オーストラリアワイン業界大ピンチ
こんにちは。
前回の記事でお話したとおり、1月下旬から2月上旬にかけて、オーストラリア南部(南オーストラリア州(SA)、ヴィクトリア州(VIC))を記録的な熱波が襲い、作物という作物を枯らせてしまいました。
ただでさえ、エアコンを使って電気代の支払いが増えているというのに、さらに生鮮食品の物価もうなぎのぼりに上がり、例年の夏の倍の金額になっています。
自給率120%のオーストラリアは、野菜、果物のほぼすべてが国産、しかも一部のトロピカルフルーツを除いて、ほとんどのものが自州産なのですが、いまは他州からの輸入に頼っている状態なのです。
そうなると、気になるのが今年の葡萄の出来です。
一部の情報によると、バロッサやマクラーレンベールなどの産地の半数以上の葡萄が、収穫前に枯れてしまったとのことです。
TVのニュースでは、枝になったまま干し葡萄になってしまっている葡萄が放送されていました。
ここ数年、葡萄の過上生産による葡萄価格の低下が問題となっているオーストラリアですが、今年は葡萄不足による葡萄価格の高騰が問題になりそうです。
そんな中、熱波の被害を逃れた産地もあります。
冷涼気候のクレアバレー(アデレードから200kmほど北上した標高の高い産地)では、他の産地の葡萄がダメでも、クレアの葡萄は順調に育っているそうです。
例年より高温で育った葡萄は、凝縮度が増し、どのようなワインを作り出すのか楽しみです。
問題は、酸度がどこまで保たれているかですけど。。。
熱波で大損害を被ったオーストラリアワイン業界ですが、追い討ちをかけるように、ブッシュファイアー(山火事)で、ヴィクトリアの葡萄とワインの一部は、灰となってしまいました。
火災から逃れた葡萄も、煙のにおいがついてしまって、ワインの香りに影響が出てくるでしょう。
2009年は、オーストラリアワイン史上最悪の悲惨なヴィンテージとなってしまいそうです。
それでも、ワインメーカーは今日もがんばってワインを作っています。
最悪な状況下で、どんなワインをつくり出してくるのか、オーストラリアのワインメーカーに期待したいと思います。
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