2/18/2009

ガラスのコルク


こんにちは。
ガラスのコルクをご存知ですか?
たぶん、ほとんどの方が初めて聞いたと思います。
はい、実は私もつい最近まで知りませんでした(笑)。
先日、私が働くワイン屋で、お客さんに「ガラスのコルクのワインは取り扱っていますか?」との質問を受けました。
私は、「は???、ガラスのコルク???、それって何???」という状況だったので、すぐさまマネージャーに確認したところ、ウチの店では2本のガラスコルクを使ったワインの取り扱いがありました。
大学院の勉強の中で、ガラスは密閉性に優れているので、ワインのストッパーとして向いているという授業があったことを思い出しました。
そのときは、まさか商品化されているものの話だとは知らずに聞いていたのですが、ガラスのストッパーを使ったワインってあったんですね。
現在ではスクリューキャップが主流のオーストラリアワインですが、スクリューキャップにしているのには、きちんと理由があります。
コルクは、生産量の10-20%がTCAに侵されてしまい、せっかくのワインを不快なコルク臭のするワインにしてしまうのです。
そのコルクの問題を解決すべく発表されたのが、スクリューキャップワインでした。
保存にもすぐれ、コルクの問題もないという科学的根拠から、多くのワインメーカーはスクリューキャップを支持しています。
しかし、見た目の悪さから、消費者からはイマイチの支持率のスクリューキャップです。
やっぱり、ワインのコルク栓を抜いたときの「ポンッ!」という音は、どこかロマンティックですよね。
それに引き換え、スクリューキャップをあける音は、ソフトドリンクのボトルを開けるのとあまり変わりがなく、雰囲気にかけます。
しかし、このガラスのコルクなら、「ポンッ」という音はないものの、スクリューキャップをあける際の「ガリガリッ」という音は聞かなくてすみます。
見た目も、ガラスなので、スマートだし、素敵です。
どうやら、ガラスのコルクは5年ほど前にヨーロッパで発表されたらしいのですが、ほとんどお目にかからないですよね。
理由は、生産コストが結構かかるみたいです。
そのため、比較的お値段のはるワインにしか使われていません。
生産コストの問題さえクリアすれば、スクリューキャップに代わって主流のワインの栓になることも可能でしょう。
今度、ちょっとガラスのコルクのワインを買って試してみようと思います。
そうしたら、またコメント書きますね。

2/17/2009

オーストラリアワイン業界大ピンチ

こんにちは。
前回の記事でお話したとおり、1月下旬から2月上旬にかけて、オーストラリア南部(南オーストラリア州(SA)、ヴィクトリア州(VIC))を記録的な熱波が襲い、作物という作物を枯らせてしまいました。
ただでさえ、エアコンを使って電気代の支払いが増えているというのに、さらに生鮮食品の物価もうなぎのぼりに上がり、例年の夏の倍の金額になっています。
自給率120%のオーストラリアは、野菜、果物のほぼすべてが国産、しかも一部のトロピカルフルーツを除いて、ほとんどのものが自州産なのですが、いまは他州からの輸入に頼っている状態なのです。
そうなると、気になるのが今年の葡萄の出来です。
一部の情報によると、バロッサやマクラーレンベールなどの産地の半数以上の葡萄が、収穫前に枯れてしまったとのことです。
TVのニュースでは、枝になったまま干し葡萄になってしまっている葡萄が放送されていました。
ここ数年、葡萄の過上生産による葡萄価格の低下が問題となっているオーストラリアですが、今年は葡萄不足による葡萄価格の高騰が問題になりそうです。
そんな中、熱波の被害を逃れた産地もあります。
冷涼気候のクレアバレー(アデレードから200kmほど北上した標高の高い産地)では、他の産地の葡萄がダメでも、クレアの葡萄は順調に育っているそうです。
例年より高温で育った葡萄は、凝縮度が増し、どのようなワインを作り出すのか楽しみです。
問題は、酸度がどこまで保たれているかですけど。。。
熱波で大損害を被ったオーストラリアワイン業界ですが、追い討ちをかけるように、ブッシュファイアー(山火事)で、ヴィクトリアの葡萄とワインの一部は、灰となってしまいました。
火災から逃れた葡萄も、煙のにおいがついてしまって、ワインの香りに影響が出てくるでしょう。
2009年は、オーストラリアワイン史上最悪の悲惨なヴィンテージとなってしまいそうです。
それでも、ワインメーカーは今日もがんばってワインを作っています。
最悪な状況下で、どんなワインをつくり出してくるのか、オーストラリアのワインメーカーに期待したいと思います。

2/02/2009

夏のワインの楽しみ方

南半球のオーストラリアはただいま夏真っ盛りです。と聞けば、寒い冬の日本のみなさんはうらやましいなーと感じるでしょう。
しかし、先週からオーストラリア南部のサウスオーストラリア州やヴィクトリア州は熱波に襲われ、連日40度以上の日が続きます。
今日で40度以上の日は7日連続となり、100年ぶりに記録更新だそうです。
先週の火曜日には、70年ぶりに45.7度を記録し、毎日干からびそうになるような暑さが続きます。
ここまで暑いと、正直言うとワインは飲みたくないですね。
湿度の低いアデレードでは、30度ちょっとまでは比較的すごしやすく、赤ワインでもステーキなどの食事とあわせておいしく楽しめます。
しかし、46度なるとさすがに暑くて、氷入りの冷たいドリンクが欲しくなりますね。
そこで、湿度の高く不快な夏の日本でのワインの楽しみ方をひとつ提案です。
みなさんは、デザートワインはお好きですか?
作り方によって呼び名は異なりますが、貴腐ワインとかアイスワインとか言われているものがデザートワインです。
デザートワインの基本的な特徴は、白葡萄からつくったデザートのように甘いワインのことをいいます。
この甘さは天然の葡萄の甘さで、ただ甘いだけでなく、それに比例した酸味の高さが特徴です。
甘酸っぱーい!っていう表現が正しいでしょうかね。
でも、デザートワインと呼ばれるくらいなのですから、やっぱり甘いです(笑)。
デザートワイン特有のベタベタした感じ(英語ではstickyですね)が苦手という人も結構いるかと思います。
そこで、あたらしいデザートワインの飲み方をひとつ提案です。
暑い夏なのですから、素敵なグラスにデザートワインを注ぎ、氷をいくつか浮かべてみてはいかがでしょうか?
ワインに氷を入れるなんて邪道だ!と批判される方もいると思いますが、結局は飲む本人が楽しめれば、スタイルなんてなんでもいいのです。
暑い夏に、暑いのをがまんして、無理して常温の赤ワインを飲むより、氷の浮かんだ甘酸っぱいワインを楽しんだほうが、ワインを心から楽しめると思いませんか?
氷がグラスに触れて生み出す涼しげな音、冷たい温度、甘酸っぱさ、どれをとっても夏にぴったりです!
しかも、氷でワインを少しだけ薄めれば、お酒に弱い人でも楽しめそうですよね。

それから、夏にワインを飲む際に大事なことをひとつ。
夏だけに限った事ではありませんが、ワインを飲むときは、かならず水をたくさんとるようにしましょう。
ワインと同じかそれ以上の水を飲むようにしましょう。
ワインはアルコールです。
アルコール類は、水分とはいっても体を脱水にしていくものです。
不思議に聞こえるかもしれませんが、アルコールの水分をとればとるほど、体は脱水状態になっていくのです。
胃はチャポンチャポンで水分でいっぱいなのに、体は脱水状態なのです。
ただでさえ、夏は水分補給に気をつけなければなりませんが、アルコールを摂取した際は、いつもよりも増して水分補給につとめましょう。
翌日の頭痛(二日酔い)は、水分補給で確実に防ぐことができます。
冬の日本のみなさんに、夏の話題をお届けしてもあまりピンとこないかもしれませんが、今日の話は頭の片隅に入れておいてもらえればうれしいです。
そして、今年の夏に、早速楽しんでみてください。