7/31/2007

記念日にはビンテージワインを開けたいな




無事、Master of wine businessが終了し、昨日卒業式を迎えることが出来ました。
オーストラリアでも、卒業生は、よくアメリカ映画に出てくるようなガウンを着ます。
しかし、イギリス圏のオーストラリア(君主はエリザベス女王です!)では、アメリカ式のガウン(映画でおなじみの前をピッタリと閉じたタイプ)ではなく、ガウンの前が全開のケンブリッジ式ガウンと角帽を着用します。
ガウンの色は全員黒ですが、大学生と大学院生では、若干袖の形が違ったり、学部ごとにフードの色が違ったり、博士号の学生は角帽ではなくベルベッド製の巾着のような帽子だったりと、ガウンを見れば、何を終了したかが一目瞭然になっています。
イギリス圏の学校はどこでも同じなのかもしれませんが、なんだかホグワーツ(ハリーポッターの学校)にいる気分でした。
学長が登場した途端、アメリカ人の友人は「ダンブルドア先生ですか~?!」って笑っていました。
ということで、本日は卒業記念のすばらしい一本を開けました。
今日のワインはHeitz Wine Cellars Martha's Vineyard, 1985, Cabernet Sauvignon, NapaValleyです。
そうです、今日の一本は、カリフォルニアのナパからやってきたワインです。
ビンテージは1985年。私がまだ10歳のころに造られたワインです。
しかも、Heitzの中でも、Martha's Vineyardのものです。
今、サンフランシスコあたりのワインショップで買ったら、軽ーくUS$600は超えるらしいです。
このような素晴らしいワインを開けるチャンスをもらえた私は、何と幸運なんでしょう。
22年熟成されたワインの味は、やはりいつも飲んでいるワインとは一味も二味も違いました。
カラー: 綺麗なレンガ色(濃い目のオレンジ色)。熟成されているなーっていう色です。
このワインも22年前は、濃い紫色だったんでしょうね。
縁の色の薄い部分が広く、これは熟成されているサインです。
赤ワインは、熟成されるにつれて、色が薄くなります。(濃い紫→ルビーレッド→ガーネット→オレンジ)
ノーズ: レーズン、ドライプルーン、ピーマン、アスパラ、マッシュルーム、タバコ、葉巻、しょうゆ、紅茶、ミント、なめし皮、ダスティー香(ずーっと使っていなかった別荘地に久々に訪れたことを想像させるような、ちょっとほこりっぽい香り)、などなど。
とーっても香りが複雑で、次から次へといろいろな香りを発見できました。
やはり、この複雑感、熟成されたワインならではですね。
ワインは、熟成されるにつれ、フルーツ系の香りが薄れ、それ以外の香りが際立ってきます。
このワインを一口飲んで、一番最初に香ったものは、ピーマンでした。
それから、しょうゆの香りもかなり初めのほうに香りました。しょうゆと言っても、たまり醤油ではなく、普通のしょうゆです。
ワインを飲んでしょうゆの香り?!と思われるかもしれませんが、これって結構フランス(特にボルドー)ワインに見つかる香りです。
ボルドーの五大シャトーと呼ばれるような、高級ワインを飲むと、かなりの確立でしょうゆっぽい香りがします。
当然ですが、フランス人やオーストラリア人は、この香りをしょうゆの香りとは表現しません。
大豆の香りとか言っている人は、よく見かけるので、きっとこの香りのことだと思います…。
パラット: タンニンは、初めはソフト。しかし、飲み続けていくうちに、上歯茎と上唇の間に渋みが残り始めたので、22年前は、非常に強いタンニンだったことが予想されます。
このタンニンが、赤ワインの長熟の秘訣なので、このタンニンがなければ、とっくの昔に酢になってしまって、今飲めていないのかもしれません。
Heitzは、酸味が高いワインで有名なので、やはりこのワインも比較的酸味は高かったですが、
嫌味な高さではなく、心地よく飲める酸味でした。
やはり、熟成されて、酸味もまろやかになったのでしょうか。
アルコールは13.5%。現在のカリフォルニアワインでは考えられないほど低いです!!
カリフォルニアもオーストラリアも、現在の平均アルコール度数は14-15%です。
1985年当時は、まだまだ13%台のワインが存在したんだ…と驚いた瞬間でした。
余韻(ワインを飲んだ後の口の中に残る香りの長さ)は、超超超長かったです。
今まで飲んできたワインの中で、一番長かったのではないだろうかという長さです。
余韻の長さは、ワイン評価の基準になるため、このワインが評価が高い意味がよくわかりました。
こんなワインに会える機会は、なかなかありませんが、やっぱり記念日には、ちょっと特別なビンテージワインを開けたいですね。

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