ペンフォールズのGrange
今日、お客さまに「グランジは扱ってますか?」と質問を受けました。
「はい、ございますよー。1本$600.00になります。」
グランジGrangeは、開店からまだ1本も売れたことのないワインなので、第一号は私が売るのか?!と期待したものの、やはり$600.00という値段に、そのお客様は躊躇して帰っていきました。
PenforldsペンフォールズのグランジGrangeというワインはご存知ですか?
言わずと知れた、オーストラリアワインの最高峰の赤ワインです。
1995年、アメリカのワイン雑誌ワインスペクテイターから、1990年ヴィンテージのグランジは、ワインオブザイヤーを受賞し、世界中にこのすばらしいワインの名が広まることになります。
グランジのおもしろいところは、いろいろな地域で栽培されたシラーズを混ぜ合わせて作っていることです。
グランジのバックグランドともいえる、バロッサをはじめ、マクラーレンベール、クーナワラ、マギル(アデレード郊外)で栽培されたシラーズをうまくブレンドし、バランスのよいオーストラリアを代表するワインが出来上がります。
フランスワインを代表に、国名を冠するワイン→地区名→村名→畑名といったように、範囲が狭まった名を冠するにつれて、質の高い高級ワインという位置づけがあります。
オーストラリアのワイン法では、フランスワイン法のようなルールはないものの、多くのワイナリーが、特定の畑で栽培された葡萄を使用し、またその畑名を高級ワインに用いることは、よくあることです。
それにもかかわらず、オーストラリア最高峰のグランジは、ブレンドして作っているんですよね。
仮に、グランジがフランスで作られていたとしたら、この製法では、法律上は地域名すら名乗れないただのテーブルワインになりかねませんね(笑)。
それから、もうひとつの特徴は、アメリカンオーク樽100%で作られていることです。
通常、ワイン樽として用いられるのが、フレンチオークとアメリカンオークです。
フレンチオークのほうが、マイルドでエレガントな樽香が生まれることから、フレンチオークを好むワインメーカーが多い気がします。
アメリカンオークを使用する際には、多くのワイナリーは、フレンチとアメリカンをブレンドして作ります。(=フレンチオークで熟成させるワインとアメリカンオークで熟成させるワインを両方つくり、熟成後にブレンド)
さまざまな地域の葡萄をミックスさせて作る製法、アメリカンオーク100%の樽熟成、どれをとっても型破りなワインですよね。
ちなみに、私はまだグランジをテイスティングしたことがありません。
ペンフォールズ マギルエステートは、私の家から5分ほどの距離なので、何度か訪れたことがあるのですが、まだグランジのテイスティングにまでは至ってません。
グランジのテイスティングは、セラドアー(テイスティングルーム)で出来るわけではなく、レストランのグラスワインのメニューの中にあります。
お値段は、1杯$80.00です。
今の日本円にしたら、大した金額ではないかな?!
でも、AU$1=110円ほどだった私の学生時代、この金額には目が飛び出ましたよ(笑)。
円高とはいえ、グランジは、気軽に試してみるには、やはりお高いですよね。
そこで朗報です!
同じPenfoldsから、「ベイビーグランジ」の愛称で親しまれているワインがあるんです。
それは、Penfolds BIN389です。
お値段$40前後とお手ごろながら、グランジを髣髴させるおいしさなんです。
日本でも、3千円台で購入できると思いますので、ぜひぜひお試しください!


















2 件のコメント:
Grange、飲んでみたいですね!
この間、ニュージーランドへ行ったときに、免税店を覗いてみたら、NZ$480で売っていましたよ!オーストラリアで買うより、安いですね。
樽香についてですが、フレンチ樽とアメリカ樽で寝かしたワインの違いをもう少し詳しく終えてくれませんか?
Grange購入されたのですか?大切に寝かせてくださいね。
樽香ですが、アメリカンオークを使ったほうが、バニラ香やキャラメルのような香ばしさが強くなるといわれています。フレンチオークからもバニラなどの香りは見つかりますが、アメリカンオークよりも控えめで、よりエレガントなスタイルに仕上がります。
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