰にでもわかりやすいシステムであることには間違いありません。
まだどのようにワインを買ったらよいか分からない方は、ポイントやメダルを目安に購入されるところから始めてみてはいかがですか?
そしてゆくゆくは、テイスティングのコメントから、ワインの特徴をを想像し、おいしい一本を見つけ出してください。
テイスティングのコメントを理解できるようになると、自分の好みのワインを探す手段となるので、
ワイン購入がとても楽しくなると思いますよ。

4/04/2007

お花見にはピンクのワインをどうぞ!


日本の桜の美しさは、地球の反対側のオーストラリアでも有名です。
やわらかで上品なピンクの桜色に染まる景色は、日本人でなくても誰もがうっとりする光景なのです。
一年に一度しかない、桜が綺麗なこの時期は、せっかくなので、桜色(ピンク)のワインを楽しみたいものです。
ピンクのワインといえば、ロゼワインです。
ロゼの造り方は、2通りあります。
1つは、黒ブドウから赤ワインと同じ製法で造る方法。
ブドウの皮とジュースの接触時間を少なくすることによって、きれいなピンク色に仕上げる方法です。
接触時間を減らせば極々淡い色に、時間を増やせばクリアな赤に近いロゼワインになります。
2つ目は、赤ワインと白ワインを混ぜて、ピンクのワインを造るという方法です。
赤ワインと白ワインの影に隠れて、常に日陰の存在のロゼワインですが、
近頃世界のワインマーケットでは、ロゼワインはちょっとした人気です。
オーストラリアワイン業界も、この影響に反映されてか(?)、多くのワイナリーでロゼを造っています。
一言で’ロゼワイン’といっても、淡いピンクからビビッドなピンクまで色が豊富で、
味も辛口から甘口まで、それぞれのワイナリーの個性が一番反映されるワインだともいえます。
オーストラリアでは一般的に、辛口ライトボディ(淡い色)のロゼはシーフードに、
辛口フルボディ(ビビッドピンク)のロゼは、ピザやパスタなどのちょっとヘビーな食事と、
中甘口のロゼは、タイやベトナム、中華料理などのエスニック料理と相性がよいといわれています。
エスニック料理の特徴である、辛甘酸っぱい味やスパイスと、中甘口のロゼはベストマッチです。
デパ地下で、エスニック料理やピザをテイクアウトして、ロゼワインといっしょに気軽に近くの公園に繰り出してみてはいかがですか?
いつものお花見とは一味違ったお花見を、これからの定番にしてもらえたらうれしいです。

4/02/2007

ヴィオニエブーム到来?!


ヴィオニエViognier(白)というブドウ品種をご存知ですか?
もともとフランスのローヌ地方の特産品で、ローヌでは、古くから力強いシラーズ(赤)に混ぜる脇役的役割をしていた品種です。
今では、ローヌでも他のニューワールド諸国でも、ヴィオニエ本来のキャラクターが
見直され、 ヴィオニエ単体の白ワインもかなり見かけるようになりました。
そのヴィオニエが、ブームの兆しを見せているという記事を、
先日新聞で見かけました。
ヴィオニエの特徴は、マイルドな酸と豊かな芳香が魅力のワインです。
一般的な香りと味の特徴は、トロピカルフルーツ、ライチ、ムスクなどの芳香などの香りに、
まったりとしたなめらかな口当たりで、杏や桃の味が口いっぱいに広がります。
通常、ブドウは熟すにしたがって、酸度が減り、それにともない糖度が増します。
つまり、もともとマイルドな酸のヴィオニエは、完熟ブドウでワインを造ると、酸味の足りない間が抜けたワインになりかねないので、完熟前の収穫が理想とされています。
早期収穫により、適度な酸度が保たれ、バランスのよいワインに仕上がるのです。
また、ボトル内での熟成が早いため、飲み頃は、1-3年と早く飲んでしまったほうがよい品種です。
先日紹介したソーヴィニオンブランは爽やかなイメージのワインだったのに比べ、
ヴィオニエは芳潤なマダムのようなワインだとイメージしてみてください。
長くワインを寝かさなくても、早い時期に熟成ワインを楽しめるヴィオニエで、
優雅なひと時を味わってみてはいかがですか?