4/21/2007

地球温暖化とワイン

先週は、オーストラリアはイースター休暇でホリデー気分を満喫していたため、ブログの更新が遅れてしまっていました…。
今年のイースター(キリスト復活祭)は、昨年よりも2週間ほど早かったのですが、驚くほど暖かい(っていうより暑い)イースターを迎えました。
なんと連日30-34度の真夏日だったのです!
南半球のオーストラリアは、イースターを祝うのは秋になります。
昨年のイースターの頃は、もうすでに寒くなり始めていて、イースターセールを利用して温風暖房機を購入したのに、今年はクーラーの中で過ごしました。
ワインだって、本来ならば赤ワインがおいしい季節のはずなのに、イースター休暇中に飲んだワインは、みごとに白ワインのみ!っといった感じです。
これも、地球温暖化現象の一つなのでしょうか…。
干ばつの被害が多発しているオーストラリアでは、地球温暖化のニュースやドキュメンタリー番組が連日放送されています。
オーストラリアワインは、本来ならば灌漑はOKなのですが、ここまで干上がってしまうと、
葡萄よりもまずは人間のための水の確保が重要になるため、
今年はワインの葡萄にまで水が十分にいきわたらなかったようです。
極端に水分が不足しているため、今年の葡萄の出来は不作です。
ただし、この過酷な条件化の中でも、ベリーを実らせた葡萄もあるわけで、
それらは果実味が非常に凝縮しているため、もしかしたら最高のワインが出来るかも?!という期待もあります。
このまま温暖化が進んでしまったら、どうなってしまうのでしょう…。
世界のワイン産地マップに変化があるかもしれないという不安があります。
オーストラリア最高のワイン産地、「バロッサバレー」は、暖かい気候で有名な土地です。
このまま温暖化が進んだ場合、バロッサは暖かいどころか灼熱の土地になってしまうかもしれません。
今でさえ、真夏の日差しは強烈で、灼熱の大地といっても過言ではありません。
その日差しをさんさんと浴びたブドウが、オーストラリアワインのおいしさを支えているのですが、
今以上に灼熱の大地で、ブドウ栽培は無理ではないか…という不安は拭いきれません。
近い将来、ニュージーランド(とても涼しい国です)が、バロッサバレーのようなワインを生み出している可能性も、まったく否定は出来ません。
それから、消費者の好みも変わるかもしれません。
アデレードの春から夏は、カラッと湿度のない心地のよい季節です。
さすがに35度を超えるような超真夏日の日を除き、30度ちょっとくらいまでは、
日陰に入れば爽やかな風が通り、ひんやりとした感じさえします。
このような気候は、ワインを楽しむのにもピッタリなのです。
オーストラリアでも、夏は白ワイン、冬は赤ワイン!という考え方は、日本と同じです。
でも、カラッとした気候だと、30度くらいまでは赤ワインも十分おいしく楽しめるのです。
湿度が高い日本では、ちょっと考えにくいことですよね。
でも、温暖化が進み、毎日が40度くらいの夏になってしまった場合、赤ワインはおろか、白ワインすら飲みたい気がおこらなくなってしまうかもしれません…。
考えると恐ろしいですね。
ワインのためという訳ではありませんが、地球温暖化はなんとしてでも食い止めなければならない大きな課題です。
なんだかちょっと規模が大きすぎて、ここまでくると、ワイン業界の話というより、政府レベルの話になってしまいますね。
とかく日々の生活では忘れてしまいがちですが、温暖化は確実にやってきています。
地球に暮らすひと全員に課せられた大きな課題として、一人ひとりが考えていかなければいけないことだと最近考えさせられます。
とはいっても、スケールの大きな問題すぎて、どこから考えたらよいかわからないという人が多いと思います。
自分に身近なこと、興味のあること(たとえば私ならワイン)を通して、少し地球温暖化について考えてみてください。
きっと身近な問題に感じると思うし、考えなければならない問題だと再認識できるはずです。
イースター明けの第一弾は、ちょっと堅いことを言ってしまいました。。。

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